「paranoid」と「suspicious」はどう違う?隠しごとを疑うときの英語|『モダンファミリー』S08E08で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「paranoid」と「suspicious」はどう違う?隠しごとを疑うときの英語|『モダンファミリー』S08E08で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン8第8話では、キャメロンたちがひそかに手を組んで動いていることに、ミッチェルが少しずつ気づいていきます。ところが、疑いを口にするたびに「考えすぎだ」と返されてしまいます。

この回のミッチェルの疑いは、実は当たっていました。だからこそ、paranoid と suspicious という2つの語の違いがくっきり見えてきます。疑う側と疑われる側、それぞれの言葉から読み解きます。

目次

疑いを口にすると「paranoid」と返される

フィルに引き止められた後、家に戻ったミッチェルは、キャメロンに疑いをぶつけます。

Mitchell: Phil was clearly just trying to keep me from here.
(フィルは明らかに、僕をここに来させないようにしてた。)

Cameron: What?
(何?)

Mitchell: Yeah, I-I lost my keys, and sudden suddenly he shows up and Does this have something to do with the thud we heard upstairs?
(そうだよ、鍵をなくしたら、急に、急にフィルが現れて……これって、2階で聞こえたドスンって音と関係ある?)

Cameron: Mitchell, I I say this with love, but you’re coming unhinged.
(ミッチェル、愛してるから言うけど、君、どうかしてるよ。)

Modern Family Season8 Episode8 (The Alliance)

keep someone from ~ は「人を〜から遠ざける」で、ミッチェルはフィルの行動の狙いをはっきり言い当てています。Does this have something to do with ~? は「これって〜と関係ある?」と、気になる2つの出来事を結びつけて尋ねる形です。

キャメロンの I say this with love, but ~ は「愛情から言うんだけど」と前置きして耳の痛いことを言う形で、come unhinged は「(心の)ちょうつがいが外れる」、つまり冷静さを失っている様子を表すくだけた言い方です。キャメロンは、自分は医者ではないと断りながら、さらにこう続けます。

Cameron: You know, on the other hand, if I were a doctor, I would say, “What’s up with all the conspiracy theories?” It’s textbook paranoia.
(まあ逆に、もし僕が医者だったら「その陰謀論の数々はいったい何?」って言うね。絵に描いたような疑いすぎだよ。)

Cameron: Everyone’s talking about it.
(みんなその話をしてるよ。)

Cameron: But again, not a doctor, so shall we?
(でもまあ、医者じゃないけどね。じゃあ、行こうか?)

Modern Family Season8 Episode8 (The Alliance)

textbook ~ は「教科書どおりの、典型的な」という形容詞的な使い方です。conspiracy theory は「陰謀論」で、ここでは何にでも裏があると思い込む話を大げさにそう呼んでいます。Everyone’s talking about it. は「みんなその話でもちきりだ」と、さらに大げさに付け足す一言です。隠している側のキャメロンが、相手の疑いのほうを「考えすぎ」と呼んでかわしている場面です。

「paranoid」と「suspicious」の違い

キャメロンに促された後、ミッチェルは引き下がって謝ります。

Mitchell: I’m sorry.
(ごめん。)

Mitchell: Maybe I was being paranoid.
(僕、疑いすぎてたのかも。)

Modern Family Season8 Episode8 (The Alliance)

paranoid は日常会話では「根拠もないのに疑いすぎている、心配しすぎている」という意味で使われることが多い語です。I was being paranoid. のように be being の形にすると、「そのときはそういう態度だった」と一時的なふるまいとして認める響きになります。

その後、ステラを探すキャメロンたちのほうを、ミッチェルが見ています。

Gloria: I think Mitchell is looking at us.
(ミッチェルがこっちを見てるみたい。)

Cameron: Okay, I thought I cooled his suspicions this morning.
(あれ、今朝、疑いはしずめたと思ったのに。)

Cameron: Laugh and disperse.
(笑って解散。)

Modern Family Season8 Episode8 (The Alliance)

ここで出てくるのが suspicion(疑い)です。形容詞の suspicious は「怪しいと思っている」「怪しげな」という意味で、疑う気持ちそのものを中立に表します。cool someone’s suspicions は「疑いをしずめる」。2つの語を並べると、次のように整理できます。

語 意味 響き
suspicious 怪しいと思っている/怪しげな 疑う気持ちを中立に伝える
paranoid 根拠なく疑いすぎている 疑いを「考えすぎ」と評価する

suspicious は疑う側が自分の気持ちを言うときにも使えますが、paranoid は相手の疑いを退けるときにも使われます。この回では、正しかった疑いが paranoid と呼ばれていた点に、2語の差が表れていると言えます。

疑いが当たっていたときの言い方

犬の首輪が見つかり、ジェイが首輪を持っていたわけを問いただしたところで、ミッチェルが口を挟みます。

Jay: Why did you have it?
(なんでそんなもの持ってたんだ?)

Mitchell: Well, I know why.
(理由なら僕が知ってる。)

Mitchell: Yeah, because they’re all working together.
(そう、みんなで手を組んでるからだよ。)

Modern Family Season8 Episode8 (The Alliance)

work together は本来「協力する」という前向きな言い方ですが、ここでは「裏で示し合わせている」という非難として響きます。疑いの段階では Does this have something to do with ~? と問いの形だったミッチェルが、ここでは I know why. と言い切っている点に、疑いが確信に変わった流れが表れています。続けてミッチェルは、ある物を取り出し、それがジェイのものだと分かります。ジェイがそれはグロリアに今朝取り上げられたものだと言うと、ミッチェルは一気にたたみかけます。

Mitchell: Oh, let me guess, right before she went out to buy orange juice
(当ててみようか、オレンジジュースを買いに出かける直前だろ)

Jay: That’s right
(そのとおり)

Mitchell: Except for she wasn’t.
(ただし、行ってなかった。)

Mitchell: She was with Cam getting rid of the squatters while I was being stalled by that man!
(僕があの男に引き止められてる間、キャムと一緒に居座りの連中を追い出してたんだ!)

Phil: They helped me hide a reindeer!
(2人は俺がトナカイを隠すのを手伝ってくれたんだ!)

Modern Family Season8 Episode8 (The Alliance)

let me guess は「当ててみようか」と、答えが分かっていることを示す前置きです。Except for she wasn’t. はジェイの That’s right を受けて「ただし、そうではなかった」と覆す短い一言で、いったん認めさせた筋書きを最後にひっくり返し、本当の行き先を続けて明かす働きをしています。フィルが自分からトナカイの件を明かしてしまうのも、この場面の見どころです。

まとめ|疑う言葉、退ける言葉

suspicious は疑う気持ちを中立に表し、paranoid は疑いを「考えすぎ」と評価する語です。keep someone from ~、come unhinged、let me guess まで追うと、疑いが退けられ、最後に当たる流れが英語で見えてきます。

『モダンファミリー』の夫婦のやりとりを観ながら、こうした言葉の温度差にも目を向けてみると発見があります。

同じ回のほかのコラムでは時間を稼ぐ側の段取りや十代の子を預かる英語を、個々の表現はフレーズ記事で扱っています。

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