海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン8 第8話に登場する、動物の分類にまつわる軽口から生まれるイディオムです。カフェテリアでハワードが母親とスチュアートの関係にぼやいていたところへ、シェルドンがテナガザルの分類学の話を持ち出す場面から見ていきます。
身近な不満を、少し大げさな比喩に乗せて語る言い回しを、たどっていきましょう。
「〜として分類される」から「除け者にする」までの言い方
ハワードが母とスチュアートの関係にうんざりしている場面で、シェルドンは唐突にテナガザルの分類学を持ち出します。
Sheldon: You think you’ve got problems. The gibbon is the only member of the ape family not classified as a great ape.
(君は自分に問題があると思っているようだが、テナガザルは類人猿の中で唯一、グレートエイプに分類されない存在なのだ。)Howard: How is this helpful?
(それがどう役に立つんだ?)Sheldon: All the non-human apes are classified as great apes except one. That means taxonomists created the entire category of lesser ape just to single out the poor gibbon as the weird kid on the playground. Now there’s a hairy little fellow with a genuine beef.
(人間以外の類人猿は、一種を除いてすべてグレートエイプに分類されている。つまり分類学者たちは、あの気の毒なテナガザルを校庭で浮いた存在として名指しするためだけに、下位類人猿という区分をまるごと作り出したということだ。あの毛深い小さな奴には、正当な不満があるというわけだ。)TBBT Season8 Episode8 (The Prom Equivalency)
be classified as 〜は「〜として分類される」という、ものごとの位置づけを説明する言い方です。動詞single outは、集団の中から一つだけを名指しで取り上げることを指し、良い意味にも悪い意味にも使われます。ここでは、あるグループをまるごと作ってまで一種類だけを除け者にする、という皮肉な状況が表れています。the weird kid on the playgroundという言い回しは、集団の中で浮いてしまう存在を、学校の校庭という身近な情景に置き換えたものです。
そして最後に出てくるのが、a genuine beefという表現です。beefは肉ではなく口語表現で「不満・恨み」を指す名詞で、have a beef with 〜(〜に対して不満がある)という形でよく使われます。genuineが付くことで、その不満が根拠のある、正当なものであることが強調されています。
比較級で「〜より状況が悪い」と結ぶ言い方
レナードが冷静な指摘を挟むと、シェルドンは持論を締めくくります。
Leonard: But the gibbon doesn’t know what it’s categorized as. It doesn’t even know it’s called a gibbon.
(でもテナガザルは自分が何に分類されているかなんて知らないだろ。テナガザルと呼ばれていることさえ知らないんだから。)Sheldon: True. Sorry, kid, you’ve got it worse than a gibbon.
(それは事実だ。残念だったな、君はテナガザルよりも状況が悪いというわけだ。)TBBT Season8 Episode8 (The Prom Equivalency)
you’ve got it worse than 〜は、比較級を使って「〜より状況が悪い」と結論づける言い方です。誰かの愚痴に対して、もっと気の毒な例を持ち出して軽くいなす、という会話の運び方が見どころです。深刻な話題ではなく、動物の分類という架空の比較対象を持ち出しているところに、この場面らしいユーモアが読み取れます。
日常のぼやきを口にするとき、have a beef with 〜やa genuine beefという言い方は、深刻になりすぎずに気持ちを共有できる語彙です。誰かの愚痴に付き合うときの相槌としても使える型と言えます。
まとめ|動物の分類ジョークから見えてくる、不満を語る英語
be classified as、single out、the weird kid on the playground、a genuine beef、you’ve got it worse than 〜と、ハワードのぼやきから始まった雑談が一気に語彙を広げていく様子をたどりました。比較級を使って相手の愚痴を軽くいなす運び方も、日常の会話に応用できる型です。
次回の『ビッグバン★セオリー』でも、何気ない会話から広がる英語表現を見ていきましょう。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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