海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン6 第1話から、モジーが監視の車両の中で賭けを持ちかける場面を取り上げます。誘いの切り出し方、勝ったときに得るものの示し方、勝負がついたあとの種明かしまで、賭けにまつわる英語が一続きの流れで登場します。どの表現も、仲間内のちょっとした勝負や軽い言い合いにそのまま応用できる形です。
賭けの bet が皮肉の相づちに変わる使い方もあわせて、順番に見ていきます。
「care to ~?」で、賭けに誘う
ピーターがニールに伝言の機会を与えているあいだ、監視の車両の中ではモジーと同乗者が成り行きを見守っています。ニールの計画が続くかどうかをめぐって意見が分かれたところで、モジーが切り出したのがこの一言です。
Mozzie: Oh, you care to make a wager on it?
(おや、それに賭けてみる気はあるか?)White Collar Season6 Episode1 (Borrowed Time)
care to ~ は「〜する気がある」という意味で、Would you care to ~? の形なら「〜なさいますか」と丁寧に勧める定番の言い回しです。モジーの文は Do you care to ~? の Do を落とした口語の形です。改まった誘いの型を軽口に転用しているところに、この一言のおかしみがあります。
make a wager は「賭けをする」で、同じ意味の make a bet より少し硬い響きを持つ語です。on it の it は、直前まで話していた「ニールの計画がこのまま続くかどうか」を指しています。何に賭けるかを on で示す形は、bet on ~ でも同じです。また wager は動詞としても使え、I’d wager (that) ~ と言うと「賭けてもいいが〜だと思う」という、自信のある推測を表せます。
賭けの中身を説明する前に、まず「乗るかどうか」だけを尋ねている点も見逃せません。条件はこのあと、聞き返されてから初めて示されます。誘いと条件を二段に分けると、相手の興味を引いてから本題に入る流れが作れます。
「If I’m right ~」で条件を示し、「I bet」で皮肉を返す
聞き返した同乗者に、モジーは勝った場合に自分が得るものを具体的に示します。
Mozzie: If I’m right and Peter lets Neal continue with his plan, I get to ask you a single question that you must answer honestly.
(私の読みが当たって、ピーターがニールに計画を続けさせたら、君に一つだけ質問させてもらう。正直に答えなければならない質問をだ。)White Collar Season6 Episode1 (Borrowed Time)
If I’m right で勝ちの条件を先に置き、get to ~ で「〜する権利を得る」と賞品を示す組み立てです。get to は「〜できることになる」という機会や許可を表し、have to(〜しなければならない)と対になる言い方として覚えやすい表現です。
同乗者も自分が勝った場合の条件を返し、賭けは成立します。やがて同乗者が負けを認め、質問は何かと促すと、モジーはこう返します。
Mozzie: Oh, that’s the trick of it. I didn’t specify when I was going to ask.
(ああ、そこが仕掛けなのだ。いつ質問するかまでは決めていなかったからな。)White Collar Season6 Episode1 (Borrowed Time)
specify は「はっきり指定する」で、条件の抜け穴を突くときに便利な動詞です。the trick of it は「そこが仕掛けなのだ」という意味で、自分の仕掛けを明かすときの前置きとして働いています。賭けの段階で「いつ聞くか」を決めていなかったことが、ここで効いてくるわけです。
一方の bet は、賭け以外の場面でも使われます。捜索中の部屋で、直前までニールと将来の話をしていたと語るモジーに、ピーターはこう返していました。
Mozzie: I was with him minutes before. We were talking about… the future.
(ほんの数分前まで彼と一緒にいたのだ。話していたのは……将来のことだ。)
Peter: I bet you were.
(だろうな。)White Collar Season6 Episode1 (Borrowed Time)
I bet ~ は「きっと〜だ」と確信を示す言い方ですが、相手の言葉をそのまま受けて言うと「そうだろうとも」という皮肉になります。
まとめ|賭けの誘いと条件、そして皮肉の I bet
care to ~? で誘い、If I’m right と get to で条件と見返りを示し、specify で抜け穴を突く流れを見てきました。I bet の皮肉もあわせると、bet まわりの英語が場面ごとに整理できます。
『ホワイトカラー』を観ながら、言葉で仕掛ける駆け引きの英語も味わえる回です。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の英語を扱っています。


コメント