海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン5第6話の後半から、モジーがニールの声の調子に気づいて冷やかし、最後に釘を刺すまでのやり取りを取り上げます。本人が口にしない気持ちを、声や態度から言い当てたり、表に出すなと戒めたりする英語には、決まった言い回しがいくつかあります。
声に出る気持ち、顔に出る気持ち、意外な一面と、指摘のしかたを場面ごとに見ていきます。
「Do I detect a lilt in your voice?」で声の調子を言い当てる
ニールは、美術館で働いていたレベッカに、コーデックスの解読に協力してもらえないかと持ちかけ、返事を待っていました。モジーが、レベッカから連絡があったとニールに伝える場面です。
Mozzie: Rebecca just called on the burner phone.
(レベッカから、使い捨て携帯に電話があった。)
Neal: Really? What did she say?
(本当? 何だって?)
Mozzie: Do I detect a lilt in your voice? Agent Gruetzner sees all. You like her.
(声が弾んでいるように聞こえるが? グルーツナー捜査官はすべてお見通しなのだ。君は彼女が好きなんだな。)
Neal: What is this, sixth grade?
(何これ、小学生のノリ?)White Collar Season5 Episode6 (Ice Breaker)
モジーの最初の台詞にある burner phone は、身元をたどられないよう使い捨てにするプリペイド式の携帯電話を指す口語です。
lilt は、声や話し方の軽やかな抑揚、弾むような調子を指す名詞です。detect は「気づく、察知する」で、Do I detect ~? と疑問文にすると「〜が感じ取れるけど?」と、気づいたことを遠回しに突きつける冷やかしの定型になります。モジーは面会で演じた偽の捜査官の名前を持ち出し、続く You like her. で一気に言い切っています。
ニールの What is this, sixth grade? は「小学6年生じゃあるまいし」と、冷やかしを子どもっぽいものとして片づける返しです。sixth grade は日本の小学6年生前後に当たる学年で、学校によっては中学校側に含まれます。
このあとモジーが「個人的には魅力が分からない」と付け加えると、ニールは Just tell me what she said.(いいから、彼女が何て言ったか教えてくれ)と話を本題に戻します。Just を命令文の頭に置くと、「余計なことはいいから」というニュアンスが加わります。
「heart on one’s sleeve」と「softer side」で態度に出る気持ちを語る
モジーが伝えた用件は、レベッカが会う場所を指定してきたというものでした。会いに行くのはニールです。場面の最後に、モジーはこう声をかけます。
Mozzie: Leave your heart off your sleeve.
(気持ちを顔に出すなよ。)White Collar Season5 Episode6 (Ice Breaker)
もとになっているのは wear one’s heart on one’s sleeve(心を袖につけている)で、「感情を隠さず表に出す」という意味の定番表現です。由来には諸説あります。
人物を評して He wears his heart on his sleeve. と言えば、「彼は気持ちがすぐ顔に出るタイプだ」という意味になります。モジーはこれを leave ~ off(〜を外したままにする)に組み替え、「心は袖から外しておけ」と、気持ちを相手に見せないよう釘を刺しています。定番の言い回しの動詞と前置詞だけを入れ替えているため、元の表現を知っている相手にはすぐ意図が伝わる一言です。
気持ちが態度に出ることへの指摘は、本話の前半にも出てきます。ニールとピーターがスケートリンクに入ったとき、ピーターは、こういう氷を見るたびに10歳の頃に戻った気分になると口にしました。その後、スケートを眺めるピーターに、ニールがかけた一言です。
Neal: It’s nice to see your softer side.
(君の優しい一面が見られていいね。)White Collar Season5 Episode6 (Ice Breaker)
softer side は「ふだんは見えない優しい一面」です。声の調子を言い当てる lilt、顔に出すなと戒める heart on one’s sleeve と並べると、気持ちの出どころを声・態度・人柄と言い分けていることが分かります。
まとめ|声や態度に出る気持ちを言い表す
Do I detect a lilt in your voice? で声の弾みを言い当て、Leave your heart off your sleeve. で顔に出すなと戒め、softer side で意外な一面を指摘する。気持ちの表れ方を、英語は比喩で語り分けています。
これからも『ホワイトカラー』の会話を観ながら、言葉の選び方を味わっていきましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事からも、この回の英語をたどれます。


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