「This is not the best time.」に見る、昇進の打診にすぐ飛びつけない迷いの伝え方|『ホワイトカラー』S05E10で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「This is not the best time.」に見る、昇進の打診にすぐ飛びつけない迷いの伝え方|『ホワイトカラー』S05E10で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン5 第10話から、ワシントンD.C.の本部への異動を打診されたピーターが、すぐには返事をしきれない迷いを言葉にする場面を取り上げます。はっきり断るのでも受けるのでもない返事は、言いよどみや和らげの言葉で組み立てられています。

電話の相手、同僚、妻と、話す相手が変わるごとに迷いの伝え方がどう変わるのかを順番に見ていきます。

目次

「This is not the best time.」で、即答できない事情を和らげる

本話の本編は、ピーターにかかってきた一本の電話から始まります。走っている最中だったと話すピーターに、相手のブルースは、上層部を説得してピーターを推したと伝え、section chief の職を打診します。息を整える時間が要るかと聞かれたピーターの答えが、次の一続きの言葉です。

Peter: No, I… you know, I gotta be honest, it’s… This is not the best time. I have case files and pending case files.
(いや、俺は……その、正直に言うと……今はあまりいい時期じゃないんだ。抱えている事件も、保留中の事件もある。)

White Collar Season5 Episode10 (Live Feed)

I gotta be honest は I’ve got to be honest のくだけた形で、言いにくいことを切り出す前置きとして使われます。そのあとの it’s… は文を言いかけて止めた形で、言葉を探している様子がそのまま英語に残っています。

本題の This is not the best time. は、「最良の時期ではない」と best を否定する言い方です。This is a bad time. のように「悪い」と言い切らず、「一番いいとは言えない」に留めることで、断りの響きが和らぎます。

ブルースは、事件はいつでも残っているものだと返し、部下をきちんと育ててきたはずだと続けます。そこでピーターが尋ねたのが着任の時期でした。

Peter: When would I have to be in D.C.?
(D.C.にはいつ行かなきゃならないんだ?)
Bruce: Two weeks.
(2週間後だ。)
Peter: That’s awfully soon.
(ずいぶん急だな。)
Bruce: Peter, are you ready to leave White Collar or not?
(ピーター、ホワイトカラー課を離れる準備はできているのか、いないのか?)

White Collar Season5 Episode10 (Live Feed)

When would I have to ~? の would は、まだ決まっていない話を「仮に行くとしたら」と仮定して尋ねる働きをしています。awfully は「ひどく」から転じて very を強める副詞で、awfully soon は戸惑いのにじむ「ずいぶん急だ」になります。ブルースの or not は、問いに二択を突きつけて答えを迫る付け足しです。

「loose ends」と「doesn’t feel right」で、相手ごとに迷いを語る

別の場面では、ジョーンズがピーターに、この好機にはもう移っているべきだったと率直に告げます。ピーターの返事は、仕事の言葉でした。

Peter: I have a few loose ends here that need tying up.
(ここで片付けておくことがいくつか残ってるんだ。)
Jones: I’m all for tying up loose ends, as long as they aren’t Caffrey.
(やり残しを片付けるのは大賛成ですよ。それがキャフリーでなければね。)

White Collar Season5 Episode10 (Live Feed)

loose ends は「結ばれていないひもの端」で、そこから「やり残したこと」の意味で使われます。tie up loose ends で「やり残しを片付ける」です。ジョーンズは同じ言葉を受けて I’m all for ~(〜には大賛成)と応じ、as long as(〜である限り)で条件を足しています。賛成しながら本音の条件を添える、気心の知れた同僚らしい返しです。

一方、2週間後にワシントンで新しい職に就くと聞いたエリザベスが、家の売却や荷造りの段取りを並べ始めると、ピーターは仕事の言葉を使わずに打ち明けます。

Peter: It doesn’t feel right.
(しっくりこないんだ。)
Elizabeth: Honey, we… we’ve had this discussion.
(ハニー、その話はもうしたでしょう。)
Peter: I know, but you’re the only person I can talk to about this.
(分かってる。でも、こんな話ができるのは君だけなんだ。)

White Collar Season5 Episode10 (Live Feed)

It doesn’t feel right. は、理由をはっきり言えないまま「何かが引っかかる」と感覚で伝える言い方です。同僚には loose ends という具体的な言葉を使い、妻には feel right という肌合いの言葉を使う違いが見どころと言えます。

まとめ|迷いを和らげて伝える英語

not the best time、awfully soon、loose ends、It doesn’t feel right を見てきました。同じ迷いでも、相手との距離に応じて和らげ方や言葉の選び方が変わることが分かります。

次回も『ホワイトカラー』の会話から、気持ちの伝え方を見ていきましょう。

同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、ピーターの迷いがより立体的に見えてきます。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次