海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』のシーズン1、第12話では、ジェイが大切にしている犬の執事の置物バークリーをめぐって、グロリアとジェイが軽いやり取りを交わす場面が描かれています。今回は、そこで使われている、慌てる相手を落ち着かせる言い方と、うっかりバレた本音を指摘する言い方を取り上げます。
小さなアクシデントから始まったやり取りが、最後にはことわざを使った切り返しへとつながっていく流れを見ていきましょう。
“Don’t panic.” ― 慌てる相手を落ち着かせる声かけ
ジェイが飾っている犬の執事の置物バークリーの上着を直しているとき、グロリアの腕輪がその上着に少し引っかかってしまいます。
Gloria: My bracelet got caught a little bit here.
(腕輪がちょっとここに引っかかっちゃった。)
Jay: Well, don’t panic.
(まあ、パニックにならないで。)
Gloria: I’m not panicking.
(パニックになってないわよ。)
Jay: All right, try to relax.
(わかった、落ち着いて。)
Jay: We can fix him.
(直せるから大丈夫だ。)Modern Family Season1 Episode12 (Not in My House)
Don’t panic. は、慌てている相手や慌てそうな相手に対して「落ち着いて」と声をかける定番の言い方です。動詞 panic をそのまま命令形にしただけの短い形ですが、緊急性のある場面でよく使われます。
それに対してグロリアが返す I’m not panicking. は、進行形を使って「今まさにパニックになっている最中ではない」と打ち消す形です。panic という動詞を進行形にすることで、「その状態が今起きているかどうか」を焦点にした言い返しになっています。
続くジェイの try to relax も、don’t panic と同じ流れで相手を落ち着かせる声かけとして使われています。try to ~ は「〜しようとする」という意味の形ですが、命令文の中では「まあ、〜してみて」くらいの柔らかい呼びかけとしてよく使われる形です。
日常会話でも、ちょっとしたハプニングが起きたときに、この2つの声かけはセットで使いやすい形です。
A: I think I just spilled coffee on your desk.
(あなたの机にコーヒーをこぼしちゃったかも。)
B: Don’t panic. Just try to relax, we’ll clean it up together.
(慌てないで。落ち着いて、一緒に片付けよう。)
このように、don’t panic と try to relax を続けて使うと、相手を安心させながら次の行動へ促す言い方になります。ジェイが像を直しながら We can fix him. と付け加えているのも、慌てなくても大丈夫だという安心材料をすぐに提示する流れの一部です。
“Action speaks louder than words.” ― とぼけようとする相手への切り返し
グロリアは腕輪が引っかかったことについて「わざとじゃない」と謝りますが、ジェイはそれを聞きながら、グロリアが以前にもバークリーを客間に隠していたことを持ち出し、本当は気に入っていないのではと尋ねます。
Gloria: It’s ridiculous.
(馬鹿げてるわ。)
Gloria: I didn’t mean to hurt it.
(傷つけるつもりはなかったのよ。)
Jay: First of all, let’s cut the “it”s.
(まず、それ呼ばわりはやめよう。)
Jay: He is a he.
(こいつは彼なんだ。)
Jay: And you can pretend to be innocent all you want, but action speaks louder than words.
(無邪気なふりはいくらでもできるが、行動は言葉より雄弁だぞ。)
Gloria: Yeah.
(そうね。)
Gloria: They can be very revealing.
(行動って、色々な物を物語るから。)Modern Family Season1 Episode12 (Not in My House)
pretend to be innocent は「無邪気なふりをする」「とぼけたふりをする」という言い方です。pretend to ~ の形で「〜のふりをする」を表し、innocent は「潔白な」「無邪気な」という意味の形容詞です。
action speaks louder than words は、よく知られたことわざで、「言葉よりも行動のほうが本心を物語る」という意味で使われます。ジェイはこのことわざを使って、グロリアが以前バークリーを客間に隠したことと、今回腕輪を引っかけてしまったこと、この2つの行動そのものが本音を語っていると指摘しています。
グロリアの最後の一言 They can be very revealing. も見どころです。revealing は「明らかにする」「暴露する」という意味の形容詞で、ここでは主語の they(=行動、actions)が「色々な物を物語ってしまう」というニュアンスで使われています。ジェイが持ち出したことわざをそのまま受け止め、うっかりバレてしまった本音を軽く認める返しになっている点が、このやり取りの面白さです。
日常会話でも、口では否定していても行動が伴っていない相手に対して、このことわざはそのまま使える形です。
A: I told you I’m not mad at you.
(怒ってないって言ったでしょ。)
B: Well, you haven’t looked at me once. Action speaks louder than words.
(でも一度もこっちを見てないじゃない。行動は言葉より雄弁だよ。)
pretend to be innocent も、心当たりがあるはずなのにとぼけている相手に対して「とぼけてるでしょ」と指摘したいときに応用できる組み合わせです。言葉での言い訳と、実際の行動が食い違っている場面であれば、そのまま使えます。
まとめ|行動が本音を語ってしまうときの言い方
don’t panic や try to relax のような落ち着かせる声かけから、pretend to be innocent や action speaks louder than words のような、うっかりバレた本音を指摘する言い方までを見てきました。小さなアクシデントの会話にも、日常でそのまま使える表現が詰まっています。
次回も『モダンファミリー』と一緒に英語表現を見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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