「take three deep breaths and relax」に見る、パニック気味の相手を落ち着かせる言い方|『モダンファミリー』S01E16で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「take three deep breaths and relax」に見る、パニック気味の相手を落ち着かせる言い方|『モダンファミリー』S01E16で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』のシーズン1、第16話では、運転免許の実技試験を前に固まってしまった長女に、母親が具体的な手順を示して気持ちを落ち着かせようとする場面が描かれます。今回は、パニック気味の相手をなだめる言い方と、その同じ助言が別の場面で繰り返される様子を取り上げます。

緊張している相手にかける言葉の選び方を、会話の流れとともに見ていきましょう。

目次

「take three deep breaths and relax」― 緊張している相手を具体的な手順で落ち着かせる言い方

試験官を前に緊張した様子を見せる長女ヘイリーに対して、母親のクレアが割って入り、具体的な手順で気持ちを落ち着かせようとします。

Claire: Okay, no.
(ダメよ、待って。)

Claire: This is what you’re gonna do.
(これからこうするのよ。)

Claire: You’re gonna get in that car, put on your seat belt and take three deep breaths and relax.
(車に乗って、シートベルトを締めて、深呼吸を3回して、落ち着くの。)

Claire: This guy sees hundreds of kids every day.
(この試験官は毎日何百人もの子を見てるのよ。)

Claire: He probably doesn’t even remember you, all right?
(きっとあなたのことなんて覚えてないから、いい?)

Haley: Okay.
(うん。)

Driving Test Man: Yo.
(おい。)

Driving Test Man: Let’s move it, two strikes.
(行くぞ、お前はもう2回落ちてるんだからな。)

Modern Family Season1 Episode16 (Fears)

take three deep breaths and relax は、「深呼吸を3回して、落ち着いて」という言い回しです。ただ「落ち着いて」とだけ伝えるのではなく、深呼吸の回数という具体的な行動を数字で示しているところが特徴と言えます。

続けてクレアは、This guy sees hundreds of kids every day. He probably doesn’t even remember you, all right? と、ヘイリーが不安に思っている対象そのものを軽くする言い方を重ねています。相手の不安の理由に直接触れて、根拠とともにその不安を和らげる言い方は、緊張をほぐしたい場面で使いやすい言い回しです。

この直後の場面で、クレアは自分が出した助言を茶化す形で回収します。

Claire: That’s more than three breaths, honey.
(それ、3回よりずっと多いじゃない、ハニー。)

Modern Family Season1 Episode16 (Fears)

深呼吸を3回、と数字まで指定しておきながら、その数字を後からThat’s more than three breathsと茶化して回収するところに、クレアらしい切り返しが表れています。

take a deep breath(深呼吸をする)という言い方自体は日常会話でもよく使われますが、この場面のように回数を添えると、単なる気休めではなく「手順」として相手に示す言い方になります。緊張している相手に対して、抽象的に「落ち着いて」と伝えるよりも、具体的な行動を指示するほうが効果的な場面は少なくありません。

A: I’m so nervous about the interview tomorrow.
(明日の面接、すごく緊張するな。)

B: Take a few deep breaths before you go in. You’ll be fine.
(入る前に何回か深呼吸するといいよ。大丈夫だから。)

このように、take a few deep breaths(数回深呼吸する)という形で、相手を落ち着かせる場面全般に応用できる言い方です。

「the exact same thing I told your sister」― 家族の中で使い回される助言

場面が変わり、次女アレックスがダンスパーティーに行きたくない理由を渋る場面でも、クレアは同じ助言を持ち出します。

Claire: Honey, if they don’t, then you do the exact same thing I told your sister, okay? Take three deep breaths and relax.
(ねえ、もし誰も誘ってくれなかったら、お姉ちゃんに言ったのと全く同じことをすればいいの、いい? 深呼吸を3回して、落ち着くのよ。)

Alex: Even the advice I get is a hand-me-down.
(アドバイスまでお下がりなんだね。)

Modern Family Season1 Episode16 (Fears)

the exact same thing I told your sister(お姉ちゃんに言ったのと全く同じこと)という言い方は、以前別の相手にした助言を、そのまま別の相手にも繰り返すときに使える表現です。相手が変わっても中身は同じ、というところがこの場面の見どころです。

これに対してアレックスが返す hand-me-down は、本来は兄や姉から譲り受けたお下がりの服などを指す言葉です。それをアドバイスに当てはめて Even the advice I get is a hand-me-down. と返すところに、アレックスらしい皮肉が表れています。

同じ助言が家族の中で使い回されているという状況が、hand-me-down というたった一語からも伝わってきます。フレーズそのものは日常会話でも、兄弟姉妹間で繰り返されるお説教や忠告を指して使える言葉です。

hand-me-down は名詞としてだけでなく、hand-me-down clothes(お下がりの服)のように形容詞的にも使われます。物だけでなく、家族の中で受け継がれる習慣や考え方を指して比喩的に使われることもあり、アレックスの一言はその比喩的な使い方の一例と言えます。

A: This jacket used to be my brother’s.
(このジャケット、前は兄のだったんだ。)

B: Oh, so it’s a hand-me-down?
(ああ、それってお下がりってこと?)

このように、家族間で受け継がれる物や習慣を指すときに使える表現です。クレアの助言が姉から妹へと形を変えずに受け継がれていく様子は、この言い回しにぴったり重なります。

まとめ|同じ助言が、形を変えずに役に立つ

take three deep breaths and relax は、緊張している相手に具体的な手順を示して落ち着かせる言い方です。同じ助言が家族の中で形を変えずに使い回される様子や、hand-me-down という一語に込められた皮肉も、この場面ならではの面白さと言えます。

次回も『モダンファミリー』と一緒に英語表現を見ていきましょう。

同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。

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