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『モダンファミリー』のシーズン1、第17話では、継父が持ち込んだ格言入りのポスターに、息子が真っ向から反論する場面が描かれます。ポスターの言葉を毎日の習慣に落とし込もうとする父親側の言い方と、それに反論する子ども側の言い方、そして反論されてもなお、その反論自体を自分の主張の証明にすり替えて開き直る独特の切り返し方を、今回はあわせて取り上げます。
相手の反論を逆手に取る言い方を、会話の流れとともに見ていきましょう。
「start to internalize it」― 格言を毎朝目にして”内面化する”という言い方
ジェイは「What doesn’t kill us makes us stronger.(苦難は人を強くする)」という格言入りのポスターを持ち込み、マニーの部屋に飾ろうとします。
Jay: You can see it every morning, start to internalize it.
(毎朝これを見て、少しずつ染み込ませていくんだ。)Jay: Pretty soon nothing will keep you down.
(そのうち、お前をくじくものなんてなくなるさ。)Manny: But it’s not true.
(でも、それは真実ではありません。)Jay: What are you talking about?
(何の話だ?)Manny: Lots of stuff that doesn’t kill you makes you weaker.
(命に関わらないようなことでも、人を弱くするものはたくさんあります。)Modern Family Season1 Episode17 (Truth Be Told)
start to internalize it は、教訓やメッセージを繰り返し目にすることで「内面化する・染み込ませる」という言い方です。ジェイは、格言を貼るだけでなく毎朝目にする習慣そのものに意味を持たせようとしています。
続く Pretty soon nothing will keep you down. の keep ~ down は、「〜をくじく・打ちのめす」という句動詞です。格言が効けば、どんなことにもくじかれなくなる、という理屈がここに表れています。
これに対してマニーは But it’s not true. と正面から切り返します。子どもらしい単純な反発ではなく、格言の内容そのものに疑問を投げかける形になっているところが、このやり取りの特徴です。
ジェイの What are you talking about?(何の話だ?)は、相手の反論の意図をそのまま聞き返す定型句で、話が噛み合っていないことを短く表しています。格言を疑う余地などないと考えているジェイにとって、マニーの反論は想定外だったことが読み取れます。
A: I think this new rule is going to make things easier for everyone.
(この新しいルール、みんなにとって楽になると思うよ。)
B: Actually, I don’t think that’s true.
(実は、そうは思わないな。)
A: What are you talking about?
(どういうことだよ?)
このように、自分の考えに相手が反論してきたとき、意図が掴めずそのまま聞き返す言い回しです。聞き返された側は、続けて自分の考えの根拠を説明することになります。マニーもこのあと、格言が正しくないと考える理由を続けて挙げていきます。
「You’re only making me stronger.」― 反論そのものを主張の証明にすり替える開き直り方
マニーの反論はさらに続きますが、少し先に進むと、今度はグロリアからもこのポスターへの評価が加わります。
Jay: That’s right.
(ああ、そうだ。)Jay: Be negative.
(好きなだけネガティブに考えてろ。)Gloria: It’s just not a good poster, Jay.
(Jay、これは単純に良いポスターじゃないのよ。)Jay: You’re only making me stronger.
(お前らが反対すればするほど、俺はますます強くなるってわけだ。)Modern Family Season1 Episode17 (Truth Be Told)
マニーにもグロリアにも次々と否定されながら、ジェイは You’re only making me stronger.(お前らが反対すればするほど、俺は強くなる)と言い返します。「苦難は人を強くする」という格言そのものを、今まさに向けられている反論に当てはめてしまうことで、反論を格言の正しさの証明に変えてしまう切り返し方です。
普通なら分が悪くなるはずの場面で、相手の反対意見を逆手に取って自分の主張の追い風にしてしまうところが、この言い回しの面白さと言えます。マニーの反論、グロリアの評価と、二人がかりで否定されてもなお持論を曲げないジェイの姿勢が、この開き直りを一段と際立たせています。
only の使い方にも注目です。ここでの only は「〜しているだけ」という意味で、相手の反論は自分を弱らせるどころか、ただ強くしているだけだ、という言い方になっています。反論の効果を実質ゼロどころかプラスに切り捨ててしまうところに、開き直りの軽さが表れています。日常会話でも、批判や反対意見を受けたときに、深刻に受け止めず軽く開き直る言い方として応用できます。
A: This idea will never work.
(そのアイデアは絶対うまくいかないよ。)
B: Well, you’re only making me stronger.
(そう言われるほど、僕はますますやる気になるだけだよ。)
反論や批判をまともに受け止めるのではなく、それ自体を自分の追い風に変えてしまう、軽口のような開き直り方です。
まとめ|反論を追い風に変える切り返し方
start to internalize it は格言を日々の習慣に落とし込む言い方、keep ~ down は何があってもくじかれないという言い方でした。そして You’re only making me stronger. は、向けられた反論そのものを自分の主張の証明にすり替えてしまう、開き直りの切り返し方です。
次回も『モダンファミリー』と一緒に英語表現を見ていきましょう。
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