「Don’t bite my head off.」に見る、bite を使った言葉遊びと、きつい言い方をたしなめる英語表現|『モダンファミリー』S02E10で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Don't bite my head off.」に見る、bite を使った言葉遊びと、きつい言い方をたしなめる英語表現|『モダンファミリー』S02E10で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン2第10話では、リリーの噛みつきをめぐって、ミッチェルとキャメロンが言い合いになる場面が描かれます。2人の会話には「噛む」を意味する bite が何度も登場し、文字どおりの「噛む」と、きつい言い方を指す比喩の「かみつく」が入り混じり、同じ語がどこまで意味を広げられるかがよく分かる会話です。

今回はこのやり取りから、bite を軸にした言葉遊びと、相手のきつい言い方をたしなめる英語表現を見ていきます。

目次

噛む話から生まれる言葉遊び

リリーを責めた女性のことでキャメロンが憤ると、ミッチェルがなだめにかかります。その直後の場面です。

Mitchell: You know what? You can’t change people, Cam.
(いいかい、人は変えられないんだよ、キャム。)
Mitchell: I mean, we just have to rise above.
(つまり、僕たちは大人の対応をするしかないってこと。)
Cameron: Ow! Ohh!
(痛っ!うわっ!)
Mitchell: What happened?
(どうしたの?)
Cameron: She bit me.
(噛まれた。)
Mitchell: Are you serious?
(本当に?)
Cameron: Ohh! She did it again.
(うわっ!また噛まれた!)
Modern Family Season2 Episode10 (Dance Dance Revelation)

You can’t change people は「人を変えることはできない」という意味で、相手の態度に腹を立てても仕方がないと諭すときの決まり文句です。

続く rise above は「〜を超えて上に立つ」という字面から、相手の言動に取り合わず、大人の対応をするという意味で使われます。直後にキャメロンが噛まれて声を上げるため、落ち着こうと言った矢先に騒ぎが起きるという流れになっています。Are you serious? は「本当に?」と驚きを返す定番の一言で、ここでは思わぬ出来事に対する反応として使われています。

別の場面で、2人はこの件をあらためて話し合います。

Cameron: She’s not biting, she’s teething.
(噛んでるんじゃない、歯が生えかけてるんだよ。)
Mitchell: On people.
(人に向かってね。)
Mitchell: All right, she starts biting her playdates, she’s gonna be a pariah.
(いいかい、遊び相手を噛み始めたら、あの子はのけ者になっちゃうよ。)
Cameron: Try piranha.
(むしろピラニアだね。)
Mitchell: Really, Cam?
(本気で言ってる、キャム?)
Cameron: It was right there.
(目の前に転がってたんだもん。)
Modern Family Season2 Episode10 (Dance Dance Revelation)

teething は、赤ちゃんの歯が生え始める時期を指す語です。キャメロンは biting と teething を言い分けていますが、ミッチェルは On people. と短く付け足し、噛む相手が人だという点を返しています。

pariah は「仲間外れにされる人」、piranha は魚のピラニアです。キャメロンの Try piranha. は、発音の似た語を持ち出した冗談です。Try ~. は「〜のほうが合っているでしょ」と別の言葉を差し出すときの言い方として使われています。

ミッチェルに Really, Cam? とあきれられると、キャメロンは It was right there. と返します。字面は「すぐそこにあった」ですが、ここでは「言える冗談が目の前にあったから、つい言った」という言い訳です。日常会話でも、うっかりだじゃれを言ってしまった後の一言として使えます。

言葉がきついときの bite と sting

話は、どちらのせいなのかという方向へ進みます。

Cameron: Uh, okay, well, now I’m starting to feel the blame.
(えっと、なんだか責められてる気がしてきたんだけど。)
Mitchell: No.
(違う。)
Mitchell: No.
(違うよ。)
Mitchell: Don’t.
(そう思わないで。)
Mitchell: It’s It’s just that you’re with her all day.
(た、ただ、君は一日中あの子と一緒にいるから。)
Cameron: Oh, wow.
(うわあ。)
Cameron: I have a daughter who bites and a partner who stings.
(噛みつく娘に、チクッと刺すパートナーまでいるとはね。)
Modern Family Season2 Episode10 (Dance Dance Revelation)

feel the blame は「責められていると感じる」という言い方です。ミッチェルは否定しながらも It’s just that ~ と続けます。It’s just that ~ は「ただ〜というだけ」と前置きして、言いにくい本音を差し出すときの定番の形です。

キャメロンの返しは、bite と sting を並べた一文です。sting は虫などが刺すことを表し、転じて言葉が心にチクリと刺さることにも使われます。噛む娘と刺すパートナーを並べることで、ミッチェルの一言が痛かったことを冗談めかして伝えているのが面白いところです。直前の Oh, wow. も、感心ではなく「そう来たか」と受け止めるときの反応として働いており、言い方次第で意味が変わる一言だと分かります。

言い合いはさらに続き、ミッチェルが言いかけたところで、キャメロンが次のように返します。

Mitchell: I can’t believe you would equate that
(君がそれを同列に扱うなんて信じられ……)
Cameron: Don’t bite my head off.
(そんなにかみつかないでよ。)
Cameron: I’m not a pack of batteries.
(僕は電池のパックじゃないんだから。)
Modern Family Season2 Episode10 (Dance Dance Revelation)

bite someone’s head off は、相手の頭を噛みちぎるという大げさな字面から、ささいなことで相手にきつく当たる、食ってかかるという意味で使われる言い回しです。Don’t bite my head off. は「そんなにかみつかないで」と、相手の強い口調をたしなめる一言になります。質問しただけで強く言い返されたときなどに、角を立てすぎずに「落ち着いて」と伝える場面で使われます。

続く I’m not a pack of batteries. は、bite の字義どおりの意味に引き戻した冗談と読み取れます。比喩の bite と、歯で何かをかじる本来の bite を行き来させる点が、この会話の特徴です。

まとめ|bite が行き来する会話

rise above・teething・It was right there.・It’s just that ~、そして sting と bite someone’s head off を見てきました。噛む話が、言葉のきつさを表す比喩へ移っていく流れが見どころです。

次回も『モダンファミリー』の会話から、ひとつの語の広がりを追いかけていきましょう。

この回のコラムやフレーズ記事を読み比べると、同じ一日の出来事がそれぞれ違う英語で描かれているのが見えてきます。

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