海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2第8話では、マニーの誕生日の食事会に向かう前に、フィルとクレアが道順をめぐって言い合いになります。話はそのまま、フィルと娘たち、クレアとルークの2台の車に分かれて、どちらが先にレストランへ着くかを競う勝負へと進んでいきます。
今回はこの一件を通して、所要時間や道順で張り合うときの言い回しと、「どちらが正しいか」を right で語る英語表現を見ていきます。
所要時間と道順で張り合う言い方
出発前、家族をせかすクレアに、フィルが声をかけるところから言い合いが始まります。
Phil: Claire, relax.
(クレア、落ち着いて。)Phil: It takes 15 minutes to get there.
(向こうまで15分だよ。)Claire: It takes 20 minutes.
(20分よ。)Phil: If we take your route.
(君の道順で行けばね。)Claire: My way is the most direct.
(私の道が一番まっすぐなのよ。)Phil: Directly into traffic.
(まっすぐ渋滞にね。)Claire: Your way is directly into the suckiest way.
(あなたの道はまっすぐ最悪の道に入るじゃない。)Phil: You wanna make this interesting?
(だったら、面白くしてみない?)Modern Family Season2 Episode8 (Manny Get Your Gun)
It takes 15 minutes to get there. は、It takes + 時間 + to get there の形で「そこまで〜かかる」と所要時間を伝える基本の言い方です。クレアは同じ形のまま数字だけを変えて反論しています。
続く My way is the most direct. に対して、フィルは Directly into traffic. と返します。クレアの direct(まっすぐな、最短の)を副詞 directly にして拾い、「まっすぐ渋滞に突っ込む」という意味に変えて切り返しているのが面白いところです。クレアも同じ directly でやり返しています。
最後の You wanna make this interesting? は、口論や話題を「賭け」や「勝負」に持ち込もうとするときの決まり文句です。フィルはこのあと、2台の車に分かれてどちらが先に着くかを競おうと提案し、クレアもそれを受けます。
- A: The mall is closer if we take the highway.
(高速を使えばショッピングモールのほうが近いよ。) - B: You wanna make this interesting? Let’s see who gets there first.
(だったら勝負する? どっちが先に着くか見てみよう。)
「今回だけ正しければいい」という right の使い方
フィルの車にはヘイリーとアレックスが乗り、フィルは娘たちにこの勝負の意味を語ります。
Phil: I don’t think you two appreciate what’s at stake here.
(2人とも、ここで何がかかってるか分かってないみたいだね。)Haley: Our lives?
(私たちの命?)Modern Family Season2 Episode8 (Manny Get Your Gun)
フィルはそのまま、クレアのある表情を持ち出して話を続けます。
Phil: You know I love your mother, but I think you also know a certain look she gets that says “Just listen to me.
(ママのことは愛してるよ。でも2人も知ってるよね、ママがときどきする、あの顔。「いいから私の言うことを聞きなさい。)Phil: I’m always right.
(私はいつも正しいんだから」っていう顔。)Haley: You mean her face?
(それってママの顔のこと?)Phil: Now we’re getting this.
(そう、分かってきたね。)Phil: If we’re right this one time, then we never have to be right again.
(今回一度だけでも俺たちが正しければ、もう二度と正しくなくたっていいんだ。)Modern Family Season2 Episode8 (Manny Get Your Gun)
what’s at stake は「何がかかっているか」を表す表現で、at stake だけでも「危うくなっている、懸かっている」という意味になります。フィルが勝負の重みを語ったところへ、ヘイリーは Our lives?(私たちの命?)と返しています。
中心になるのは If we’re right this one time, then we never have to be right again. です。be right は「正しい」「言い分が合っている」という意味で、ここでは道順の言い合いで自分の側が合っていたと証明することを指しています。this one time(今回一度だけ)と never … again(二度と〜ない)を対にして、一度勝てばそれで十分だと言い切る組み立てです。
フィルがクレアの表情を Just listen to me. と I’m always right. という言葉に置き換えている点も、この台詞の前置きとして効いています。
子どもの目から見た「また正しい側」
フィルの車の中では、アレックスもこの勝負の行方を気にしています。
Alex: Great.
(最高ね。)Alex: Mom gets to be right again.
(またママが正しいってことになるわけ。)Phil: Hey, bad attitudes lose races.
(おいおい、ふてくされてたらレースに負けるぞ。)Modern Family Season2 Episode8 (Manny Get Your Gun)
get to + 動詞 は本来「〜できる、〜させてもらえる」という意味ですが、Mom gets to be right again. では「またママが正しい側に立つことになる」という皮肉まじりの響きになっています。直前の Great. も、言葉どおりの「最高」ではなく、望まない展開を受け流す一言と読み取れます。
これに対するフィルの bad attitudes lose races は、「態度が悪いとレースに負ける」という格言風の言い回しです。主語に bad attitudes を置き、動詞 lose を現在形で続けることで、いつでも当てはまる決まりごとのように聞こえる形になっています。attitude には「態度」のほかに、口語で「ふてくされた態度」という意味合いもあります。
- A: Great. He gets to be right again.
(最高。また彼が正しいってことになるのね。) - B: Come on, bad attitudes never help.
(ほら、ふてくされても何もいいことないよ。)
まとめ|right をめぐる張り合いの言葉
It takes + 時間 で所要時間を言い合い、direct を拾って切り返し、You wanna make this interesting? で勝負に持ち込む。さらに be right を勝ち負けのように語る言い方から、身近な言い合いの英語が見えてきます。
次回も『モダンファミリー』の家族のやり取りと一緒に、英語を楽しんでいきましょう。
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