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『モダンファミリー』シーズン2第24話では、クレアとミッチェルが二人で昔住んでいた家を訪ね、その裏庭で身動きが取れなくなります。裏庭に入ろうとする姉と止めようとする弟のやり取りは、短い言葉の応酬が続くのが特徴です。
今回は、相手の理屈が通らないことを冷静に指摘する言い方と、質問に質問で返す切り返し、そしてそれを認めて引き下がる一言を見ていきます。
「I don’t think that does what you think it does.」で理屈にツッコむ
昔の家へ向かう車の中での出来事について、ミッチェルとクレアはこう言い合います。
Mitchell: I still can’t believe all the looks we got driving over here.
(ここまで車で来る間、ずっとじろじろ見られてたなんて、まだ信じられないよ。)Claire: And yet you wore the hat the whole time.
(そのくせ、帽子はずっとかぶってたじゃない。)Modern Family Season2 Episode24 (The One That Got Away)
all the looks we got の looks は複数形で「人の視線」を指し、get looks で「じろじろ見られる」という意味になります。クレアの And yet は「それなのに」と、相手の不満と実際の行動の食い違いを突く切り出し方です。the whole time を添えて「ずっと」と念を押すことで、からかいの一言としての響きが強まっています。
家に着くと、二人は裏庭に入るかどうかで言い合いになります。
Mitchell: Okay, that-that’s trespassing.
(ちょっと、そ、それって不法侵入だよ。)Claire: No, it’s not.
(違うわよ。)Claire: We used to live here.
(私たち、ここに住んでたんだから。)Mitchell: I don’t think that does what you think it does.
(それ、姉さんが思ってるような効き目はないと思うけど。)Modern Family Season2 Episode24 (The One That Got Away)
trespassing は「他人の土地への無断立ち入り」を指す語です。クレアは We used to live here. と、昔住んでいたことを理由に反論します。
これに対するミッチェルの I don’t think that does what you think it does. は、この場面の中心になる言い方です。ここでの do は「効果がある、役に立つ」という意味で、that はクレアが挙げた理由を指しています。直訳すると「それは、あなたが思っているような働きをしないと思う」となり、相手の理屈が期待どおりには通らないことを遠回しに伝えています。
I don’t think で始めることで断定を避けつつ、相手の言葉の効き目そのものを否定しているのがこの文の面白いところです。「それは違う」と正面から言い返すより、相手の思い込みに気づかせる言い方と言えます。
- A: It’s fine. I asked nicely.
(大丈夫。丁寧に頼んだから。) - B: I don’t think that does what you think it does.
(それで何とかなると思ってるなら、たぶん違うよ。)
質問に質問で返す切り返しと「Fair enough.」
二人は結局、下にいる犬のせいで木の上から降りられなくなります。電話で助けを呼ぼうとしたところで、次のやり取りになります。
Claire: Use your phone.
(あんたの電話を使って。)Claire: Mine’s down there getting rabies on it.
(私のは下で狂犬病をうつされてるところよ。)Mitchell: No, I left mine in your car.
(いや、僕のは姉さんの車に置いてきた。)Claire: What?
(はあ?)Mitchell: Well, I didn’t wanna ruin the line in my pants.
(だって、ズボンのラインを崩したくなかったんだよ。)Modern Family Season2 Episode24 (The One That Got Away)
Mine’s と mine はどちらも「自分の電話」を指し、同じ名詞を繰り返さずに済ませる言い方です。クレアの getting rabies on it は、電話が犬のそばにある状況を大げさに言った冗談と読み取れます。ミッチェルの Well, I didn’t wanna ~ は、文頭の Well で一呼吸置いてから理由を述べる、言い訳らしい響きの答え方です。
クレアの Use your phone. は please を付けない短い命令形で、身内どうしの切迫した場面らしい響きです。ミッチェルの答えに返す What? も、聞き返しというより「信じられない」という反応として働いています。
ミッチェルが父のワインで何をしているのかと尋ねると、クレアの答えから次の応酬が続きます。
Claire: Getting comfortable.
(くつろいでるのよ。)Mitchell: Eesh.
(うわ。)Claire: We could be up here for a really long time.
(ここに相当長くいることになるかもしれないんだから。)Mitchell: Whoa.
(おっと。)Mitchell: Where did you learn how to do that?
(どこでそんなこと覚えたの?)Claire: Where did you get a sailor’s suit on short notice?
(あんたこそ、どこでセーラー服なんて急に用意したのよ?)Mitchell: Fair enough.
(ごもっとも。)Modern Family Season2 Episode24 (The One That Got Away)
クレアは Where did you learn how to do that? に答えず、同じ Where did you で始まる問いを返しています。on short notice は「急な知らせで、急に」という意味で、ミッチェルがセーラー服を着ていることを持ち出して、お互いさまだと言わんばかりの切り返しになっています。
ミッチェルの Fair enough. は「もっともだ」「それなら仕方ない」と、相手の言い分を認めて話を終わらせる一言です。反論をやめて引き下がるときに使え、言い合いを穏やかに締める働きがあります。
この応酬の前にあるクレアの Getting comfortable. は、I’m を省いた形で「くつろいでいるところ」と答えています。尋ねられたことを正面から説明せず、短く言い切って流す返し方になっています。
- A: You said the same thing last week.
(先週も同じこと言ってたよね。) - B: Fair enough.
(それはそうだね。)
まとめ|ツッコみ、切り返し、引き下がる
I don’t think that does what you think it does. で理屈の効き目を疑い、And yet や質問返しで切り返し、Fair enough. で引き下がる。クレアとミッチェルの応酬から、角を立てすぎずに言い合う英語のリズムが伝わってきます。
昔の家をめぐる姉弟の言い合いを思い浮かべながら、『モダンファミリー』のテンポのよい英語に耳を傾けてみましょう。
同じ回を扱ったほかのコラムやフレーズ記事と読み比べると、この日の出来事が別の角度から見えてきます。


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