「I wish I was kidding.」に見る、冗談と本音の境目を示す英語表現|『モダンファミリー』S03E06で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「I wish I was kidding.」に見る、冗談と本音の境目を示す英語表現|『モダンファミリー』S03E06で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン3第6話では、フィルがヘイリーを自分の母校の見学に連れて行きます。大学時代を懐かしむ父親の言葉には、冗談とも本音ともつかない一言がいくつも混じり、娘を送り出す場面にもそれが表れます。

今回は、言ったことをすぐに打ち消す表現、冗談だと言いながら本当だと認める一言、相手の言葉を冗談だと取りなす返しを、場面の順に見ていきます。

目次

「Not that ~」で本音をすぐに打ち消す

見学中のある場面で、フィルとヘイリーは手羽先を囲んでいます。見学ツアーで一緒だった女の子が学生の集まりに誘いますが、ヘイリーは父親の計画があるからと断ります。2人きりになると、フィルはこの場所の良さを娘が分かってくれないのではと少し不安だったと打ち明け、こう続けます。

Phil: Not that I’m pushing you to come here.
(別に、ここに来いって押しつけてるわけじゃないぞ。)

Phil: You know, you’re you’re gonna make your own decisions.
(ほら、お前はお前で自分で決めるんだから。)

Phil: You wanna go with them, don’t you?
(あの子たちと行きたいんだろ?)

Haley: No, we’re doing our thing.
(ううん、あたしたちはあたしたちで楽しむの。)

Phil: Yeah, quick.
(ほら、急げ。)

Phil: Before they leave.
(行っちゃう前に。)

Haley: Are you sure?
(ほんとにいいの?)

Phil: Go.
(行ってこい。)

Modern Family Season3 Episode6 (Go Bullfrogs!)

Not that ~. は、直前に言ったことが誤解されないよう「~というわけではないけど」と後から打ち消す形です。文の頭に Not that を置くだけで作れ、そのあとに主語と動詞を置けば完成です。フィルは母校の良さを分かってほしいと言った直後にこの一文を足し、you’re gonna make your own decisions で「決めるのはお前だ」と念を押します。

このやり取りでは、フィルが「行きたいんだろ」と先回りし、ヘイリーの No, we’re doing our thing. にも「急げ」と重ねて送り出します。押しつけないと言った言葉を、自分の行動で示す流れと読み取れます。

Not that ~ は日常会話でも使いやすい形です。たとえば I think you should call her. Not that it’s any of my business. と言えば、「電話したほうがいいと思う。別に口を出すつもりはないけど」という意味です。意見を言ったあとに一歩引いて、相手に判断を委ねる響きが生まれます。

「I’m kidding! I wish I was kidding.」の二段構え

ヘイリーを送り出すとき、フィルは I can handle it.(俺なら平気だ)と前置きしてから、冗談を一つ言います。handle は「うまく対処する」という意味で、一人で残される自分を心配しなくていいと伝える一言です。

Phil: I can handle it.
(俺なら平気だ。)

Phil: You’re not the first girl to leave me at this table with a plateful of chicken wings.
(手羽先の皿と一緒にこのテーブルに置いていかれるのは、お前が初めてじゃないからな。)

Phil: I’m kidding! I wish I was kidding.
(冗談だよ! 冗談だったらよかったんだけどな。)

Phil: You weren’t supposed to hear that.
(今のは聞かなかったことにしてくれ。)

Phil: Have fun.
(楽しんでこい。)

Modern Family Season3 Episode6 (Go Bullfrogs!)

I’m kidding! は「冗談だよ」と自分の言葉を打ち消す一言で、just kidding の形でもよく耳にします。ところがフィルはすぐに I wish I was kidding. と続けます。I wish I was ~ は「~だったらいいのに」と現実とは違うことを願う形なので、「冗談だったらよかった」、つまり今の話は本当だと認める意味になります。was の代わりに were を使って I wish I were kidding. とする形もあり、会話では was もよく使われます。

続く You weren’t supposed to hear that. は「それは聞かせるつもりじゃなかった」という一文です。本音がうっかり漏れたことを、冗談めかして取り繕う一言と言えます。be supposed to ~ の過去形を否定にすると、「本来そうなるはずではなかった」という意味を表します。

「She’s joking.」と「a little」の言い返し

後の場面で、フィルは「ちょっとだけ話を聞いてくれ」とヘイリーを追いかけています。ヘイリーが「ついてこないで」と拒むと、そこへ警官が声をかけます。

Haley: Go away! Stop following me!
(あっち行って! ついてこないでよ!)

Officer: Hey, you wanna tell me why you’re bothering this young lady?
(おい、どうしてこのお嬢さんにつきまとってるのか説明してもらおうか。)

Phil: Oh, no, no, no, no.
(いやいや、違うんです。)

Phil: Officer, this is my daughter.
(お巡りさん、この子は俺の娘なんです。)

Phil: Tell him.
(言ってやってくれ。)

Haley: Tonight, I don’t know who you are.
(今夜だけは、あなたが誰だか知らない。)

Phil: She’s she’s joking.
(じょ、冗談ですよ。)

Modern Family Season3 Episode6 (Go Bullfrogs!)

She’s joking. は、相手の言葉を「本気じゃない」と第三者に取りなす返しです。自分の発言なら I’m joking.、相手に向けて確かめるなら You’re joking, right? と、主語を変えるだけで使い分けられます。ヘイリーの言葉が本気かどうかは台詞からは分かりませんが、フィルは冗談だと取りなして場を収めようとします。

Phil: So I-I think I just I embarrassed her a little.
(たぶん、俺がちょっと恥をかかせちゃったんです。)

Haley: “A little”? That sweatshirt embarrasses me “a little.”
(「ちょっと」? そのスウェットがもう「ちょっと」恥ずかしいんだけど。)

Officer: Yep, that’s a daughter.
(ああ、確かに娘さんだな。)

Modern Family Season3 Episode6 (Go Bullfrogs!)

ヘイリーは父親の a little をそのまま繰り返し、「ちょっとどころではない」と言い返しています。相手の言葉を引用符で囲むように繰り返し、皮肉にする返し方です。英語では、相手が控えめに言った語をそのまま問い返すと「その言い方は控えめすぎる」という反論になります。警官の Yep, that’s a daughter. は、「確かに娘さんだ」と2人のやり取りを受け止める軽い一言と読み取れます。

まとめ|冗談と本音を行き来する言い方

Not that ~ で本音を打ち消し、I’m kidding! I wish I was kidding. で冗談を本当だと認め、You weren’t supposed to hear that. で取り繕う。どれも短い一文で、冗談と本音の境目を相手に伝える働きがあります。

娘を送り出す父親の言葉を追いながら、次回も『モダンファミリー』の英語を一緒に味わっていきましょう。

同じ回のコラムやフレーズ記事では、別の家族の場面から英語を拾いました。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次