「wipe the smile off someone’s face」の意味と使い方|『モダンファミリー』S03E05で学ぶ英会話

「wipe the smile off someone's face」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

議論や対決で相手にやり込められたあと、あの得意げな表情をどうにかして崩してやりたいと感じる瞬間が、誰にでもあるはずです。

そんな気持ちにぴったりの「wipe the smile off someone’s face」を、『モダンファミリー』シーズン3第5話の前半、市議会議員へのいら立ちを夫フィルに打ち明けるクレアの一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「wipe the smile off someone’s face」の意味とニュアンス

wipe the smile off someone’s face
意味:人の得意げな表情を消し去る、思い知らせる

wipe the smile off someone’s faceは、直訳すると「誰かの顔から笑みを拭い取る」となる口語表現です。実際に顔を拭く動作を表しているわけではなく、相手の自信や優越感をくじいてやりたいという強い気持ちを、表情の変化にたとえて表す比喩表現です。

ここでのsmileは、単なる笑顔ではなく、満足げで得意げな表情を指しています。誰かが生意気な態度を取っていたり、勝ち誇った様子を見せていたりするときに、その表情をひっくり返してやりたいという対抗心を込めて使われます。実際に相手を打ち負かした場面でも、まだそうなっていない段階で「そうしてやりたい」という願望を語る場面でも使える、幅の広い表現です。怒りや悔しさをそのままぶつけるのではなく、相手の表情の変化という具体的なイメージに置き換えて語る点が、この表現ならではの面白さです。

【ここがポイント!】

  • 「wipe the smile off someone’s face」の核は、相手の得意げな表情を崩したいという対抗心
  • 実際に打ち負かした場面にも、これから打ち負かしたいという願望にも使える表現
  • smileの前に付く形容詞(smugなど)次第で、皮肉の強さが変わる点に注意

『モダンファミリー』S03E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

市議会議員のデュアン・ベイリーとのやり取りにまだ怒りが収まらないクレアが、夫のフィルに不満を漏らします。

Claire: Wipe that smug smile off his stupid face.
(あいつのバカ面に浮かんだ、あの得意げな笑みを消してやりたいわ。)

Phil: His face is stupid.
(たしかに、あいつの顔はバカっぽいよな。)

Claire: Oh! I can’t believe ridiculous people like him end up in office.
(もう!あんなバカげた人間が議員になれるなんて信じられない。)

Phil: Well, why don’t you run? You’re smart, you care about the community, and you’re easy on the eyes when you put a little effort into it.
(じゃあ、君が出馬すればいいじゃないか。頭もいいし、地域のことも真剣に考えてる。それに、ちょっと手をかければ見た目だって悪くないしね。)

Modern Family Season3 Episode5 (Hit and Run)

シーン解説と心理考察

議員への怒りをストレートにぶつけるクレアに、フィルは「たしかに顔がバカっぽい」と軽く同調します。深刻に取り合うのではなく、まず相手の気持ちに寄り添う姿勢が見えます。

クレアが「あんな人間が議員になれるなんて」と続けると、フィルは「じゃあ君が出馬すればいい」と提案に転じます。不満をただ聞き流すのではなく、その勢いをそのまま行動へのきっかけに変えようとするフィルの発想が、この後のクレアの市議会選挙への挑戦につながっていきます。夫婦のやり取りの中に、怒りを次の一歩に変えていく空気が漂う場面です。フィルの発言には、クレアの怒りを鎮めようとするだけでなく、その能力を本気で評価している様子もうかがえ、軽口の中に夫としての本音がのぞく場面にもなっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

得意げに笑う相手の顔を、布でさっと拭き取ってしまうイメージを思い浮かべてみましょう。表情そのものを物理的に消し去ってしまう動作が、この表現の芯にあります。

クレアが議員に向けた「あの得意げな笑みを消してやりたい」という一言も、まさにこの拭い取るイメージそのものでした。相手の勝ち誇った表情を思い浮かべながら、それをきれいに拭き取る動作と結びつけておくと、似た対抗心を語りたい場面で自然に言葉が出てくるようになります。表情という目に見える部分に的を絞ったイメージなので、怒りや悔しさといった感情そのものよりも、具体的な光景として記憶に残りやすい点も覚えやすさにつながります。

例文で覚える「wipe the smile off someone’s face」

対抗心や見返してやりたい気持ちを表すこの表現を、3つの例文で確認していきましょう。

I can’t wait to wipe that smile off his face when we win the game.
(試合に勝ったら、あいつのあの笑みを消してやるのが楽しみだ)
ライバルとの対戦を控えた場面です。勝利によって相手の得意げな表情を崩してやりたいという対抗心がよく表れています。

The bad news wiped the smile off her face immediately.
(その悪い知らせで、彼女の笑顔はすぐに消えた)
予期せぬ知らせを受けた場面を描写する言い方です。誰かに対する対抗心ではなく、出来事そのものが表情を変えてしまう使い方もできます。

A: He’s so smug about winning. B: Let’s wipe that smile off his face next time.
(A:あいつ、勝ったことですごく得意げだね。 B:次は、あの笑みを消してやろう。)
友人同士の張り合いの場面です。次の機会に見返してやろうという前向きな対抗心が伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

knock someone down a peg
(人の鼻をへし折る、思い上がりを正す)
wipe the smile off someone’s faceが表情の変化に焦点を当てるのに対し、knock someone down a pegは相手の自信や評価そのものを下げる行為に重点を置いた表現です。

take the wind out of someone’s sails
(人の勢い・自信をくじく)
take the wind out of someone’s sailsは相手の勢いを削ぐという行為全般を指す表現です。wipe the smile off someone’s faceのように「得意げな表情」という一点に絞った表現ではありません。

bring someone down to earth
(人を現実に引き戻す)
bring someone down to earthは浮かれた気持ちを現実的にさせるという穏やかなニュアンスを持つ表現です。wipe the smile off someone’s faceに比べると、対抗的な響きはかなり控えめです。

Note|競争や選挙戦で多用される「見返してやりたい」系表現

英語の日常会話には、スポーツの対戦や選挙戦のような競争の場面で、相手を見返してやりたいという気持ちを表す口語表現が数多くあります。

wipe the smile off someone’s faceもその一つで、相手が優勢に見える場面で、この状況をひっくり返してやりたいという対抗心を語るときに使われます。似たような場面で使われる表現には、相手の自信をくじく意味のknock someone down a pegや、相手の勢いを削ぐtake the wind out of someone’s sailsなどがあり、いずれも競争の場面で相手の勢いや自信をくじく気持ちを表す言い回しです。勝敗そのものではなく、相手の表情や態度の変化に焦点を当てる点が、これらの表現に共通する特徴です。

クレアが議員に向けた「あの得意げな笑みを消してやりたい」という一言も、まさにこの対抗心を体現したものでした。選挙という競争の場に足を踏み入れる直前の感情を、この一言がよく表しています。

対戦相手や競争相手を思い浮かべる場面に出会ったら、このような表情の変化にフォーカスした表現を思い出してみると、感情の伝え方に幅が生まれます。悔しさをただ抱え込むのではなく、相手の表情を変えてやるという具体的な目標に置き換えることで、次の行動への意欲にもつながっていきます。

まとめ|怒りを次の一歩に変えた、クレアとフィルのやり取り

wipe the smile off someone’s faceは、相手の得意げな表情をくじいてやりたいという対抗心を、比喩的に表す口語表現です。

実際に打ち負かした場面でも、これから見返してやりたいという願望を語る場面でも使える、対抗心を表す幅広い言い回しとして会話になじみます。

市議会議員への怒りをフィルに打ち明けたクレアの一言は、フィルの「じゃあ君が出馬すればいい」という一言によって、次の挑戦への一歩に変わっていきました。怒りをただ吐き出して終わるのではなく、それを次の行動のきっかけに変えていくこの夫婦のやり取りには、対抗心を前向きなエネルギーに転じていく空気が感じられます。悔しさや対抗心を言葉にしたいときの表現として、会話のレパートリーに加えてみてください。

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