海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン3第5話では、議員のデュアンに腹を立てたクレアが、自分も地元の議会選挙に出ようと考え始めます。一度は心を決めたものの、家の騒ぎをきっかけに迷い、グロリアの前で本音を打ち明けることになります。
今回は、秘めていた気持ちを認める前置き、相手との差を感じたときの out of my league、そして迷っている人を励ます言葉を、会話の流れに沿って順に見ていきます。
「I’d be lying if I said」で秘めた気持ちを認める
クレアはデュアンについて「I can’t believe ridiculous people like him end up in office.」とこぼし、フィルは「Well, why don’t you run?」と立候補を勧めます。フィルの冗談をはさんで、クレアは立候補の話だったと確かめ、少しずつ本音を話し始めます。
Claire: I thought you were talking about running for office.
(立候補の話をしてるんだと思ったのに。)Phil: Go on.
(続けて。)Claire: I’d be lying if I said I’d never thought about it.
(一度も考えたことがないって言ったら、嘘になる。)Claire: I mean, I know it’s a ridiculous little local thing, but it might be fun to get out there and contribute.
(つまり、ちっぽけな地元の話なのは分かってるけど、外に出て役に立つのも楽しいかもしれないでしょ。)Claire: Plus I think I’d be good at it.
(それに、私、向いてると思うのよ。)Phil: You’d be great.
(君ならすごくうまくやれるよ。)Modern Family Season3 Episode5 (Hit and Run)
I’d be lying if I said ~ は「〜と言ったら嘘になる」という仮定の形です。never thought about it と否定を組み合わせることで、「実は考えたことがある」を遠回しに認める言い方になります。Plus I think I’d be good at it. の I’d も「もしやったら」を含むので、自分の力を控えめに口にする響きがあります。
- A: Do you want the job?
(その仕事、やりたいの?) - B: I’d be lying if I said I wasn’t interested.
(興味がないって言ったら嘘になるね。)
フィルの励ましを受けて、クレアは決意を言葉にします。
Claire: Hmm.
(うーん。)Phil: I wanna be the one to push you off the cliff.
(君を崖から突き落とす役は、俺がやりたいんだ。)Claire: I think I’m gonna do it.
(私、やってみようと思う。)Phil: Great.
(よし。)Phil: Go fly.
(飛んでこい。)Modern Family Season3 Episode5 (Hit and Run)
崖から突き落とす役と Go fly. は、踏み出すきっかけを作ると伝えるフィルの比喩です。I think I’m gonna do it. は gonna(going to)で決意を示しつつ、I think で少しだけ柔らげた言い方と言えます。
「I don’t want to lose」と「way out of my league」
ところが子どもたちをめぐる騒ぎが重なり、クレアは立候補を見送るような口ぶりになります。ジェイたちが出かけたあと、グロリアがその理由を何度も尋ねます。
Gloria: So why are you not running for office?
(それで、どうして立候補しないの?)Claire: Because my family needs me too much.
(家族が私を必要としすぎてるからよ。)Claire: You saw what just happened.
(さっきの見たでしょ。)Gloria: Why are you not running for office?
(どうして立候補しないの?)Claire: That doesn’t work on me.
(その手は私には効かないわよ。)Gloria: Why are you not running for office?!
(どうして立候補しないのよ!?)Claire: Because I don’t want to lose! I– pfft! I haven’t done anything outside of my house in 18 years.
(負けたくないからよ! 私……もう! 18年間、家の外で何もしてこなかったの。)Claire: I don’t want the first thing I do to be a complete failure.
(最初にやることが大失敗なんて嫌なのよ。)Modern Family Season3 Episode5 (Hit and Run)
That doesn’t work on me. は「その手は私には通用しない」と、相手のやり方をはねつける言い方です。それでも同じ質問が3回目になったところで、クレアは家族という理由の奥にあった I don’t want to lose! を口にします。a complete failure は「完全な失敗」で、I don’t want the first thing I do to be ~ と、不安の中身を具体的に言い足しています。グロリアの話をはさんで、クレアはデュアンとの差をこう言い表します。
Claire: This guy has won six elections.
(この人、選挙で6回も勝ってるのよ。)Claire: I am way out of my league.
(私じゃ全然かなわない。)Modern Family Season3 Episode5 (Hit and Run)
out of one’s league は、スポーツのリーグ(league)の違いにたとえて「自分とは格が違う、手が届かない」と表す言い方です。way は「はるかに」と差の大きさを強めています。This guy has won six elections. と相手の実績を先に挙げているので、何と比べて格が違うのかが聞き手に伝わる組み立てです。
- A: You should enter the contest.
(コンテストに出てみたら?) - B: No way. They’re all pros. I’m way out of my league.
(無理だよ。みんなプロなんだ。全然かなわない。)
「strong enough to be okay if you lose」で支える
クレアの不安に対して、グロリアは結果の両方に触れる言葉を返します。
Gloria: And I know that you’re strong enough to win and definitely strong enough to be okay if you lose.
(それに、あなたは勝てるくらい強いし、負けても平気でいられるくらい絶対に強いって分かってるの。)Modern Family Season3 Episode5 (Hit and Run)
strong enough to ~ を2回重ね、「勝つ力」と「負けても大丈夫でいられる力」を並べているのが見どころです。be okay は「平気でいる、立ち直れる」という意味で、クレアの I don’t want to lose にそのまま応える形になっています。
クレアが「負けたくない」と打ち明けたのに対し、グロリアは「勝てる」とだけ言うのではなく、負けた場合にも触れています。if you lose を避けずに口にすることで、結果がどちらでも大丈夫だと伝える励ましになっている点が印象的です。
- A: What if I fail the exam?
(試験に落ちたらどうしよう。) - B: You’re strong enough to be okay even if you fail.
(落ちたって大丈夫なくらい、君は強いよ。)
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| I’d be lying if I said ~ | 秘めていた気持ちを認める |
| I think I’m gonna do it. | 決意を口にする |
| I don’t want to lose. | 不安の本音を打ち明ける |
| I am way out of my league. | 相手との差を言い表す |
| strong enough to be okay if you lose | 結果にかかわらず支える |
その後、家族がそろった場でグロリアが、クレアが結局立候補することにしたと家族に伝えます。ためらいを口にした場面を経て、決意が改めて家族に共有される流れです。
まとめ|ためらいの本音と励ましの言葉
I’d be lying if I said ~ で気持ちを認め、I don’t want to lose! や way out of my league で不安を言葉にする。一方の Go fly. や strong enough to be okay if you lose は、迷う人の背中を押す言葉です。挑戦をめぐる本音と励ましが一つの話にそろっています。
次回も『モダンファミリー』の会話を観ながら、英語表現を一緒に拾っていきましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、デュアンとのやり取りなど別の場面の英語を取り上げています。


コメント