「Let me up the ante.」に見る、断られてもめげずに条件を積み増す頼み方|『ビッグバン★セオリー』S05E19で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「Let me up the ante.」に見る、断られてもめげずに条件を積み増す頼み方|『ビッグバン★セオリー』S05E19で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン5 第19話に登場する、シェルドンがペニーに頼み事を重ねていく場面です。エイミーの伯母の誕生日パーティーへの出席を免除してもらおうと、ペニーに口利きを頼み込み、一度断られてもすぐには引き下がらずに条件を積み増していく様子が描かれています。

断られた後も次の一手を繰り出す、頼み方の粘り腰を見ていきます。

目次

貸しを持ち出し、断られても引き下がらない切り出し方

ペニーの部屋を訪ねたシェルドンは、グミベアの袋を手渡すと、その場でさっそく本題を切り出します。

Sheldon: Now that you’re in my debt, please manipulate Amy into releasing me from my commitment to attend her aunt’s tedious birthday party.
(君はもう僕に借りがあるんだから、エイミーをうまく丸め込んで、彼女の伯母の退屈な誕生日パーティーへの出席義務から僕を解放してくれないか。)

Penny: Not a chance.
(絶対に無理。)

TBBT Season5 Episode19 (The Weekend Vortex)

Now that you’re in my debt は、ちょっとした贈り物ひとつを”借り”に仕立て、それを根拠に頼み事を切り出す言い方です。ペニーの Not a chance. はためらいのない即答の断りですが、シェルドンはこれで終わりにしません。

Sheldon: All right. I thought the candy might not be enough so let me up the ante. These are Cooper Coupons. These are for various things I can do for you. Um, oh, this one is for one free grammar check. Uh, you could use it for emails, letters, tattoos, what have you. Um, oh, this is fun one. This is an afternoon with me at the California Science Center, where I point out their mistakes.
(よし。キャンディだけじゃ足りないかもしれないと思ったから、賭け金を吊り上げさせてくれ。これはクーパー・クーポンだ。君のためにいろいろなことをしてあげられる券でね。ああ、これは無料の文法チェック券だ。メールでも手紙でも、タトゥーでも何にでも使えるぞ。ああ、これは楽しいやつだ。カリフォルニア科学センターで、僕が展示の間違いを指摘しながら一緒に回る午後の券だ。)

TBBT Season5 Episode19 (The Weekend Vortex)

let me up the ante はポーカー用語「賭け金を吊り上げる」に由来する言い回しで、日常会話では交渉の条件をさらに上乗せするときに使われます。断られた直後に間髪入れず独自通貨「Cooper Coupons」を取り出すところに、この言い回しの実行力が表れています。

「簡単な頼みごと」から、断られた末の”プランB”宣言まで

ペニーが関わりを避けようとすると、シェルドンは今度は恩の貸し借りを持ち出して食い下がります。

Penny: All right, sweetie, I’m not going to get involved in your relationship.
(ねえ、悪いけど、あなたたちの関係には首を突っ込まないわよ。)

Sheldon: Oh, come on. It’s just a simple favor. Now, when’s the last time I asked you to do something for me?
(ちょっと待ってくれ。ただの簡単な頼みごとじゃないか。それに、僕が君に何か頼んだのは、いつが最後だった?)

Penny: Yesterday. You made me look in your ear to see if there was a ladybug in it.
(昨日よ。あなたの耳にてんとう虫が入ってないか確認させられたじゃない。)

TBBT Season5 Episode19 (The Weekend Vortex)

It’s just a simple favor は、頼み事の負担を小さく見せかける常とう句です。続く when’s the last time I asked you to do something for me? は、恩の記憶をたどらせて「めったに頼まない自分」を印象づけようとする問いかけですが、ペニーの記憶はその前提をあっさり覆します。

押しても通じないと分かると、シェルドンは最後にこう宣言します。

Sheldon: All right, then, I have no choice but to go on to plan B.
(よし、それなら僕にはプランBに進む以外の選択肢がない。)

Penny: What’s that?
(それって何?)

Sheldon: I’m going to run around outside with a wet head and try to catch a cold.
(外で髪を濡らしたまま走り回って、風邪をひこうとするつもりだ。)

TBBT Season5 Episode19 (The Weekend Vortex)

I have no choice but to go on to plan B は、交渉が決裂した局面で「次善策に移るしかない」と宣言する言い方です。断られてもすぐに諦めず、次の一手を用意しておく粘り強さが、このやり取り全体を貫いているのが分かります。

まとめ|条件を積み増す頼み方は、粘り強さの裏返し

Now that you’re in my debt、let me up the ante、It’s just a simple favor、when’s the last time I asked you to do something for me?、I have no choice but to go on to plan B。断られても即座に次の条件や次善策を差し出すシェルドンのやり取りから、頼み事の粘り方を見てきました。一度の「ノー」で終わらせない交渉の型は、身近な頼みごとの場面でも参考にできそうです。

次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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