海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン10第10話では、家に毒グモが出た騒ぎのさなか、ジェイがマニーに「薬」を取ってくるよう頼みます。ところが、マニーが命がけで取ってきた物の正体は、思いもよらない物でした。
隠していたことがばれたとき、素直に謝るとは限りません。中身をぼかした頼み方、責める側の言い方、そして言い張る側と矛先を返す側の英語を、ジェイと家族の会話から順に見ていきます。
「I need you to get it for me」と中身をぼかして頼む
毒グモが出て家の外に出たあと、ジェイはマニーにこう切り出します。
Jay: Hey, listen.
(なあ、聞け。)
Jay: I left something inside.
(中に忘れ物をした。)
Jay: I need you to get it for me.
(お前に取ってきてほしい。)
Jay: This should keep you safe.
(これがあれば大丈夫だろう。)
Manny: Are you crazy? I’m not going back into that spider’s nest.
(正気なの? あのクモの巣窟になんて戻らないよ。)
Modern Family Season10 Episode10 (Stuck in a Moment)
I left something inside. は「中に何かを置いてきた」で、something と言うことで中身をわざと言わずにおく形です。続く I need you to ~ は「(相手に)〜してほしい」という頼み方で、Can you ~? と比べると相手に断る余地を与えにくくなります。マニーの Are you crazy? は「正気?」と、とんでもない頼みをはねつけるときの言い方です。
ジェイは自分はクモに好かれやすいから行けないと言い、マニーは当然の疑問をぶつけます。
Manny: What’d you leave in there that’s so important?
(そんなに大事な物って、中に何を置いてきたの?)
Jay: It’s a medication.
(薬だ。)
Jay: I’m fine, but I didn’t tell your mom ‘cause I didn’t want her to worry.
(体は大丈夫だが、母さんには言ってない。心配させたくなかったからな。)
Modern Family Season10 Episode10 (Stuck in a Moment)
What’d you leave in there that’s so important? は What did you の縮約で、that’s so important を後ろに付けて「そこまでして取りに行かせる物は何か」と問いただす形です。ジェイの I didn’t want her to worry は、隠していた理由を「相手を思って」と説明するときの組み立てです。このあとジェイは、泊まる予定のホテルのスパを持ち出してマニーを釣ろうともします。
「That’s what I risked my life for?」で正体を責める
マニーは家の中へ戻り、頼まれた物を取ってきます。その中身を確かめた場面です。
Manny: Hey, wait, wait a second.
(ねえ、待って、ちょっと待って。)
Manny: Wait a second.
(ちょっと待ってよ。)
Manny: This is your medication? “Good Old Fashioned Elbow Grease?”
(これが薬? 「昔ながらのエルボーグリース」?)
Jay: I suffer from dry elbow.
(俺は肘の乾燥に悩んでるんだ。)
Manny: That’s what I risked my life for?
(僕はこんな物のために命をかけたの?)
Jay: Supple elbows are heavily featured in every good power pose.
(いいパワーポーズには、しなやかな肘が欠かせないんだ。)
Jay: That’s how I got the cover to Closet World.
(それで俺は「クローゼット・ワールド」の表紙を飾ったんだ。)
Jay: I literally elbowed my way to the top.
(文字どおり、肘で押しのけてトップまで上り詰めたのさ。)
Modern Family Season10 Episode10 (Stuck in a Moment)
This is your medication? は、平叙文の語順のまま語尾を上げて「これが?」と信じられない気持ちを示す聞き方です。マニーが読み上げた商品名にある elbow grease は、英語では「肘を使う力仕事、骨折り」を表す慣用句としても知られていて、肘のクリームの名前としては言葉遊びになっています。
マニーの That’s what I risked my life for? は、risk one’s life for ~(〜のために命をかける)を That’s what で始めて、「こんな物のために」と相手を責める言い方です。ジェイは I suffer from ~(〜に悩まされている)と、症状を語るような言い方で正当化します。
さらにジェイは、肘の手入れが仕事の成功につながったと話を広げます。elbow one’s way to ~ は「人を肘で押しのけて〜へ進む」という表現で、to the top と組み合わせて「強引にのし上がる」を表します。肘のクリームの話とかけて literally(文字どおり)を添えたところに、ジェイの言い張り方がよく表れています。
「It’s a medicine」と言い張り、「Didn’t you ~?」で矛先を返す
家族が集まったクリスマスイブの場で、マニーの頭を見たグロリアが、クモにかまれたのではと心配します。ジェイは頭をぶつけただけだと打ち消し、事情を明かします。
Jay: Stop! He wasn’t bitten.
(やめろ! かまれてない。)
Jay: He bumped his head when he went back in the house to grab my medication.
(俺の薬を取りに家に戻ったときに、頭をぶつけたんだ。)
Gloria: What medication?
(薬って何の?)
Claire: Oh, my God, Dad, are you okay?
(うそ、パパ、大丈夫なの?)
Phil: We’re gonna get through this, buddy.
(大丈夫、一緒に乗り越えよう。)
Jay: It’s an elbow cream that I secretly use every night after Gloria falls asleep.
(グロリアが寝たあと、毎晩こっそり使ってる肘のクリームだ。)
Gloria: You sent our son into the nest of a deadly spider for a beauty cream?
(美容クリームのために、うちの息子を毒グモの巣に行かせたの?)
Jay: It’s a medicine that treats the heartbreaking condition of dry elbow! It requires a veterinarian’s prescription because it’s primarily used on rhinos and elephants.
(肘の乾燥というつらい症状を治す薬なんだ! 主にサイやゾウに使うから、獣医の処方箋がいるんだぞ。)
Modern Family Season10 Episode10 (Stuck in a Moment)
He wasn’t bitten. He bumped his head when ~ は、誤解をまず否定してから本当の経緯を説明する順序です。グロリアの You sent ~ into … for ~? は「〜のために…へ行かせたの?」と、目的の小ささを突く責め方です。
それでもジェイは It’s a medicine that treats ~ と、あくまで治療だと言い張ります。heartbreaking(胸が痛むような)という大げさな形容詞や、獣医の処方箋が要るという説明を重ねて、ただの美容クリームではないと強調している点も見逃せません。
ジェイは肘のことで責められるのはおかしいと嘆いたあと、話の向きを変えます。
Jay: Didn’t you empty a can of powerful hairspray in the bathroom? And did you go in there, too?
(お前、バスルームで強力なヘアスプレーを1缶使い切っただろう? それに、お前もあそこに入ったのか?)
Gloria: Fine! I needed something, okay? But at least I went in myself.
(わかったわよ! 必要な物があったの、いい? でも少なくとも、私は自分で入ったわ。)
Modern Family Season10 Episode10 (Stuck in a Moment)
否定疑問の Didn’t you ~? は「〜したんじゃないのか」と、相手の行動を突きつけて矛先を返す聞き方です。グロリアは Fine! と認めつつ、But at least ~ で「少なくとも私は」と、息子を行かせたジェイとの違いを強調します。
まとめ|隠しごとがばれたときの英語
I need you to get it for me で中身をぼかして頼み、That’s what I risked my life for? で責められ、It’s a medicine that treats ~ で言い張り、Didn’t you ~? で矛先を返す流れを見てきました。謝る以外の返し方も英語ではさまざまです。
肘のクリームをめぐる大騒ぎを観ながら、言い張る側と責める側のやりとりを追ってみてください。
同じ回のほかのコラムでは、両親への報告のタイミングをうかがう英語や、クリスマスカードの扱いも取り上げています。


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