海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第16話から、ハワードとバーナデットの第2子の名付けをめぐる会話を取り上げます。どちらも日本語では「名前」にかかわる動詞ですが、name と call は指しているものが少し違います。
正式な名前を付けることと、ふだんの呼び名で呼ぶこと。その差が、この回の最後のひと言にくっきり表れています。場面を追いながら整理していきます。
「name」は正式な名前を付ける動詞
ハワードとエイミーが二人で話す場面で、助成金の発表に立ち会えないことを残念がるハワードに、エイミーは「マイケルと過ごす時間のほうが大事」と返します。ハワードはこの名前に引っかかります。
Howard: Who’s Michael?
(マイケルって誰だ?)Amy: Uh, your son?
(ええと、あなたの息子では?)Howard: No, it’s not. My son doesn’t have a name yet.
(違う。俺の息子には、まだ名前がないんだ。)TBBT Season11 Episode16
doesn’t have a name yet は「まだ名前がない」。ここでの name は名詞で、出生届に載るような正式な名前を指しています。エイミーはマイケルという名前が決まっていると受け取っていたことが、このやり取りから読み取れます。
続けてハワードは、マイケルがバーナデットの父の名前であることに不満を漏らし、エイミーが本当はどうしたかったのかを尋ねます。
Howard: I can’t believe her. She knows I don’t want to name the baby after her dad.
(信じられない。俺が赤ん坊に彼女の父親の名前を付けたくないの、知ってるくせに。)Amy: What did you want to name him?
(あなたは何と名付けたかったの?)Howard: I don’t know. We were gonna wait until we saw what he looked like.
(さあな。どんな顔か見るまで待つつもりだったんだ。)TBBT Season11 Episode16
動詞の name は「名前を付ける」。name the baby after ~ は「〜にちなんで赤ちゃんに名前を付ける」で、after のあとに由来となる人や物が入ります。What did you want to name him? は「何と名付けたかったの?」と、候補を聞くときの形です。
別の場面で全員がそろうと、バーナデットもハワードに同じ形で尋ねます。Okay, if it’s not Michael, then what do you want to name him?(わかった、マイケルじゃないなら、あなたは何て名前にしたいの?)。name は、このように名前を「決める」話をするときの中心になる動詞です。由来を説明するときは受け身にして、He was named after his grandfather.(祖父にちなんで名付けられた)のように言うこともできます。
「call」はふだんの呼び名で呼ぶ動詞
同じ集まりの中で、レナードは由来の付け方に別の案を出します。
Leonard: Some people name their kids after places.
(地名にちなんで子どもに名前を付ける人もいるよね。)Howard: Like what, Walla Walla Wolowitz?
(たとえば何だ、ワラワラ・ウォロウィッツか?)TBBT Season11 Episode16
Walla Walla はワシントン州の都市名で、ハワードは姓と並べて冗談で返しています。name A after B の B には、人だけでなく場所も入ることが分かります。冗談の形ではありますが、由来の候補の幅を示すやり取りになっています。
そして後の場面、仲間との電話でハワードが名前を伝えます。
Howard: Neil Michael. Neil for Armstrong, Gaiman, and Diamond.
(ニール・マイケルだ。ニールは、アームストロング、ゲイマン、ダイアモンドからさ。)TBBT Season11 Episode16
Neil for ~ は「ニールは〜にちなんで」という省略形です。アメリカ英語では name A for B という形も使われ、after とほぼ同じ意味になります。
ところが、このあとバーナデットとハワードがこう続けます。
Bernadette: But we’re calling him Michael!
(でも呼ぶのはマイケルよ!)Howard: I’m not gonna fight her.
(彼女とは争わないさ。)TBBT Season11 Episode16
正式な名前は Neil Michael でも、ふだん呼ぶのは Michael。call は「〜と呼ぶ」で、正式名とは別の呼び名やミドルネームで呼ぶときに使えます。ここでの we’re calling は進行形で、「これからそう呼ぶことにしている」という予定を表しています。
自己紹介で My name is Robert, but you can call me Bob. と言えば、正式名と呼んでほしい名前を分けて伝えられます。整理すると次のとおりです。
| 表現 | 意味 | この回での例 |
|---|---|---|
| name A B | AにBと名前を付ける | 正式名 Neil Michael |
| name A after / for B | Bにちなんで名付ける | 父の名前、地名、有名人 |
| call A B | AをBと呼ぶ | 呼び名 Michael |
まとめ|name は「付ける」、call は「呼ぶ」
name は正式な名前を付ける動詞で、name A after B や name A for B で由来も伝えられます。call は、正式名とは別に、ふだんどう呼ぶかを表す動詞です。この区別がつくと、名前の紹介や由来の話がぐっと伝えやすくなります。
名付けの話題ひとつでも、場面ごとに動詞が使い分けられているのが見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、名前をめぐる別の角度の会話も取り上げています。


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