海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
作業の途中で材料が足りなくなって、「ちょっとそこまで買ってくる」と席を立つ——そんな何気ない場面が、誰の毎日にもありますよね。
その「ちょっと行ってくる」にぴったりの「make a run to」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン9第19話、ガレージで試作品を作るレナードとハワードがはんだを切らし、金物店へ買い出しに出ようとするシーンから、一緒に見ていきましょう。
「make a run to」の意味とニュアンス
make a run to
意味:(店などへ)ちょっと行ってくる/ひとっ走りする
このフレーズの run は「走る」ではなく、「短い外出・用足し」という名詞の使い方です。make a run to the store なら「店までひとっ走りする」、つまり近場へ手早く何かを取りに(買いに)行くことを表します。
単なる go to ~(〜へ行く)と比べると、「短時間でさっと済ませる」という気軽さとスピード感が加わるのが特徴です。深刻な外出ではなく、「すぐ戻るからね」という日常のひと往復にぴったりはまります。日本語の「ちょっとコンビニ行ってくる」「薬局まで走ってくる」の感覚に近い表現です。
【ここがポイント!】
- run は「走る」ではなく「短い用足しの外出」を指す名詞
- go to よりも「さっと・手早く」という気軽さとスピード感が出る
- すぐ戻る近場の買い出し・用事に幅広く使えるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S09E19のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ガレージで試作品の基板を組んでいたレナードとハワードは、作業の途中ではんだ(solder)が足りないことに気づきます。「金物店までひとっ走り行ってくる」と席を立つこの何気ない買い出しが、実は後半の騒動の入り口になります。
Howard: I don’t know if we have enough solder to finish these circuit boards.
(この基板を仕上げるのに、はんだが足りるか分からないな。)Leonard: Well, we got to make a run to the hardware store.
(よし、金物店までひとっ走り行ってこないと。)Penny: How can you call yourself a scientist and run out of solder?
(科学者を名乗っておいて、はんだを切らすってどういうこと?)The Big Bang Theory Season9 Episode19(The Solder Excursion Diversion)
シーン解説と心理考察
レナードの「金物店までひとっ走り」は、ごく軽い買い出しのつもりで発せられた一言です。声のトーンにも、面倒な用事という重さはなく、「すぐ戻るよ」という気軽さがにじみます。
ところがこのあと、二人は途中で映画の無料試写会に立ち寄り、妻たちに嘘をつくことになります。「ちょっとそこまで」のはずだった make a run to が、結果的に大ごとへと転がっていく——その落差が、このシーンを物語の起点として印象づけています。フレーズ自体の「気軽さ・短さ」を押さえておくと、後の展開とのギャップがいっそう効いてくるのが見どころと言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
財布だけをつかんで「コンビニ行ってくる!」と玄関を飛び出す、あの数分の外出を思い浮かべてみましょう。靴のかかとを踏んだまま、急ぎ足で出ていく——その身軽な往復のイメージが make a run to です。
レナードが「金物店までひとっ走り」と言って出ていく、あの軽いノリの絵をそのまま重ねれば、「深刻さのない短い外出」という核がつかめます。run=走る、ではなく、run=ちょっと用を足してくる、と書き換えて覚えるのがコツです。
例文で覚える「make a run to」
近場へさっと行ってくる、気軽な買い出しや用事を表すフレーズです。3つの例文で使い方を見ていきましょう。
I’m going to make a run to the store — need anything?
(ちょっと店まで行ってくるけど、何かいる?)
家族やルームメイトに一声かけて出かける場面です。「ついでに買ってこようか?」というやり取りの定番の形です。
Can you make a run to the bank during lunch?
(昼休みに銀行までちょっと行ってきてくれる?)
職場で同僚に軽く頼みごとをする場面です。「さっと済ませてきて」というニュアンスで、ビジネスのカジュアルなやり取りに使えます。
A: We’re out of milk again.
B: No worries, I’ll make a quick run to the corner shop.
(A:また牛乳が切れちゃった。)
(B:大丈夫、近くの店までちょっと走ってくるよ。)
家での何気ない会話です。quick を挟むと「さっと」のスピード感がさらに強まります。
あわせて覚えたい関連表現
swing by
(〜にちょっと立ち寄る)
目的地へ向かう途中で「ついでに寄る」というニュアンスの表現です。make a run to が「その用のためにわざわざ行く」のに対し、swing by は別の移動のついでに寄る点が違います。
run an errand
(用事を足しに行く/お使いに行く)
買い物に限らず、用事全般を片づけに行くことを指します。make a run to は行き先(店など)をはっきり伴う点で、より具体的な言い方です。
pop out to
(ちょっと外に出る/さっと出かける)
イギリス英語でよく使われる口語で、make a run to とほぼ同じ「ひょいと出かける」感覚です。地域による言い回しの違いとして覚えておくと便利です。
Note|”a 〇〇 run” で作る「ちょっとした買い出し」
レナードの make a run to the hardware store には、英語の run が持つおもしろい性質が隠れています。
この run は「走る」という動詞ではなく、「短い外出・用足し」を表す名詞です。そして英語では、この名詞 run を使って “a 〇〇 run”(〜の買い出し)という形を自由に作れます。たとえば a coffee run なら「コーヒーの買い出し」、a grocery run なら「食料品の買い出し」、a beer run なら「ビールの買い出し」です。オフィスで「コーヒー買ってくるけど誰かいる?」と聞くとき、I’m doing a coffee run. のように言えば、それだけで「みんなの分をまとめて買いに行く短い外出」が伝わります。実際に走らなくても使える点がポイントで、アメリカの日常会話では非常に生産的なパターンとされています。
make a run to ~ を覚えるときは、この名詞 run のイメージをセットにしておくと、a coffee run のような応用表現まで一気に視界が広がります。
ひとつの小さな単語が、毎日の用足しの数だけ姿を変えていくのですね。
まとめ|「ちょっとそこまで」を英語で軽やかに
make a run to は、近場へさっと行ってくる気軽な買い出しや用事を表す口語表現です。go to よりも「短時間で・手早く」という軽さが加わり、「すぐ戻るね」というニュアンスを自然に伝えられます。
このひと言が使えるようになると、日常の何気ない外出を、英語でも肩の力を抜いて口にできるようになります。
「ちょっとコンビニ行ってくる」を英語でさらりと言いたいとき、表現の引き出しに加えてみてください。


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