「not the hill I want to die on」争う価値があるかを伝える英語|『ビッグバン★セオリー』S11E19で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「not the hill I want to die on」争う価値があるかを伝える英語|『ビッグバン★セオリー』S11E19で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第19話から、争う価値があるかどうかを伝える英語を取り上げます。建物の入居者協会をめぐって、エイミーは婚約者のシェルドンに票を入れ、エイミーの親友のペニーと、レナードはそれに納得がいきません。

「そこまでして争うことではない」と「これは筋の問題だ」。同じ出来事でも、どこに線を引くかで選ぶ英語が変わります。その違いが見える会話を順に見ていきます。

目次

「not the hill I want to die on」は争わないと決めた一言

入居者協会の会長の不信任を問う投票で、エイミーはシェルドンの側に票を投じました。その後の場面で、ペニーとレナードがこぼします。

Penny: I can’t believe my best friend sided with Sheldon.
(親友がシェルドンの側につくなんて信じられない。)

Leonard: Can’t believe my best friend is Sheldon.
(僕の親友がシェルドンだってことが信じられないよ。)

TBBT Season11 Episode19

side with ~ は「〜の側につく」「〜に味方する」という言い方です。レナードはペニーの文の形をそのまま借り、自分の親友がシェルドンであることを嘆く冗談に変えています。

続く会話では、エイミーに向かってレナードとペニーが問いかけます。

Leonard: Even when he’s being crazy?
(あいつがおかしなことをしてても?)

Amy: Well, what other times are there?!
(あら、それ以外のときなんてある?)

Penny: So you just let him get away with anything?
(じゃあ、何をしても大目に見るってこと?)

Amy: Well, not anything. But honestly, pastrami sandwich is not the hill I want to die on.
(何でもってわけじゃないわ。でも正直、パストラミサンドは私が死守したい丘じゃないのよ。)

TBBT Season11 Episode19

let someone get away with ~ は「〜を見逃す」「〜をとがめずに済ませる」という意味です。ペニーは anything を付けて、シェルドンの好き勝手を全部許すのかと詰めています。

エイミーの not the hill I want to die on は、丘を最後まで守る戦いのイメージを借りた言い回しで、「そこまでして争うつもりはない」と伝える表現です。パストラミサンドとは、フードトラックが通りに停められなくなった件のことです。肯定形の This is the hill I’m willing to die on. なら「ここは絶対に譲らない」という宣言として使えます。近い考え方を表す pick your battles(戦う場面を選ぶ)とあわせて覚えておくと便利です。

「It’s about the principle」と「Not on my watch」は譲らない側の言い方

エイミーの答えに、ペニーとレナードはこう返します。

Penny: It’s not about the sandwich. It’s about the principle.
(サンドイッチの問題じゃない。筋の問題なの。)

Leonard: Yeah, principle. And a little bit sandwich.
(そう、筋の問題。それとちょっとサンドイッチ。)

TBBT Season11 Episode19

It’s not about A. It’s about B. は「問題はAではなくBだ」と論点を言い直す型です。principle は「原則」「筋」で、目の前の損得ではなく、やり方そのものが許せないと伝えるときに使われます。レナードは賛成したうえで And a little bit ~(それとちょっと〜)を足し、建前に本音をのぞかせています。

別の場面では、シェルドン本人が会長の座を降りない姿勢を見せます。婚約者の振る舞いは自分の評判にも響くとエイミーに言われた直後のやり取りです。

Sheldon: If leaders just stepped aside every time they didn’t have the consent of the governed, what would we have?
(統治される者の同意がないたびに指導者が身を引いていたら、一体どうなる?)

Amy: Democracy.
(民主主義よ。)

Sheldon: Not on my watch.
(僕の目の黒いうちはそうはさせない。)

TBBT Season11 Episode19

step aside は「身を引く」「退く」という句動詞です。Not on my watch. の watch は見張りの当番の時間を指し、「自分が担当しているうちはそうはさせない」という決め台詞になります。ここではエイミーの「民主主義」という答えをそのまま拒む返しになっていて、シェルドンの頑固さが笑いどころになっている場面です。

表現 立場 この回での使われ方
not the hill I want to die on ここは争わない エイミーがサンドの件を流す
It’s about the principle. 筋として譲らない ペニーが言い返す
Not on my watch. 自分がいる限り許さない シェルドンが会長職を手放さない

まとめ|どこで争うかを言葉にする

今回は、争わないと伝える not the hill I want to die on、筋の問題だと言い返す It’s about the principle、譲らない姿勢の Not on my watch を見てきました。立場ごとに言い方を選べると、意見がぶつかる場面でも自分の線引きを落ち着いて伝えられます。

サンドイッチ一つで三者三様の線引きが見えてくるのも、この回の面白いところです。

同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事を読むと、入居者協会をめぐる騒動の英語がつながって見えてきます。

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