「eat crow」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S11E19で学ぶ英会話

「eat crow」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

議論の途中で自分の分が悪くなってきても、すぐには「間違えた」と言えず、つい話をそらしてしまう場面はないでしょうか。

そんな瞬間にぴったりの「eat crow」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン11第19話の前半、サンドイッチの起源をめぐる議論でシェルドンが旗色を悪くしていくシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「eat crow」の意味とニュアンス

eat crow
意味:誤りを認めて屈辱を味わう

crow(カラス)は肉が苦く、食用には向かない鳥だとされています。その食べられないはずの肉を無理やり口に押し込まれる状況から、自分の間違いや誤った発言を認めさせられ、屈辱を味わうという意味の口語表現が生まれました。

似た意味を持つeat one’s wordsが「発言を撤回する」という行為そのものに焦点を当てるのに対し、eat crowは撤回に伴う恥ずかしさや苦々しさの感情がより強く込められています。議論や予測で旗色が悪くなり、最終的に相手の言い分を認めざるを得なくなった場面で使われることが多い表現です。

スポーツの勝敗予想や、ちょっとした口論の結末など、誰かに「言ったとおりだったね」と言われてしまう瞬間に結びつけて覚えておくと、使う場面がイメージしやすくなります。

【ここがポイント!】

  • 「eat crow」の核は、苦い思いをしながら間違いを認めるというイメージ
  • 単なる訂正ではなく、恥ずかしさや気まずさを伴う認め方を表す表現
  • 誰の前でどんな負け方をしたかが伝わる文脈とセットで使うのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S11E19のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

金曜の夜はいつも『中華料理の夜』と決まっている仲間たちの席で、エイミーがふとした指摘を投げかけます。中華料理もサンドイッチの一種と言えるのではないかという指摘をきっかけに、シェルドンの旗色がにわかに悪くなっていく瞬間に注目です。

Amy: So, it looks like all of us, including Penny, are eating Chinese food.
(というわけで、ペニーを含めた私たち全員が、結局は中華料理を食べていることになるわね。)

Raj: Except for you, Sheldon. You’re eating crow.
(シェルドンだけは別だよ。君は今、自分の間違いを認めて屈辱を味わってるところだね。)

Sheldon: I’m sorry, I think you’re forgetting that the sandwich was invented by John Montagu, the Earl of Sandwich.
(すまないが、君は忘れているようだ。サンドイッチを発明したのは、サンドイッチ伯爵ジョン・モンタギューだ。)

Penny: The truck’s called “Pearl of Sandwich.” Now I get it.
(あのトラック、”Pearl of Sandwich”って名前なのね。なるほど、そういうことか。)

The Big Bang Theory Season11 Episode19 (The Tenant Disassociation)

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シーン解説と心理考察

エイミーの一言は、サンドイッチという食べ物そのものの定義を静かに揺るがす鋭い指摘でした。中華料理もまた「パンに肉を挟んだもの」と言えるのなら、サンドイッチの起源を西洋に限定するシェルドンの主張には無理があります。その矛盾にラージがすかさず便乗し、「屈辱を味わってるところだね」と茶化す軽やかさが際立ちます。

シェルドンは「サンドイッチを発明したのはサンドイッチ伯爵だ」と食い下がりますが、これは指摘への反論というより、意地を張っているだけの印象を強めてしまいます。そこへペニーが、以前見かけたフードトラックの名前を持ち出し、別の角度から話をひっくり返す一言を添えます。理屈で固めたはずの主張が、身近な具体例ひとつであっさり崩されていく流れが見どころです。

いつもなら長々と相手の誤りを訂正する側に立つシェルドンが、今度は訂正される側に回っている構図そのものが、このやり取りのおかしみを生んでいます。仲間たちのツッコミを受け止めきれずにいる様子が伝わってきます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

eat crowを覚えるコツは、苦い味の食べ物を顔をしかめながら無理やり飲み込む姿を思い浮かべることです。「認めたくないのに、飲み込まされる」という感覚が、このフレーズの屈辱的なニュアンスにそのまま重なります。

劇中でも、自説を譲らずに食い下がったシェルドンが、それでも旗色を取り戻せずにいる姿が、まさにこの「苦い顔で認めさせられる」イメージそのものです。理屈を並べても覆せない現実を飲み込む瞬間に使う表現だと覚えておくと、とっさに思い出しやすくなります。

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例文で覚える「eat crow」

予測が外れた場面から意見の対立まで、eat crowを3つの例文で確認していきましょう。

After his prediction turned out to be completely wrong, he had to eat crow in front of the whole team.
(彼の予測が完全に外れたことが分かり、チーム全員の前で自分の間違いを認める羽目になった。)
会議で立てた見通しが裏目に出た場面です。in front of the whole teamを添えることで、公の場での気まずさが伝わります。

I guess I’m eating crow now that she actually got the promotion I said she wouldn’t.
(彼女が昇進しないと言っていたのに、実際に昇進したから、今は自分の間違いを認めるしかないな。)
友人との会話で、予想が外れたことを渋々認める場面です。I guessを添えることで、渋々認める空気が出ます。

A: You said the restaurant would be terrible.
B: Fine, I’m eating crow—it was amazing.
(A:あのレストランはひどいって言ってたよね。)
(B:分かった、認めるよ。最高だった。)
意見が外れたことを軽く認め合う、カジュアルな会話です。Fineの一言が、渋々認める気持ちを端的に表しています。

あわせて覚えたい関連表現

eat one’s words
(自分の発言を撤回する)
eat crowと同じ「食べる」の比喩を使いますが、撤回そのものに焦点があり、屈辱感の強さはeat crowより中立的です。

admit defeat
(負けを認める)
admit defeatは形式的で直接的な表現です。eat crowのような皮肉や茶化しの響きは薄く、より公式な場面にも使いやすい言い方です。

swallow one’s pride
(自尊心を抑えて行動する)
swallow one’s prideは誤りが露見する前の心理状態を指すのに対し、eat crowは誤りが明らかになった後の結果的な屈辱を指す点で焦点が異なります。

Note|eat crow / eat one’s words / admit defeat の使い分け

「誤りを認める」という一つの行為にも、英語にはいくつもの言い方があります。eat crow、eat one’s words、admit defeatは、どれも似た場面で使われながら、向いている焦点がそれぞれ違います。

eat crowは、無理やり飲み込まされる苦いカラスの比喩が土台にあるため、屈辱感や恥ずかしさの温度が最も高い表現です。口語的でくだけた響きを持ち、皮肉や茶化しを込めて使われる場面が多くあります。eat one’s wordsは「発言(words)」そのものを撤回することに焦点があり、屈辱の強さよりも「前言撤回」という行為の中立的な描写に近づきます。一方admit defeatは、フォーマルな場面でも使える直接的な言い方で、ビジネスの交渉やスポーツの試合結果を報告する場面など、公的な文脈でもそのまま使えます。3つの表現は「誤りを認める」という共通の土台の上に、恥ずかしさの度合いと場面のフォーマル度という2つの軸で並んでいると捉えると整理しやすくなります。

今回のシーンでラージがとっさにeat crowを選んだのは、admit defeatでは出せない、友人同士の軽い茶化しのニュアンスを込めたかったからとも考えられます。もしここでadmit defeatを使っていたら、からかいの軽さは薄れ、もっと深刻な降参の表明に聞こえてしまったかもしれません。

言葉の選び方ひとつで、同じ「負け」の伝え方の温度が変わってきます。

まとめ|理屈が裏目に出る、その瞬間

eat crowは、無理やり飲み込まされる苦さを比喩にした、誤りを認める際の口語表現です。「eat crow」という一言を知っておくだけで、議論や予測で分が悪くなった場面を、深刻になりすぎずに乗り切れるようになります。

友人同士の軽い口論でも、仕事での見通しの誤りでも、恥ずかしさを抱えたまま素直に認める瞬間にこの表現が役立ちます。茶化しの効いた言い回しだからこそ、重くならずに使える場面の幅も広がります。深刻な謝罪の場面には向きませんが、軽い予想外れや小さな言い争いの後始末には、ちょうどいい温度感の一言です。

サンドイッチ伯爵という反論材料を持ち出してもなお言い逃れできなかったシェルドンの姿には、理屈を並べるほど墓穴を掘っていく人間らしいもどかしさが表れていると言えます。

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