海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
たくさんの新しい情報を一気に投げかけられて、頭の中がいっぱいになってしまう経験をしたことはありませんか。覚えている最中は大変でも、後から振り返ると、自分でも驚くほど多くのことを吸収できていたと気づくこともあります。
そんな場面にぴったりの「take in」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン11第18話の後半、新米の母親としての自分の変化にふと気づいたバーナデットが、その発見を仲間に話すシーンから、一緒に見ていきましょう。
「take in」の意味とニュアンス
take in
意味:情報を理解して吸収する
take in は元々「(空気や物を)取り込む」という意味の句動詞ですが、そこから比喩的に「情報や知識を理解して吸収する」という意味へと広がりました。一度に処理しきれないほどの情報量を表すときにもよく使われる表現です。
take in にはもう少し物理的な「(景色や建物などを)目に取り込む、眺める」という意味もあり、take in the view(景色を眺める)のような使い方もできます。どちらの意味にも、「外からやってくるものを自分の内側に受け入れる」という共通のイメージが流れています。
多くの新しい情報や知識を学んでいるとき、驚くような知らせを受け止めようとするときなど、理解や受容のプロセスそのものに焦点を当てたい場面で重宝する表現です。too much to take in のように too much と組み合わせると、「受け止めきれないほど量が多い」という戸惑いのニュアンスも自然に添えられます。
【ここがポイント!】
- 「take in」の核は、外からの情報や知識を自分の内側に受け入れること
- 一度に処理しきれないほどの情報量を表すときに特によく使われる
- 景色や建物を眺める take in the view のような物理的な意味も持つ
『ビッグバン★セオリー』S11E18のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
バーナデットが赤ちゃんに向けて難しい科学の話を語りかけていた場面の直後、周りの反応に続けて、彼女自身が気づいたことを話し始めます。これまで弱点だと思っていたものを、どう捉え直したかに注目です。
Howard: Wow.
(すごいな。)Amy: Hop on Pop took a dark turn there at the end.
(「Hop on Pop」って、最後にずいぶんダークな方向に行ったわね。)Bernadette: Amy made me realize that new mothers are cognitively primed to take in new information, and I’ve been wasting it making up songs about our babies’ toes.
(エイミーに言われて気づいたの。新米の母親は新しい情報を吸収しやすい状態に認知的に整っているんだって。それを私たちの赤ちゃんたちの足の指についての歌作りに無駄遣いしてたのよ。)Howard: To be fair, I cowrote “Pinky Toe, Pinky Toe.”
(まあ、公平に言うと「ピンキー・トウ、ピンキー・トウ」は俺も共作したけどね。)The Big Bang Theory Season11 Episode18 (The Gates Excitation)
シーン解説と心理考察
ハワードの「すごいな」という短い相槌と、エイミーの「『Hop on Pop』って、最後にずいぶんダークな方向に行ったわね」という軽い皮肉は、バーナデットが赤ちゃんに向けて語っていた話題の意外な難易度を物語っています。深刻になりすぎない茶化し方に、三人の気安い関係性がにじんでいます。
バーナデットが続けて口にする「エイミーに言われて気づいたの」という切り出しは、これまで単なる「mom brain(育児で変化した脳)」として気にしていた自分の状態を、前向きな発見として語り直す瞬間です。新しい情報を吸収しやすい状態にあるという気づきは、育児中心の生活の中でも自分を肯定的に見つめ直すきっかけになっています。
ハワードが「まあ、公平に言うと『ピンキー・トウ、ピンキー・トウ』は俺も共作したけどね」とすかさず自分の貢献を主張する一言は、深刻になりがちな話題を和ませるユーモアとして機能しています。育児で変化した自分の状態を前向きに受け止めるバーナデットの成長が、夫婦の軽いやり取りを通して描かれています。
赤ちゃん向けの即興の歌作りという、一見くだらなく思える行為を振り返ったうえで、そこに知的な意味づけを見出そうとするバーナデットの姿勢には、研究者としての視点と母親としての実感が同時に表れていると言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
take in を覚えるコツは、情報を自分の中に一度取り込んで、ゆっくり消化していくイメージを持つことです。take(取る)+ in(中へ)という二語の組み合わせが、外にあるものを自分の内側へ引き入れる感覚にそのままつながります。
バーナデットが気づいた「新しい情報を吸収しやすい状態」も、まさにこの take in のイメージそのものでした。大量の情報が次々と入ってくる状況を、無理に整理しようとせず、まずは丸ごと取り込んでおくという発想で捉えると、take in という表現の感覚がつかみやすくなります。頭の中に情報を一時的に保管する箱をイメージしておくと、後から少しずつ整理していく過程も自然に理解できるようになります。
例文で覚える「take in」
講義の振り返りから語学学習まで、take in を3つの例文で確認していきましょう。
It’s a lot of new information to take in at once.
(一度に吸収するには、あまりに多くの新しい情報だ。)
研修や授業で情報量の多さを語る日常会話の場面です。a lot of new information という具体的な対象が、吸収する情報の多さを伝えています。
Children are able to take in new languages remarkably fast.
(子どもは驚くほど速く新しい言語を吸収できる。)
語学学習について語る教育の場面です。remarkably fast という副詞が、吸収の速さを強調しています。
A: Did you understand the lecture?
B: Not really, there was too much to take in.
(A:講義は理解できた?)
(B:あまり、吸収しきれないほど情報が多かった。)
講義の内容を振り返るカジュアルな会話です。too much to take in だけで、情報量の多さへの戸惑いが伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
absorb information
(情報を吸収する)
take in よりも学術的で硬い響きを持つ表現です。レポートや論文のような、やや硬い文脈でも使いやすい言い方です。
soak up
(知識や雰囲気を吸い込むように取り込む)
take in よりも比喩的でカジュアルな表現で、知識だけでなく周囲の雰囲気全体を取り込む意味合いも持ちます。旅先の空気を味わうような場面でも使われる、守備範囲の広い表現です。
process information
(情報を処理する)
脳内での処理過程そのものを強調する、より分析的な表現です。take in が「受け入れる」段階を表すのに対し、process information は受け入れた後の「整理・分析」の段階に重きを置きます。
Note|take in / absorb / soak up の使い分け
似た「吸収する」を表す英語表現には、take in のほかにも absorb や soak up があります。どれも日本語にすると近い訳になりますが、使われる場面の硬さや焦点には違いがあります。
take in は、日常会話からビジネスまで幅広く使える中立的な表現です。情報を自分の内側に受け入れるという発想がベースにあるため、どんな種類の情報にも使うことができます。これに対して absorb は、take in よりも学術的で硬い響きを持ち、スポンジが水を吸い込むような緩やかで確実な吸収のイメージを伴います。
soak up は、知識だけでなく周囲の雰囲気や環境全体を取り込むという、より広いイメージを持つ表現です。旅先の雰囲気を味わうときに soak up the atmosphere のように使われることもあり、情報の吸収という意味に限定されない柔らかさがあります。バーナデットが気づいた「新しい情報を吸収しやすい状態」は、具体的な知識の吸収についての話なので、3つの中でも take in が最も自然に当てはまる場面だと言えます。
どの表現も似た場面で使われがちですが、硬さの度合いや対象の広さを意識して選べるようになると、状況に合った伝え方ができるようになります。育児で慌ただしい毎日を送るバーナデットのような場面でも、自分の状態を的確に言い表す一助になります。
まとめ|弱みを強みに読み替える、気づきの力
take in は、外からの情報や知識を自分の内側に受け入れるという意味の表現です。一度に処理しきれないほどの情報量を表すときによく使われ、学習の場面から驚きの知らせを受け止める場面まで幅広く応用できます。
新しい知識に圧倒されそうなときも、誰かの気づきに感心するときも、この一言があれば状況を的確に言い表せます。
育児で変化した自分の状態を、弱点ではなく学びの強みとして捉え直したバーナデットの気づきには、日々の生活の中にも前向きな発見を見出す姿勢が表れていると言えます。


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