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今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第2話から、急いで1万ドルを用意したいピーターが、モジーに手を借りる場面を取り上げます。モジーは引き受ける前に「ground rules」を持ち出し、免責や質問の禁止といった条件を、契約交渉のような言葉で並べていきます。
条件の出し方、ルールを盾に質問を封じる言い方、渋々従うときの念押しを順に見ていきます。
「But first, some ground rules.」で、引き受ける前に条件を置く
捜査のために短時間で1万ドルの現金が必要になりますが、FBIからすぐに現金を引き出すことはできません。ニールに共通の友人を訪ねるよう促されたピーターは、モジーに単刀直入に尋ねます。
Peter: Can you get us the 10 grand or not?
(1万ドル、用意できるのか、できないのか?)
Mozzie: Yes. But first, some ground rules. I want full immunity about anything you may see or hear tonight.
(できる。だがまず、いくつか取り決めがある。今夜君が見聞きするかもしれないことすべてについて、完全な免責を求める。)
Peter: Let’s just say I’ll owe you one.
(貸し一つ、ってことにしておこう。)
Mozzie: I accept your counteroffer.
(その対案を受け入れよう。)White Collar Season2 Episode2 (Need to Know)
モジーはまず Yes と引き受けたうえで、But first で条件を先に置いています。ground rules は、何かを始める前に確認しておく基本の取り決めのことです。
full immunity は「完全な免責」で、捜査官を相手に違法すれすれの手段を見せる前に身を守ろうとする要求です。ピーターは正面から約束せず、Let’s just say ~(〜ということにしておこう)で言い換え、owe you one(借りが一つできる)という軽い口約束にとどめています。
モジーはそれを counteroffer(対案)と呼び、交渉の言葉で受け入れます。日常のやり取りに契約の用語を持ち込むところに、モジーらしい大仰さが表れています。
「Rule number two」で、ルールを盾に質問を封じる
取り決めがまとまると、モジーは次々に物を求め始めます。最初に求められたのは、ピーターの靴ひもです。
Mozzie: I need your shoelace.
(君の靴ひもが要る。)
Peter: My shoelaces are gonna get us the $10,000?
(俺の靴ひもで1万ドルが手に入るっていうのか?)
Mozzie: Rule number two… No further questions.
(ルールその2……これ以上の質問は受け付けない。)White Collar Season2 Episode2 (Need to Know)
No further questions. は、法廷で弁護士が尋問を締めくくる「質問は以上です」の決まり文句として知られています。モジーはこれを「これ以上の質問は禁止」というルールに仕立て、番号まで付けて言い渡しています。質問を重ねるピーターに、モジーはその後も refer you to ~(〜を参照するよう促す)という堅い言い回しで同じルールを持ち出します。
区画を探す途中、モジーに無線機を求められたピーターは、理由を尋ねかけて自分で引っ込めます。
Peter: Why? Yeah, yeah. Rule number two.
(なんでだ? ああ、分かってる。ルールその2だな。)White Collar Season2 Episode2 (Need to Know)
Yeah, yeah と二度重ねると、「言われなくても分かっている」という投げやりな含みになります。相手のルールを先回りして自分で唱えるところに、何度も質問を退けられた側の呆れが伝わってきます。
「Just note that ~」と「Noted.」で、渋々の協力を記録に残す
資金の使い道を尋ねたモジーは、標的がジェニングスだと察して反発します。ジェニングスは、スタジアム建設に反対する手紙運動までしていたモジーが支持する政治家です。
Peter: All right, listen. Listen to me. If he is innocent…
(いいか、聞け。よく聞くんだ。もしあいつが潔白なら……)
Mozzie: Which he is!
(潔白なのだ!)
Peter: …Then this won’t matter.
(……これをやっても何の影響もない。)
Mozzie: Fine. Just note that I’m assisting under extreme duress.
(いいだろう。ただし、私は極度の強要の下で協力しているのだと記録しておいてくれ。)
Peter: Noted.
(記録した。)White Collar Season2 Episode2 (Need to Know)
モジーの Which he is! は、ピーターの文の途中に関係代名詞 which で割り込み、「実際そうなのだ」と言い足す返しです。Just note that ~ は「〜ということは書き留めておいてくれ」と念を押す言い方で、under duress(強要されて)は法律の場面でも使われる堅い表現です。
ピーターの Noted. は「承知した」の一語で、相手の抗議を事務的に受け流します。念押しと一語の受け流しで、渋々ながら協力が続いていく場面です。
まとめ|条件を置く言い方と、渋々の念押し
But first, some ground rules.、No further questions.、Just note that ~ と Noted. を見てきました。交渉や法廷の言葉を日常に持ち込むだけで、やり取りに独特のおかしみが生まれることが分かります。
これからも『ホワイトカラー』を観ながら、会話の言い回しを拾っていきましょう。
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