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今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第2話から、州上院議員の不正を探る作戦会議で、ニールが「Bad cop, good criminal.」と役割分担を持ちかける場面を取り上げます。取り調べでおなじみの言い回しを下敷きにした軽口が、形を変えながら何度も登場します。
元になった言い回しの意味を確かめたうえで、それをもじる言い方と、呼び方を言い直し合う応酬を順に見ていきます。
定番の「good cop, bad cop」をもじった「Bad cop, good criminal.」
州上院議員ジェニングスの不正献金の手がかりは、ごく限られた側近しか見られない帳簿にあるとみられています。ニールをその側近の輪に入り込ませる方法が必要だという話になり、ニールが案を思いつきます。
Neal: I got it. Bad cop, good criminal.
(思いついた。悪い刑事と、いい犯罪者だ。)White Collar Season2 Episode2 (Need to Know)
good cop, bad cop は、取り調べで一人が威圧的な「悪い刑事」を、もう一人が話の分かる「いい刑事」を演じ分け、相手の口を開かせる手法を指す言い回しとして知られています。そこから転じて、厳しい役と優しい役を二人で分担するやり方全般を指すこともあります。
ニールはこの型の片側を good criminal に差し替えています。刑事二人の組み合わせを、刑事と犯罪者の組み合わせに変えたところが、元詐欺師のニールらしいもじり方です。続けてニールは、それぞれの役の中身を説明します。
Neal: The bad guy, the cop… that’s you… creates a problem for Jennings, and the good guy…
(悪役、つまり刑事は……君だよ……ジェニングスに問題を作る。そして善玉は……)
Peter: That’s you?
(それがお前か?)
Neal: Right. I provide the solution.
(そう。僕が解決策を差し出すんだ。)White Collar Season2 Episode2 (Need to Know)
文の途中に that’s you を挟んで、役を相手に割り振っています。ピーターの That’s you? は、平叙文の語順のまま語尾を上げて「善玉はお前なのか」と先回りして確かめる聞き方です。provide the solution は「解決策を提供する」で、問題を作る側と片付ける側を分ける構図が一文で示されています。
段取りがまとまり、悪い刑事役さえいればいいという話になると、ピーターが名乗り出ます。
Peter: I can do bad cop.
(悪い刑事なら俺にもできる。)White Collar Season2 Episode2 (Need to Know)
do + 役柄 は「その役をこなす、演じる」という意味の口語的な形です。bad cop に冠詞を付けず、役柄の名前として扱っている点も会話らしいところです。
「Bad cop, good cop.」「Good criminal.」と呼び方を言い直し合う
ジェニングスのもとへ出向いて刑事役を演じたあと、ピーターはニールに次の番を渡します。
Peter: I’m the bad cop. Now it’s your turn.
(悪い刑事は俺だ。次はお前の番だぞ。)White Collar Season2 Episode2 (Need to Know)
Now it’s your turn. は、自分の担当を終えて相手に引き継ぐときの決まった言い方です。I’m the bad cop. と役名を名乗り直すことで、作戦のどこまでが終わったのかが短く伝わります。
その後ニールは、ジェニングスの陣営に問題処理役として売り込みます。陣営との電話の最中にニールに黙らされたピーターは、電話が終わると結果を尋ねます。
Peter: You’re hired?
(採用か?)
Neal: Like I said… Bad cop, good cop.
(言ったとおりだろ……悪い刑事に、いい刑事さ。)
Peter: Good criminal.
(いい犯罪者、だろ。)
Neal: Consultant.
(コンサルタントだよ。)White Collar Season2 Episode2 (Need to Know)
Like I said は「前に言ったとおり」と、自分の以前の発言を引き合いに出す言い方です。ただしニールが最初に口にしたのは Bad cop, good criminal. で、ここではさりげなく good cop に格上げしています。
ピーターはそれを Good criminal. の一言で元に戻し、ニールはさらに自分の肩書である Consultant. で言い直します。文を組み立てずに名詞だけを返すと、「そこは違う」という訂正がはっきり伝わります。同じ型を下敷きにしながら、互いに一語ずつ呼び方を塗り替えていく応酬が見どころです。
まとめ|定番の型をもじる軽口と、短い言い直し
good cop, bad cop を下敷きにした Bad cop, good criminal.、引き継ぎの Now it’s your turn.、短い名詞で呼び方を言い直す応酬を見てきました。定番の型を知っていると、もじりの面白さまで分かります。
次回も『ホワイトカラー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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