海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン1第8話には、モニカとレイチェルの部屋の電話に、ローマにいるパオロから電話がかかってくる場面があります。しかもその通話の途中で、今度は別の相手からの着信まで入ってきます。
部屋の電話を同居人どうしで使う暮らしと、通話中に割り込んでくる別の着信。短い場面に映る家の電話の文化と、そこで交わされる英語を、順を追って見ていきます。
「It’s Paolo calling from Rome」電話の取り次ぎと海外からの電話
場面はモニカとレイチェルの部屋で、仲間がそろっています。電話が鳴り、出たのはモニカでした。モニカはレイチェルの交際相手パオロからの電話だと伝えます。
Monica: It’s Paolo calling from Rome.
(ローマのパオロから電話よ。)
Rachel: Oh, my God. Calling from Rome.
(うそでしょ。ローマからだって。)
Friends Season1 Episode8(The One Where Nana Dies Twice)
It’s ~ calling. は、電話を取った人がほかの人に「〜から電話だよ」と取り次ぐときの型です。from ~ を足すと、相手がどこからかけてきたかを添えられます。仕事の電話では It’s Ms. Brown calling from the bank.(銀行のブラウンさんからです)のように、場所の代わりに会社や部署を入れる形もあります。取り次ぐ相手に受話器を渡すだけなら、It’s for you.(あなたにだよ)の一言でも通じます。
レイチェルは Calling from Rome. と、モニカの言葉の後半をそのまま繰り返して電話を受け取ります。相手の言葉を繰り返すのは、驚きや喜びを表すときに見られることの多い反応です。レイチェルはこのあとも「ローマと話している」と口にしており、海外からの電話であることが場面の話題の中心になっています。
この場面からは、部屋にある電話を同居するモニカとレイチェルの二人で使っている様子も分かります。家の固定電話を同居人や家族で共有する暮らしでは、鳴った電話に近くの人が出て、本来の相手に取り次ぐのが自然な流れになります。誰あての電話かを最初に告げる It’s ~ calling. は、そうした暮らしの中で出番の多い言い方と言えます。
取り次ぐ前に相手の名前を確かめたいときは Who’s calling, please?(どちらさまですか)、本人を呼ぶ間に待ってもらうときは Hold on, I’ll get her.(待ってね、呼んでくるから)のような言い方もあります。
「your dad just beeped in」割り込み着信と、通話を手短にする英語
レイチェルがパオロと話している途中で、今度はモニカの父親から電話が入ります。レイチェルはモニカにこう声をかけます。
Rachel: Monica, your dad just beeped in. Can you make it quick? I’m talking to Rome.
(モニカ、あなたのパパから割り込みの電話が入ったの。手短にしてくれる? 私、ローマと話してるんだから。)
Rachel: I’m talking to Rome.
(ローマと話してるのよ。)
Monica: Hey, Dad. What’s up?
(もしもし、パパ。どうしたの?)
Friends Season1 Episode8(The One Where Nana Dies Twice)
固定電話には、通話中に別の電話がかかってくると知らせの音が鳴り、切り替えて出られる仕組みがあり、英語では call waiting と呼ばれます。beep in は、その知らせの音 beep を動詞にした口語で、~ just beeped in は「〜から割り込みの着信が入った」という意味になります。地域や契約によって呼び方や仕組みは異なると言われるため、ここでは作中の使われ方に絞って押さえておくと安心です。
似た場面で使われる put someone on hold は「相手を保留にする」という意味で、こちらは通話中の相手を待たせる側の動作を指します。
Can you make it quick? は「手短にしてくれる?」と相手に頼む言い方です。直後の I’m talking to Rome. が、手短にしてほしい理由の説明になっています。この I’m talking to Rome. は、話している相手を地名で言い表した形で、「ローマの人と話している」ことを短く伝えています。レイチェルは同じ一文を、フィービーとチャンドラーに向かってもう一度繰り返します。
モニカの Hey, Dad. What’s up? は、切り替えた電話に出たときの一言です。相手がもう分かっているので、Hello? ではなく呼びかけから入っています。この場面の電話の英語を並べると、次のようになります。
| 場面 | 作中の英語 |
|---|---|
| 電話を取り次ぐ | It’s ~ calling from ~. |
| 割り込みの着信を知らせる | ~ just beeped in. |
| 手短に頼む | Can you make it quick? |
| 切り替えた電話に出る | Hey, ~. What’s up? |
割り込みの着信を受けた側が元の相手に断るときは、I’ve got another call. Can I call you back?(別の電話が入ったから、かけ直していい?)のように伝えることができます。
まとめ|部屋の電話をめぐる英語
It’s ~ calling from ~ の取り次ぎ、beep in と call waiting、Can you make it quick? を見てきました。部屋の電話を同居人どうしで使う暮らしが、短い英語のやりとりからも伝わってきます。
『フレンズ』の部屋で電話が鳴るたびに、取り次ぎの英語に注目して観ると、仲間の暮らしぶりがまた違って見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、出かける前の声かけや皮肉の英語も扱っています。


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