海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
友達に「いい人いるから紹介するよ」と言われたこと、ありませんか?
今回は、恋愛話で頻出する「set someone up」を、『フレンズ』シーズン1第8話のシーンから学んでいきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
前日、同僚のシェリーから同性愛者だと勘違いされたチャンドラー。翌日オフィスで再びシェリーと顔を合わせます。シェリーは昨日の件を謝りますが、チャンドラーが気にしているのは勘違いそのものではなく、「紹介される相手のレベル」の方。自分の性的指向よりもプライドが優先されてしまうのが、なんともチャンドラーらしい展開です。
Chandler:Well, yeah. He’s no Brian in Payroll.
(まあね。でも経理部のブライアンにはかなわないよ。)Shelly:Is Brian…?
(ブライアンって…?)Chandler:No. I don’t know. The point is, if you were gonna set me up, I’d like to think it’d be with somebody like him.
(いや、知らないけど。要するに、もし僕に誰かを紹介するつもりなら、彼みたいな人がいいと思いたいわけ。)Shelly:Well, I think Brian’s a little out of your league.
(そうね、ブライアンはあなたには少し高嶺の花だと思うわ。)Friends Season1 Episode8(The One Where Nana Dies Twice)
シーン解説と心理考察
このシーンで面白いのは、チャンドラーの自意識の向き先です。
普通なら「僕はゲイじゃないよ」と訂正するだけで終わりそうなもの。
ところが彼が気にしているのは、「紹介される相手のレベル」のほう。
前日シェリーが紹介しようとしていたのは、Financial Services(財務部)のローウェルでした。
チャンドラーは「ローウェルじゃなくて、もっとイケメンな経理部のブライアンくらいのレベルがいい」と見栄を張ります。
そしてシェリーに「ブライアンはあなたには高嶺の花よ(out of your league)」とあっさり切り捨てられるオチ。
性的指向の誤解という本筋を差し置いて、プライドの攻防に走ってしまうチャンドラーの自意識過剰ぶりが、見事な笑いを生んでいます。
しかもこのエピソードの後半、チャンドラーが実際にローウェルと話す場面では、ローウェルからも「And way out of your league.」と言われてしまうのです。二重のオチがたまりません。
「set someone up」の意味とニュアンス
set someone up (with someone)
意味:(人に)デートの相手を紹介する、お膳立てをする
「set up」には「準備する、設定する」など多くの意味がありますが、人間関係、特に恋愛の文脈で使うと「デートの相手を紹介する、仲を取り持つ」という意味になります。
単なる仕事上の紹介や友人としての顔合わせではなく、恋愛関係に発展することを期待して「お膳立てする」という明確な意図が含まれた表現です。
【ここがポイント!】
「set someone up」には、ただ「紹介する」以上の意味が隠れています。
このフレーズを使った時点で、「あわよくば二人をくっつけたい」というロマンチックな企みがあることが暗に伝わります。
また、このシーンに登場する「out of your league(あなたには高嶺の花)」は、set upの話題でよくセットで使われる表現です。
「紹介してもらったけど、相手は自分には不釣り合いだった」という流れは、英語圏のコメディではお馴染みのパターン。一緒に覚えておくと、ドラマの笑いどころがより深く理解できるようになります。
実際に使ってみよう!
Are you trying to set me up with him? Please don’t.
(彼と私をくっつけようとしてる? お願いだからやめて。)
おせっかいな友人に対して、やんわりストップをかける場面です。set upの「恋愛的な意図」がしっかり伝わるフレーズです。
My coworker set me up on a blind date, but it was a total disaster.
(同僚がブラインドデートをセッティングしてくれたんだけど、大惨事だったよ。)
紹介デートの失敗談を語るときの定番表現。set upとblind dateはセットで覚えると便利です。
I think Sarah and John would be perfect together. We should set them up.
(サラとジョンって絶対お似合いだと思う。私たちがセッティングしようよ。)
友人同士の恋のキューピッドになりたいとき、まさにこの表現がぴったりです。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
レストランのテーブルに、キャンドルやお花を綺麗に「配置(set up)」して、ロマンチックな舞台を整えている様子をイメージしてみてください。
そこに友人二人を座らせて「さあ、どうぞ」とお膳立てする感覚。
この映像が頭に浮かべば、「set someone up=恋愛のお膳立てをする」というニュアンスがスッと定着するはずです。
チャンドラーが「set me upするなら、もっとイケメンにしてよ」と見栄を張って返り討ちにあうあの場面もセットで思い出すと、フレーズが笑いとともに記憶に焼きつきます。
似た表現・関連表現
introduce
(紹介する)
恋愛に限らず、ビジネスや日常のあらゆる場面で使えるフラットな表現です。set upのような「ロマンチックな意図」は含まれません。「Let me introduce you to my colleague.」のように、初対面の人同士を引き合わせる場面で広く使われます。
matchmake
(仲人をする、縁結びをする)
set upよりも本格的で意図的なニュアンスがあります。「Stop matchmaking!(おせっかい焼くのやめて!)」のように、必要以上に恋愛の世話を焼く人を指すときにも使えます。
blind date
(初対面でのデート)
誰かにset upされた結果として行くデートのこと。「I was set up on a blind date.」は、紹介デートの馴れ初めを語るときの定番フレーズです。
深掘り知識:欧米の「set up」文化
欧米の恋愛文化において、友人や同僚から誰かを「set up」されるのは非常に一般的な出会いのきっかけです。
「I was set up by a friend.(友達に紹介されたんだ)」というフレーズは、恋愛の馴れ初めを語るときの定番中の定番。
マッチングアプリが普及した現在でも、信頼できる友人からの紹介は根強い人気があります。
ドラマや映画でも「set up」のシーンはお約束です。
うまくいく場合もあれば、チャンドラーのように大きくハズれる場合もあり、そのどちらもが良い「ネタ」になります。
ちなみに、このエピソードでは「out of your league(高嶺の花)」がシェリーとローウェルの両方から飛び出す二段構えのオチになっています。
set upの話題で「out of your league」が出てきたら、「ああ、紹介されたけどレベルが合わなかったパターンだな」と察することができるようになるはずです。
まとめ|恋愛トークに欠かせないフレーズ
set someone up は、「デートの相手を紹介する、お膳立てをする」という意味の、恋愛の話題で欠かせないフレーズです。
単なる「紹介」ではなく、「二人をくっつけたい」というロマンチックな意図が込められているのがポイント。
友達同士の恋バナから、ドラマのワンシーンまで、このフレーズが聞こえてきたら「あ、誰かが恋のキューピッドをやろうとしてるな」と察することができます。
チャンドラーが「もし紹介してくれるなら、もっとイケメンにしてよ」と見栄を張り、シェリーにもローウェルにも「out of your league」と返されてしまうあのオチ。
恋愛表現としても、笑いのネタとしても、一度覚えたら手放せなくなるフレーズです。

