海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン1第15話では、チャンドラーが昇進の話をきっかけに、5年勤めた会社を辞めてしまいます。自分は本当は何の仕事がしたいのか、仲間に話しながら答えを探し始めます。
将来の自分の姿を語る英語には、see myself と picture myself という似た言い方があります。辞めた理由の説明から、シェフの誘いへの返事、検査のあとの嘆きまで、順に見ていきます。
「This was supposed to be ~」で、予定とのずれを言う
カフェのセントラルパークに集まった仲間の前で、チャンドラーは昇進の話を受けずに会社を辞めたと打ち明けます。理由を聞かれた彼の答えと、モニカの返しがこちらです。
Chandler: This was supposed to be a temp job.
(これは臨時の仕事のはずだったんだよ。)
Monica: Chandler, you’ve been there for five years.
(チャンドラー、もう5年もいるじゃない。)
Chandler: But if I took this promotion it’d be like admitting that this is what I actually do.
(でも、この昇進を受けたら、これが俺の本当の仕事だって認めるようなもんだろ。)
Friends Season1 Episode15(The One with the Stoned Guy)
This was supposed to be ~ は「本当は〜のはずだった」と、当初の予定と今の現実がずれていることを言う形です。be supposed to を過去形にすることで、前提が崩れたことを示します。temp job は temporary job を縮めた口語で、期間の決まった一時的な仕事を指します。モニカの you’ve been there for five years は、現在完了で「今まで5年続いている」という期間を突きつける返しです。
チャンドラーの it’d be like admitting that ~ は「〜だと認めるようなものだ」という意味です。it’d は it would の短縮で、昇進を受けた場合の仮定を表しています。続く this is what I actually do の actually が、「実際の自分の仕事はこれだ」という現実の側を強めています。
このあと、ジョーイにこれからどうするのかと聞かれ、チャンドラーはこう答えます。
Chandler: I don’t know what I want to do, I just know I won’t figure it out working there.
(やりたいことは分からない。ただ、あそこで働いてたら答えは出ないってことだけは分かってる。)
Friends Season1 Episode15(The One with the Stoned Guy)
I don’t know what I want to do は、将来の仕事を決めかねているときにそのまま使える形です。what I want to do がひとまとまりの名詞として know の目的語になっています。figure it out は「考えて答えを見つけ出す」という句動詞で、working there と組み合わせて、今の職場にいる限り答えは出ないという考えを伝えています。
「see myself」で、その姿の自分が想像できないと伝える
フィービーは、マッサージの客がレストランを開いてシェフを探していると、チャンドラーに話を持ちかけます。意見を聞かれた彼の返事がこちらです。
Phoebe: So what do you think?
(で、どう思う?)
Chandler: Thanks, Pheeb. I just don’t really see myself in a big white hat.
(ありがとな、フィーブ。でも、でかい白い帽子をかぶった自分がどうも想像できないんだよ。)
Friends Season1 Episode15(The One with the Stoned Guy)
see myself ~ は「自分が〜になっているところを想像する」という意味で、ここでは in a big white hat(大きな白い帽子をかぶった姿で)と組み合わさっています。大きな白い帽子は料理人の帽子を思わせる言い方で、シェフとして働く自分の姿が思い浮かばない、と伝えています。
否定の I just don’t really see myself ~ は、「その仕事は嫌だ」と言い切るのではなく、「自分がそうなっている姿が浮かばない」と、自分の側の感覚として断る組み立てです。just と really が入ることで、きっぱりした拒否よりもやわらかい響きになります。最初に Thanks, Pheeb. と、持ちかけてくれたことへの礼を言ってから断っている順序もこの返事の特徴です。
なお see oneself as ~ になると「自分を〜だと思う」という意味になり、I don’t see myself as a leader.(自分がリーダー向きだとは思わない)のように使われます。仕事選びの話なら、I can’t see myself working in an office all day.(一日中オフィスで働いている自分は想像できない)のように言い換えられます。
「pictured myself」で、思い描いてきた自分を語る
キャリアカウンセラーとの約束に出かけたチャンドラーは、8時間半におよぶ適性検査や性格検査を受けて、モニカとレイチェルの部屋に戻ってきます。結果は、大きな会社でのデータ処理の仕事が向いている、というものでした。
Chandler: Can you believe it?
(信じられるか?)
Chandler: Don’t I seem like somebody who should be doing something really cool?
(俺って、すごくかっこいいことをやってるべき人間に見えないか?)
Chandler: I just always pictured myself doing something…
(ずっと、何かをやってる自分を思い描いてたんだよ……)
Chandler: Something.
(何かをさ。)
Friends Season1 Episode15(The One with the Stoned Guy)
picture myself doing ~ の picture は動詞で「頭の中に思い描く」という意味です。always と過去形の pictured が組み合わさり、「これまでずっと思い描いてきた」という時間の幅が加わっています。言いかけた something のあとに続きが出ず、もう一度 Something. で終わるところに、思い描く中身がまだ定まっていないことが表れています。
手前の Don’t I seem like somebody who should be ~? は否定疑問の形で、「〜な人に見えない?」と相手に同意を求める問いです。
see myself と picture myself は、どちらも自分の姿を想像する点で重なります。作中では、see myself は持ちかけられた仕事が自分に合うかを判断する場面で否定形として使われ、picture myself は以前から抱いてきた自分の姿を語る場面で使われています。目の前の選択肢に対する感覚なら see、温めてきた理想を語るなら picture、という使い分けの目安になります。
まとめ|see myself と picture myself で将来の自分を語る
This was supposed to be ~ で予定とのずれを、I don’t know what I want to do で迷いを、see myself と picture myself で思い描く自分の姿を言い表す流れを見てきました。仕事選びの話を英語でするときの足がかりになります。
チャンドラーの迷いを追いながら『フレンズ』を観直すと、仕事をめぐる英語がより身近に感じられます。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、条件を上げて頼まれたときの返し方なども取り上げています。


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