「I, however, thought the turkey tasted fine.」に見る、相手の記憶に「でも私は」と穏やかに異を唱える言い方|『CHUCK』S04E10で学ぶ英会話

『CHUCK』コラム: 「I, however, thought the turkey tasted fine.」に見る、相手の記憶に「でも私は」と穏やかに異を唱える言い方|『CHUCK』S04E10で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、『CHUCK』シーズン4 第10話に登場する、相手の記憶にいったん同意してから穏やかに異を唱える言い方です。埋め合わせの感謝祭ディナーの席で、姉のエリーが母メアリーの来訪に驚きを口にし、母が語る昔の思い出に、エリー自身の記憶をそっと言い添える場面が描かれています。

驚きの言葉から、昔を思い出す具体的な語り方、そして穏やかに異を唱える言い方まで、順番に見ていきます。

目次

驚きを言葉にしつつ、具体的な年や年齢を添えて昔を思い出す言い方

埋め合わせの感謝祭ディナーの席には、母メアリーの姿もあります。

Ellie: Well, this has been quite the surprise. I can’t remember the last time we had you here for Thanksgiving, Mom.
(あら、これは本当に驚きだわ。ここで感謝祭を一緒に過ごすなんて、最後がいつだったか思い出せないくらい。お母さん。)

CHUCK Season4 Episode10 (Chuck Versus the Leftovers)

this has been quite the surprise という言い方は、目の前で起きていること全体を「驚き」という一語でまとめて評価する表現です。続く I can’t remember the last time ~ は「最後に〜したのがいつだったか思い出せない」と、直接的な表現を避けながら久しぶりであることを伝える言い回しです。驚きをそのまま口にするのではなく、記憶のあいまいさという形で間接的に表す、控えめな伝え方と言えます。

驚きの言葉を受けて、メアリーは具体的な思い出を語り始めます。

Mary: It was 1990. You were 12… Chuck was 9. The turkey was overcooked.
(1990年だったわね。あなたは12歳…チャックは9歳。七面鳥は焼きすぎだった。)

CHUCK Season4 Episode10 (Chuck Versus the Leftovers)

西暦の年、そして当時の年齢を一人ずつ具体的に添えていく語り方です。You were 12… Chuck was 9. のように、間を取りながら一人ずつ数字を並べる言い方には、記憶をたどりながら話している様子がそのまま表れています。最後に The turkey was overcooked. と、料理の出来という具体的な事実で締めくくっているのも特徴です。

抽象的な「懐かしい」という感想ではなく、年・年齢・料理の状態という具体的な情報の積み重ねで、当時の記憶を語っていることが伝わってきます。

相手の話にいったん同意してから、「でも私は」と穏やかに異を唱える言い方

母の記憶を受けて、エリーはまず同意を示します。

Ellie: Heh, heh. That’s right. That’s right. I remember that. I, however, thought the turkey tasted fine.
(ふふ、そうだったわね。そうそう、覚えてる。でも私は、七面鳥の味はちゃんとおいしかったと思っていたのよ。)

CHUCK Season4 Episode10 (Chuck Versus the Leftovers)

That’s right. を二度繰り返し、I remember that. と続けることで、まず母の記憶に全面的に同意する姿勢を示しています。ところがそのすぐ後に I, however, thought the turkey tasted fine. と続け、味の感想については自分の記憶が違うことをやんわり言い添えます。

however を主語のすぐ後ろに置くこの語順は、相手の話を否定するのではなく、あくまで「自分はこう思っていた」という一人称の受け止めとして差し出す柔らかい異論の切り出し方です。

I thought ~ という過去形の言い切りも、今の自分の判断ではなく、あの時そう感じていたという記憶として提示している点で、対立を避ける言い方になっています。

同意と異論を同じ一続きの言葉の中に収めているところに、穏やかなやり取りの呼吸が表れています。that’s right を二度重ねる繰り返しも、相手の記憶を軽んじていないという合図として働いています。母が語った「焼きすぎだった」という評価と、娘が思い出す「おいしかった」という評価は正反対でありながら、言葉の運び方だけを見ると、ぶつかり合う響きはどこにもありません。

まとめ|同意しつつ、静かに自分の記憶を言い添える言い方

再会の驚きを言葉にする言い方、年や年齢を添えて昔を語る言い方、そして相手の話に同意してから「でも私は」と異を唱える言い方まで見てきました。真っ向から否定せず、自分の記憶をそっと重ねる選び方が見えてきます。

『CHUCK』の食卓の会話には、こうした細やかな呼吸がまだまだ隠れています。

感謝祭の食卓を彩った表現は、同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体がより立体的に見えてきます。

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