海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン2第3話では、階下の住人の若いころの話に自分を重ねたチャンドラーが、自分もずっとひとりのままなのではと不安を口にするようになります。仲間たちはその言葉を受け止めながら、言い方を変えて彼を励まします。
落ち込んだ相手の自己評価をそのまま肯定も否定もせず、どう言い直すか。不安の言い表し方と、それに返す一言を、3つの場面から見ていきます。
「my last chance」と「safety net」で不安を言い表す
チャンドラーは、以前付き合っていたジャニスに電話をかけます。カフェのセントラルパークでそれを話すと、仲間たちは驚きます。
Phoebe: Janice? You called Janice?
(ジャニス?ジャニスに電話したの?)
Chandler: Yes, Janice. Why is that
(そうだよ、ジャニスだ。なんでそれが)
Chandler: So difficult for you to comprehend?
(そんなに理解しにくいんだ?)
Ross: You remember Janice, right?
(ジャニスのこと、覚えてるよな?)
Chandler: Yes. She was smart, she was pretty and she honestly cared about me.
(ああ。頭がよくて、きれいで、本気で俺のことを気にかけてくれてた。)
Chandler: Janice is my last chance to have somebody.
(ジャニスは、俺に誰かができる最後のチャンスなんだ。)
Friends Season2 Episode3(The One Where Heckles Dies)
Why is that so difficult for you to comprehend? は「なんでそれが分からないんだ?」と、驚く相手に少し開き直って言い返す形です。comprehend は understand より硬い語で、あえて大げさに聞こえる言い方を選んでいます。my last chance to ~ は「〜できる最後のチャンス」で、ここでは「誰かと一緒にいられる最後の機会」という意味で使われます。
その前の she honestly cared about me の honestly は「正直に言うと」ではなく「心から、本当に」の意味で、相手の気持ちが本物だったことを強める語です。
ところが、店に現れたジャニスは結婚したことを告げます。その後、モニカとレイチェルの部屋に来たチャンドラーはこう言います。
Chandler: Janice was my safety net, okay?
(ジャニスは俺の保険だったんだよ、いいか?)
Chandler: And now I have to get a snake.
(だから今度は蛇を飼わなきゃならない。)
Phoebe: Uh-huh. Why is that?
(うんうん。それはどうして?)
Friends Season2 Episode3(The One Where Heckles Dies)
safety net はもともとサーカスなどで落ちたときに受け止める網のことで、比喩として「いざというときの頼み」「保険」の意味で使われます。チャンドラーは、年を取ってひとりになるなら目印になるものが要る、と蛇の話を続けます。フィービーの Why is that? は「それはどうして?」と、相手の話を促す短い問いです。
「In a bad way?」と「in a wonderful way」で言い直す
チャンドラーが自分のふるまいを並べると、レイチェルは「ほかの人たちと変わらない」と言います。そこでモニカが言い直します。
Monica: Wait a minute. Yes, he is.
(ちょっと待って。違うわ、彼は違う。)
Monica: Yeah. You are totally different.
(そう。あなたは全然違うのよ。)
Chandler: In a bad way?
(悪い意味で?)
Monica: No, honey, in a wonderful way. You know what you want now.
(ううん、すてきな意味でよ。今のあなたは、自分が何を求めてるか分かってる。)
Friends Season2 Episode3(The One Where Heckles Dies)
Wait a minute. は、直前の流れをいったん止めて言い直すときの前置きです。レイチェルの「変わらない」を受けた Yes, he is. は「いいえ、違う」という意味で、否定文に反論するときは英語では yes を使う点に注意が要ります。
「違う」と言われたチャンドラーは、すぐに In a bad way? と聞き返します。different には良い意味も悪い意味もあるため、どちらなのかを確かめる一言です。モニカは in a wonderful way と答え、悪い意味ではないことをはっきりさせます。in a good way / in a bad way は、「いい意味で」「悪い意味で」を添えたいときにそのまま使える形です。続く You know what you want now. は、相手の変化を具体的に言葉にして認める一言です。
「That’s how much ~」と「make a commitment」
仲間たちは、チャンドラーの行動そのものを取り上げて励まします。
Phoebe: Chandler, you called Janice.
(チャンドラー、ジャニスに電話したじゃない。)
Phoebe: That’s how much you wanted to be
(それくらい、誰かと)
Phoebe: With someone.
(一緒にいたかったってことよ。)
Monica: You’ve made it.
(ここまで来たのよ。)
Phoebe: You’re there.
(もう着いてるの。)
Rachel: You are ready to make a commitment.
(真剣な関係を持つ準備ができてるのよ。)
Chandler: Whoa! Don’t know about that.
(おっと!それはどうかな。)
Friends Season2 Episode3(The One Where Heckles Dies)
That’s how much ~. は「それほど〜だったということ」と、相手の行動から気持ちの大きさを示す言い方です。仲間が驚いたジャニスへの電話を、「それほど誰かと一緒にいたかった」という前向きな意味に読み替えています。You’ve made it. と You’re there. は、目的地に着いたことを表す言い方を、気持ちの成長に当てはめた励ましです。
レイチェルの make a commitment は「(関係に)真剣に向き合う、責任を持つ」という意味です。名詞の commitment は「約束、関わり」を表し、恋愛の話題では長く続く真剣な関係を指すことが多い語です。そこまで言われると、チャンドラーは Don’t know about that. と引きます。I don’t know about that. の I が落ちた形で、「それはどうかな」と相手の言葉を軽くかわすときの返し方です。このあと、チャンドラーは翌日の夜にデートの予定があると仲間に話します。
まとめ|不安を受け止めて言い直す英語
不安を言う my last chance と safety net、意味を確かめる In a bad way? と in a wonderful way、行動から気持ちを示す That’s how much ~、かわす Don’t know about that を見てきました。落ち込む相手への返し方の幅が広がります。
仲間たちの励まし方を思い出しつつ、この先の『フレンズ』も観ていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の英語がつながって見えてきます。


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