海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン2第13話では、ロスがかつて飼っていた猿のマルセルが映画に出演していて、ロスはマルセルと数時間一緒に過ごせることになります。そのためにジョーイとの約束を取り消し、今度は自分が予定を取り消される側に回ります。
予定の変更は、伝える側も受ける側も言葉選びに気をつかう場面です。キャンセルの切り出し方、取り消されたときの返し方、誘いの断り方を、3つの場面から見ていきます。
予定のキャンセルを切り出し、日を改める
カフェのセントラルパークに入ってきたロスは、ジョーイにこう切り出します。
Ross: Joey, I have to cancel racquetball for tonight. That was Marcel’s trainer. I can have him for a couple of hours.
(ジョーイ、今夜のラケットボールはキャンセルしなきゃならないんだ。今のはマルセルのトレーナーだった。数時間、マルセルと一緒にいられるんだよ。)
Joey: You’re blowing me off for a monkey?
(猿のために俺との約束をすっぽかすのかよ?)
Ross: We can reschedule for Saturday.
(土曜日に変えればいいだろ。)
Friends Season2 Episode13(The One After the Superbowl (Part 2))
ロスの切り出しは、I have to cancel ~ for tonight. で「今夜の〜をキャンセルしなきゃいけない」と結論から入る形です。have to を使うことで、自分の都合で取りやめるというより「そうせざるを得ない」という響きになります。続けて That was ~. で「今のは〜だった」と事情を添え、最後に理由を述べています。結論、事情、理由の順に並べると、断られる側にも話の筋が追いやすくなります。
I can have him for a couple of hours. の have は「(人や動物を)手元に置く、一緒に過ごす」という意味で使われています。a couple of hours は「2〜3時間」程度を指す言い方です。
ジョーイの blow ~ off は「〜との約束をすっぽかす」という意味の句動詞で、相手の都合を責める響きがあります。この表現は同じエピソードのフレーズ記事でも取り上げています。
それに対するロスの We can reschedule for Saturday. は、「土曜日に変更すればいい」と代わりの日を出す提案です。reschedule は schedule に「再び」の re が付いた語で、予定を立て直すことを表します。キャンセルの直後に別の日を示すと、約束そのものをなくすつもりはないと伝えられます。
「Are you on your way over?」から始まる、キャンセルの電話への返し
場面は変わってロスの部屋です。マルセルを迎える準備をしているところに電話が鳴り、ロスが受けます。
Ross: Oh, hi. Are you on your way over?
(ああ、やあ。今こっちに向かってるところ?)
Ross: No, no, no. I understand. A monkey’s got to work.
(いや、いや、いや。分かるよ。猿だって仕事しなきゃな。)
Ross: No, it’s no big deal. It’s not like I had anything special planned.
(いや、たいしたことじゃないって。特別な予定があったわけでもないし。)
Friends Season2 Episode13(The One After the Superbowl (Part 2))
Are you on your way over? は「今こっちに向かってる?」と相手の状況を確かめる質問です。on one’s way は「途中で」、over は「こちらへ」を表し、来る予定の相手にかける一言として使えます。
電話の相手の声は聞こえませんが、ロスの返事からは、予定が取りやめになったことが分かります。I understand. は「分かった、事情はのみ込めた」と相手の都合を受け入れる返事です。A monkey’s got to work. は「〜だって仕事しなきゃ」という言い回しの主語を猿にしたもので、ここにおかしさがあります。
It’s no big deal. は「たいしたことじゃない」と、相手の申し訳なさを軽くする返事になります。さらに It’s not like I had anything special planned. の it’s not like ~ は「〜というわけじゃない」と打ち消す形で、「特別な予定があったわけでもないし」と付け加えています。どちらも、取り消した側が気に病まないように、受ける側が先回りして言う返し方です。電話を切るまで、ロスの口から相手を責める言葉は出てきません。
「お別れを言いたいなら」という誘いを断る
カフェのセントラルパークに入ってきたジョーイが、ロスにマルセルのことを伝えます。
Joey: Marcel just finished his last scene if you want to say good-bye.
(マルセルが最後のシーンを撮り終えたぞ、お別れを言いたいなら。)
Ross: Uh… no, that’s okay. He’s probably got parties to go to and stuff.
(あー……いや、いいよ。あいつはたぶんパーティーとかに行く予定があるだろうし。)
Friends Season2 Episode13(The One After the Superbowl (Part 2))
ジョーイの if you want to ~ は、「〜したいなら」と条件の形で誘っています。「行こう」と押すのではなく、行くかどうかを相手に任せる響きになります。
ロスの No, that’s okay. は、「いや、いいよ」と誘いを断るときに使われることの多い返事です。okay が入るので、強い拒否ではなく「気持ちだけで十分」というやわらかさが出ます。断ったあとに He’s probably got ~ to go to and stuff. と、相手の事情を推測して理由を添えています。probably で推測であることを示し、and stuff で「〜とか」とぼかしているので、断る理由が角の立たない形になっています。
キャンセルを伝えるときも、誘いを断るときも、ロスは理由や代案を一言添えています。同じ「行けない」「行かない」でも、この一言があると相手が受け止めやすくなります。
まとめ|予定を変える・断るときの英語
I have to cancel と We can reschedule の切り出し、I understand と It’s no big deal の受け止め方、No, that’s okay の断り方を見てきました。言いにくい予定の話を、相手に負担をかけずに伝える型がそろいます。
マルセルをめぐるロスの一日を思い出しながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の英語がより立体的に見えてきます。


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