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『フレンズ』シーズン2第13話では、カフェのセントラルパークに入ってきたチャンドラーが、ステーキの焼き上がりにたとえた一言を口にします。それを聞いたフィービーとのやりとりから、done という語の意味の幅が見えてきます。
「I am done」と「I’m almost done」は、almost が入るかどうかの違いしかありません。それでも場面によって指すものは大きく変わります。3つの場面から順に確かめていきます。
「Stick a fork in me. I am done.」焼き上がりのたとえ
仲間が集まっているカフェに入ってきたチャンドラーは、開口一番こう言います。
Chandler: Hey, stick a fork in me. I am done.
(よう、俺にフォークを刺してくれ。もう出来上がりだ。)
Phoebe: Stick a fork what?
(フォークを刺す、何?)
Chandler: Like when you’re cooking a steak.
(ほら、ステーキを焼くときみたいにさ。)
Friends Season2 Episode13(The One After the Superbowl (Part 2))
stick a fork in ~ は「〜にフォークを刺す」です。料理に火が通ったかどうかを、フォークを刺して確かめる動作が下敷きになっています。そこから Stick a fork in me. I’m done. は、自分を料理に見立てて「もう出来上がった」「もうおしまいだ」と言う言い回しとして使われます。一般には、疲れ切ったときや、もう限界だというときに使われることが多いとされています。
チャンドラーはこのあと、理想の女性に出会ったと話し始めます。この流れから読むと、ここでの I am done は「もうこれで決まり」「探すのは終わり」といった意味合いで使われていると読み取れます。I’m と縮めずに I am と言い切っているところにも、宣言らしい響きがあります。
フィービーの Stick a fork what? は、聞き取れた部分をそのまま繰り返し、分からないところを what に置き換えて聞き返す形です。相手の言葉の一部が分からないときに、どこが分からないのかをはっきり伝えられます。チャンドラーは Like when you’re cooking a steak. と、like を「〜みたいに」の意味で使って、たとえの元を説明しています。
「How do you know when vegetables are done?」料理の done
ところが、ステーキのたとえはフィービーには通じません。
Phoebe: Oh. Okay. I don’t eat meat.
(ああ。そう。私、お肉は食べないの。)
Chandler: Well, then, how do you know when vegetables are done?
(じゃあさ、野菜に火が通ったかはどうやって分かるんだ?)
Phoebe: You don’t. You just eat them and you can tell.
(分からないのよ。ただ食べてみれば分かるの。)
Friends Season2 Episode13(The One After the Superbowl (Part 2))
フィービーの I don’t eat meat. は、「肉は食べない」と自分の食習慣を伝える言い方です。肉を食べないので、ステーキのたとえがぴんとこない、という返しになっています。
そこでチャンドラーは、たとえを野菜に置き換えて聞き直します。how do you know when ~? は「〜かどうか、どうやって分かるの?」と判断の手がかりを尋ねる形です。ここでの done は「火が通った」「調理が済んだ」という意味で、料理の場面での基本的な使い方です。ステーキの焼き加減を表す well-done にも、同じ done が入っています。
フィービーの答えの You don’t. は、直前の how do you know を受けて「分からないのよ」と返したものです。ここでの you は目の前の相手ではなく、一般の人を指しています。続く you can tell の tell は「話す」ではなく「見分けがつく」「分かる」という意味です。チャンドラーがたとえの説明を求めたのに、料理の手順の話に戻ってしまう。このかみ合わなさが、二人のやりとりのおかしさになっています。
「Can I have the milk after you?」と「もうすぐ使い終わる」
別の場面で、カフェにいるチャンドラーとフィービーの間で、done が今度は別の意味で使われます。
Chandler: Hey, Pheebs, can I have the milk after you?
(なあ、フィーブス、そのあとミルクもらえる?)
Phoebe: I’m almost done.
(もうすぐ使い終わるから。)
Friends Season2 Episode13(The One After the Superbowl (Part 2))
Can I have ~ after you? は「あなたのあとで〜を使ってもいい?」と、順番を頼むときの言い方です。after you を添えるだけで、今使っている人を急かさずに次を予約できます。
フィービーの I’m almost done. の done は「(使い)終わった」という意味です。almost が入ることで「まだ途中だけれど、もうすぐ」という状態を表しています。チャンドラーの I am done が「完了」を言い切るのに対し、こちらは完了の手前にいることを伝える形です。
反対に、使い終わったことを伝えるなら almost を外して I’m done. と言えば足ります。同じ形で Are you done? と聞けば、「もう使い終わった?」「もう済んだ?」と相手の状況を確かめる問いになります。順番を待つ側と使っている側の、どちらの立場でも使える組み合わせです。
この回に出てきた done を並べると、次のようになります。
| 英文 | 作中での意味 |
|---|---|
| I am done. | もう出来上がった・これでおしまい |
| vegetables are done | 野菜に火が通った |
| I’m almost done. | もうすぐ使い終わる |
どれも「やるべきことが済んだ状態」を表す点は共通しています。何が済んだのかは、主語と場面から読み取ることになります。
まとめ|done の意味は場面で決まる
Stick a fork in me. I am done のたとえ、料理の done、使い終わりの I’m almost done を見てきました。done は「済んだ状態」を表す語で、主語と場面を手がかりにすると意味の違いがつかめます。
チャンドラーとフィービーのかみ合わない会話を思い出しながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
この回の別の場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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