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今回は『ホワイトカラー』シーズン3 第2話から、ニールから遺言書に隠された謎解きに誘われたピーターが、気になって仕方がないのに「行けない」と繰り返す場面を取り上げます。後半では、夫の本音を見抜いたエリザベスが、短い一言でピーターの背中を押します。
建前を置く断り方、否定疑問への答え方、本音を言い当てる誘い方の順に、場面を追って見ていきます。
「Of course I am, but」と、否定疑問文への「Yes」
ローランド家の兄弟とのやり取りのあと、ピーターが証拠品として登録して弁護士に返すと告げると、ニールが謎解きを続けたい気持ちをぶつけます。
Neal: Mm-hmm, you’re not even a little bit curious about solving this puzzle?
(ふうん、この謎解きが少しも気にならないの?)
Peter: Of course I am, but, you know, the assistant director hasn’t authorized an FBI treasure-hunting unit.
(気になるに決まってるさ。でもな、副局長はFBIの宝探し班なんて認めてないんだ。)White Collar Season3 Episode2 (Where There’s a Will)
ニールの not even a little bit は「ほんの少しも〜ない」と否定を強める言い方で、「本当は気になっているはず」という誘いの圧が込められています。ピーターの Of course I am, but は、本音を先に認めてから but で建前を置く形です。I am は I am curious の curious を省いたもので、問いの形容詞をそのまま受けています。
ニールが日時計を見に公園へ寄ろうと持ちかけると、ピーターはエリザベスとの昼食を理由に断り、見に行くのは構わないと許可を出します。
Peter: I can’t. I have lunch with El. But you can take a look.
(無理だ。エルと昼食なんだ。でも、君が見てくる分には構わない。)
Neal: You don’t want to come?
(一緒に来たくないの?)
Peter: Yes.
(行きたいさ。)
Neal: I could use your astronomical puzzling expertise.
(天文パズルに詳しい君の力を借りたいんだけどな。)White Collar Season3 Episode2 (Where There’s a Will)
注目したいのは、You don’t want to come? という否定の形の問いに、ピーターが Yes. と答えている点です。英語では、問いが肯定か否定かではなく、答えの中身が肯定なら Yes、否定なら No を使います。ここでの Yes は「来たい」という意味で、日本語なら「いいえ、行きたい」と答えるところです。I could use ~ は「〜があるとありがたい」という控えめな頼み方で、ニールはピーターの得意分野を持ち出して、もう一押しを加えています。
三度の「I can’t」と、本音を見抜く「Do you want to ~?」
誘いを重ねられたピーターは、同じ言葉を繰り返して自分を押しとどめます。
Peter: No, I can’t. I can’t. I can’t. El had an interview this morning.
(いや、無理だ。無理なんだ。無理だって。エルが今朝、面接を受けたんだ。)White Collar Season3 Episode2 (Where There’s a Will)
I can’t の繰り返しは、相手に向けた断りであると同時に、自分に言い聞かせる言葉として響きます。一度で済む断りを三度重ねることで、かえって行きたい気持ちの強さが浮かび上がる場面です。
その後のエリザベスとの場面で、ピーターはギャラリーの仕事の話を聞き、やってみるべきだと彼女の背中を押しています。ところがニールからメッセージが届くと、遺言書に描かれた花の意味をエリザベスがチューリップと春の象徴だと読み解き、ピーターは季節で日時計の影が変わること、鏡を使えば再現できることに気づきます。そのうえで、自分の言葉を打ち消します。
Peter: But that doesn’t matter. Doesn’t matter.
(でも、関係ない。関係ないんだ。)
Elizabeth: Honey.
(ハニー。)
Peter: What?
(なんだい?)
Elizabeth: Do you want to grab some mirrors and go play with Neal?
(鏡を持って、ニールと遊びに行きたいんでしょう?)
Peter: Yes!
(行きたい!)White Collar Season3 Episode2 (Where There’s a Will)
That doesn’t matter. は「それはどうでもいい」と話を打ち切る言い方ですが、ここでも二度繰り返され、打ち消しきれない気持ちがにじんでいます。エリザベスの Do you want to ~? は形の上では質問ですが、相手の本音を言い当てて許可を出す誘いとして働いています。grab は「さっと手に取る」という意味で、身軽に出かける様子を思わせます。短い Yes! の即答が、このやり取りの答えになっているのが面白いところです。
まとめ|打ち消すほど伝わる本音と、それを受け止める一言
建前を添える Of course I am, but、否定疑問への Yes、繰り返しの I can’t と That doesn’t matter、そして Do you want to ~? による後押しを見てきました。断る言葉が本音を映す場面だと分かります。
『ホワイトカラー』のピーター夫妻のやり取りを、これからも英語の目線で追いかけていきます。
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