海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン3 第2話の後半から、事件の容疑者ゲレスと向き合ったニールが、相手の自信を言葉だけで揺さぶっていく場面を中心に取り上げます。皮肉を重ね、最後は含みのある忠告で締める話し方に、英語らしい反語や一般論の使い方が詰まっています。
皮肉の型から、焦点をずらして含みを持たせる忠告の組み立てまで、やり取りの順に見ていきます。
「I’m sure ~」と「What could possibly ~?」を重ねる皮肉
捜査官たちが外に出されたあとも残ったニールが、容疑者のゲレスに声をかけます。
Neal: You all packed up and ready to go?
(もう荷造りを済ませて、出ていく準備は万端かい?)
Gelles: I’ll leave when I’m ready. You can’t touch me.
(出ていくのは俺の都合次第だ。お前らは手出しできない。)
Neal: Oh, yeah, I’m sure you’ve got it all under control. What could possibly go wrong?
(ああ、そうだろうね。全部思いどおりってわけだ。うまくいかないはずがないよね。)White Collar Season3 Episode2 (Where There’s a Will)
最初の You all packed up and ready to go? は、Are you all packed up の are が落ちた会話の形で、packed up は「荷造りを終えた」という意味です。立ち去る準備を先回りして口にすることで、相手の余裕を見透かしているという含みが生まれます。
続く I’m sure you’ve got it all under control. は、本来「きっと全部うまく管理できているね」という信頼の言葉です。have ~ under control は「〜を掌握している」の意味で、ここでは直前の Oh, yeah が付くことで、言葉どおりに受け取れない皮肉の響きになります。
そこに重ねるのが What could possibly go wrong? です。直訳は「いったい何がまずくなり得るだろう」で、possibly が「万が一にも」と可能性を強めています。形は疑問文でも答えを求めてはおらず、「何も問題ないはずだ」と言うふりをして、実はまずくなる余地があると匂わせる反語です。英語では、危なっかしい計画を聞いたときの冗談としてもよく使われます。
「A isn’t the hard part」と「You never know ~」で含みを持たせる忠告
遺言書は偽物で、本物の在りかも兄弟に遺された額も分からないとニールが告げると、ゲレスはローランドを知っていたと返します。そして1年前に金銭の悩みを打ち明けたとき、ローランドから言われた言葉を明かします。
Gelles: Make a plan. See it through. Advice taken.
(計画を立てて、やり遂げろ。その助言に従ったまでだ。)
Neal: The crime isn’t the hard part. Hard part’s getting away with it. You see, you never know how an investigation is gonna go… Or what little clues you might accidentally leave behind. I hope you’ve learned to sleep with one eye open.
(難しいのは犯行じゃない。難しいのは逃げ切ることさ。捜査がどう転ぶかなんて分からないし、うっかり小さな手がかりを残しているかもしれない。片目を開けて眠る習慣を身につけているといいね。)White Collar Season3 Episode2 (Where There’s a Will)
ゲレスの Advice taken. は Advice is taken の is を省いた短い形で、言われたとおりにしたという開き直りが伝わってきます。
ニールは The crime isn’t the hard part. と、まず犯行そのものは難所ではないと言い切り、次の文で本当の難所を示します。Hard part’s は The hard part is の The が落ち、is が縮まった形で、get away with ~ は「〜をしておいて、とがめを受けずに済む」という句動詞です。日常でも「遅刻して何も言われずに済んだ」ような場面で使われます。
you never know ~ は「〜は分からないものだ」と一般論の形を取る言い方で、名指しで脅すのではなく、先の見えなさを相手に意識させます。締めの I hope you’ve learned to sleep with one eye open. の sleep with one eye open は「片目を開けて眠る」、つまり用心を怠らないことを表す慣用句です。I hope ~ で相手を気づかうように見せながら、実際には「これから気の休まる時はない」と釘を刺しているように読み取れます。
まとめ|反語と一般論で相手の足元を揺らす
I’m sure ~ と What could possibly go wrong? の皮肉、焦点をずらす A isn’t the hard part、含みを持たせる you never know ~ と sleep with one eye open を見てきました。直接責めずに揺さぶる組み立てが分かります。
『ホワイトカラー』を観ながら、ニールの言葉の温度の変化も味わっていきましょう。
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