海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第18話のモニカは、この1年で付き合った相手が二人だけだと気づき、レイチェルに出会いの手助けを頼みます。やがて店の客ピートとデートに出かける場面では、迎えに来たピートを仲間たちも出迎えます。
頼みごとをする側の言い方と、盛り上がる友達を軽くかわす側の言い方は、どちらも短い文の組み合わせです。二つの場面の英語を順に見ていきます。
「He doesn’t do anything for me」紹介を頼んだのに、勧められた相手にピンとこないとき
モニカが働くダイナーで、昼食をとっているレイチェルに、モニカはこう切り出します。
Monica: You know what? I realized in the last year I’ve only gone out with Richard and Julio.
(ねえ、気づいたんだけど、この1年で付き合ったのはリチャードとフリオだけなの。)
Monica: You gotta help me out. Set me up. Get me back in the game.
(手を貸してよ。誰か紹介して。恋愛の世界に戻らせて。)
Friends Season3 Episode18(The One with the Hypnosis Tape)
You know what? は「ねえ、聞いて」と話を切り出す前置きで、そのあとに気づいたことが続きます。I realized ~ は「〜だと気づいた」で、モニカは1年をふり返り、名前の挙がる相手が二人だけだったことを話の入り口にします。
頼みの中心は、そのあとの三つの短い文です。You gotta help me out. の gotta は got to のくだけた書き方で、「手を貸してくれないと困る」という強さが加わります。help ~ out は「〜を助ける、手伝う」という句動詞で、困っているところを手伝ってもらうという含みで使われることの多い形です。
set ~ up には「準備する」「設置する」など複数の意味がありますが、恋愛の話題で人を目的語にとると「〜に相手を紹介する、お膳立てする」の意味になります。get ~ back in the game の game は、ここではスポーツの試合ではなく、出会いや恋愛の場をたとえた言い方です。「試合に戻る」という形を借りて、恋愛の場に戻りたいという気持ちを表しています。三つとも命令形で、短く区切って並べることで頼みが段階的に具体的になっていく組み立てです。
場面がモニカとレイチェルの部屋に移ると、レイチェルは客のピートと出かけるよう勧めます。ところが、頼んだはずのモニカの返事は次のとおりです。
Rachel: I think you should go out with this guy.
(あの人とデートしてみなよ。)
Monica: No, he doesn’t do anything for me.
(ううん、あの人にはピンとこないの。)
Friends Season3 Episode18(The One with the Hypnosis Tape)
do something for ~ は「〜の心を動かす、〜にとって魅力がある」という意味の、くだけた言い回しです。否定の doesn’t do anything for me にすると「私には何も響かない」となり、相手を悪く言わずに、自分の感じ方として気乗りしないことを伝えられます。
チャンドラーが部屋に来たあとも、レイチェルはもう一度こう勧めます。
Rachel: Okay, Mon. Let’s give Pete a chance. He was funny. He seems really nice.
(ねえモン、ピートにチャンスをあげようよ。面白かったし、すごくいい人そうだよ。)
Friends Season3 Episode18(The One with the Hypnosis Tape)
give ~ a chance は「〜に機会を与える」、人について言うと「(まだよく知らない相手と)一度会ってみる」という意味になります。主語を Let’s にして「一緒に試してみよう」と持ちかけている点が、命令形で頼んだモニカの言い方と対をなします。He seems really nice. の seem は「〜のように見える」で、会ったときの印象として人柄を伝える動詞です。
「And that’s why」と、はしゃぐ友達を理由に出かける
モニカがデートの支度をしている部屋には、レイチェルのほかに男性陣の姿もあります。ドアのブザーが鳴ると、レイチェルが声を上げます。
Rachel: Oh, my God! The millionaire’s here!
(うそ! 大金持ちが来た!)
Friends Season3 Episode18(The One with the Hypnosis Tape)
~’s here は「〜が来た、着いた」と到着を知らせる言い方で、来客を告げるときにも使われます。レイチェルはピートの名前ではなく the millionaire と呼んでいます。小切手の件をきっかけに、ピートが大金持ちだと分かったあとの場面です。
モニカは仲間に落ち着くよう頼んでから、ドアを開けてピートを迎えます。仲間がそれぞれピートにあいさつしたあと、ジョーイの口から出たのは次の質問でした。
Joey: Hey, how much cash you got in your pocket right now?
(なあ、今ポケットに現金いくら入ってる?)
Monica: And that’s why I’m not inviting you in for a drink. Bye.
(だから、あなたを部屋に入れて一杯、とはいかないの。じゃあね。)
Friends Season3 Episode18(The One with the Hypnosis Tape)
how much cash you got は、how much cash do you have の do を省いたくだけた形で、会話ではこうした省略が聞かれることがあります。right now は「今この瞬間に」と、時点をはっきりさせる言い方です。
モニカの that’s why ~ は「だから〜なのだ」と、直前の出来事を理由として示す形です。文頭の And で仲間の言動を受け、that’s why でそれを理由に指し、I’m not inviting you in で結論を言い切ります。invite ~ in は「〜を中に招き入れる」で、for a drink を足すと「一杯飲んでいってもらうために」という目的が加わります。I’m not inviting の現在進行形は、これからの予定を否定する用法です。最後の Bye. で会話を切り上げ、モニカはピートと出かけていきます。
まとめ|頼む英語とかわす英語
help me out、set me up、get me back in the game で恋愛の再開を頼み、give ~ a chance で勧め、that’s why で友達の言動を理由に話を切り上げる流れを見てきました。短い文の重ね方に目を向けると、頼みや断りの英語を組み立てる手がかりが増えます。
モニカと仲間たちのやりとりを観ていると、友達同士の気安い英語の距離感が見えてきます。
この回の別の場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で扱っています。


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