海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第7話では、ロスがレイチェルの父のドクター・グリーンと食事をし、ブランチでも顔を合わせます。ロスの冗談や言い直しは、ドクター・グリーンにはなかなか思うように届きません。
冗談がすべったときや、言ったことを取り違えられたときは、次の一言に迷いやすいものです。誤解を正す言い直し、冗談だったと伝える言い方、皮肉を受け流す取り持ち方を順に見ていきます。
「I mean, there are libraries」と言い直して誤解を正す
レストランの席に着くと、ドクター・グリーンはロスに仕事のことを尋ねます。ロスが働いているのは博物館ですが、ドクター・グリーンはそれを図書館と呼びます。
Dr. Green: How’s the library?
(図書館はどうだね?)
Ross: Uh, museum.
(あの、博物館です。)
Dr. Green: What happened to the library?
(図書館はどうなったんだ?)
Ross: There never was a library. I mean, there are libraries. Um… I’ve never worked at one.
(図書館なんて最初からなかったんです。いや、図書館はありますよ。その……俺がそこで働いたことがないだけで。)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
ロスの最初の返事 Uh, museum. は、相手の言葉の誤りを一語だけで直す返し方です。文にせず名詞だけを差し出して、短く訂正しています。
ドクター・グリーンの What happened to ~? は「〜はどうなったの?」と、あったはずのものの行方を聞く形です。ロスはこれに There never was a library. と答えます。never was は「一度もなかった」で、図書館の話はそもそも存在しなかったと言い切っています。
ところが、それだと「図書館というものが存在しない」とも取れてしまいます。そこでロスは I mean, をはさみ、there are libraries(図書館そのものはある)と言い直します。I mean は「つまり」「いや、そうじゃなくて」と、直前の自分の言葉を補ったり訂正したりするときに使われることの多い言い方です。最後に I’ve never worked at one. と、one で library を受けて言い終えています。
「Yeah, if you’re really hungry」と冗談がすべったとき
ドクター・グリーンは料理の話に移り、ロブスターをすすめます。
Dr. Green: You know what’s really good here? The lobster.
(ここで本当にうまいのは何だと思う? ロブスターだ。)
Dr. Green: Shall I just order three?
(3つ頼んでしまおうか?)
Ross: Yeah, if you’re really hungry.
(ええ、よっぽどお腹がすいてるなら。)
Ross: It was a jo… I made a joke.
(冗談で……冗談を言ったんです。)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
Shall I ~? は「〜しましょうか」と申し出る形で、ドクター・グリーンは3人分をまとめて頼もうかと聞いています。ロスの if you’re really hungry は「よほどお腹がすいているなら」という条件で、3つともドクター・グリーンが一人で食べるかのように受けた冗談です。
ロスはそのあとに It was a jo… と言いかけ、I made a joke. と言い直します。It was a joke. は「今のは冗談だった」と発言の性質を説明する言い方で、make a joke は「冗談を言う」です。どちらも、冗談が伝わらなかったときに自分から種明かしをする表現として使えます。
このあと、レイチェルがロスはロブスターにアレルギーがあると伝え、話がまた図書館のことに戻ると、次のやりとりになります。
Ross: It’s not a li…
(図書館じゃな……)
Dr. Green: I know. It’s a museum. You’re the only one who can make a joke?
(分かってる。博物館だろう。冗談を言えるのは自分だけだとでも?)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
ドクター・グリーンは make a joke をそのまま使って言い返します。You’re the only one who ~? は、肯定文の語順のまま「〜なのは自分だけだとでも?」と問い返す形です。ロスが使った表現が、今度は相手からの切り返しとして返ってきています。
「Thank you for teaching me a valuable lesson」と皮肉を受け流す
場面がブランチに移ります。前の晩、ロスは会計を全額払わされていました。ドクター・グリーンとロスのあいさつは、お礼の形をとります。
Dr. Green: Thanks for dinner last night.
(昨夜は夕食をごちそうさま。)
Ross: Thank you for teaching me a valuable lesson.
(大事な教訓を教えていただいて、ありがとうございました。)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
Thanks for ~. も Thank you for ~ing. も、感謝の対象を for のあとに置く基本の形です。ただ、ここでは二人とも本心からのお礼ではありません。ドクター・グリーンは払わせた夕食に礼を言い、ロスは teach someone a lesson(思い知らせる)を思わせる a valuable lesson で応じています。お礼の型を借りた皮肉の応酬です。
ドクター・グリーンがさらにロスの髪のことを口にすると、ロスはレイチェルに向かって限界だと訴えます。
Ross: Okay, that’s it. I can’t take it anymore.
(よし、もう無理だ。これ以上耐えられない。)
Rachel: What? He’s interested in you. He likes your hair and he just wants to know how you got here.
(何よ? 父はあなたに興味があるのよ。あなたの髪を気に入ってるし、ここまでどうやって来たのか知りたいだけよ。)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
That’s it. は「もうたくさんだ」と区切りをつける一言で、I can’t take it anymore. の take は「耐える」の意味です。レイチェルは He’s interested in you. と、父の言葉を「関心の表れ」へ言い換えて取り持ちます。皮肉を正面から否定せず、別の受け取り方を差し出しています。
まとめ|冗談が通じなかったときの英語
I mean で言い直し、It was a joke. I made a joke. で種明かしをし、Thanks for ~. の形を借りた皮肉や、気まずくなりそうな一言を He’s interested in you. のような言い換えで取り持つ流れを見てきました。冗談が届かなかったときも、次の一言で会話はつなげられます。
二人のやりとりを観ていると、冗談のあとの一言が会話の行方を左右することが見えてきます。
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