「make nice」の意味と使い方|『フレンズ』S03E07で学ぶ英会話

「make nice」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

気の合わない相手と同じ場に居合わせて、「本心はさておき、ここは愛想よくしておこう」と自分に言い聞かせる。そんな場面、ありますよね。

そんなときにぴったりの「make nice」を、『フレンズ』シーズン3第7話の中盤、レイチェルが父親とのブランチでうまく立ち回るようロスに頼み込むシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「make nice」の意味とニュアンス

make nice
意味:(表面上)仲良くする、愛想よくふるまう

make nice は、本心はどうあれ、その場は角を立てずに友好的にふるまうことを表す表現です。「心から打ち解ける」というより、「うわべを取り繕って愛想よくする」という、やや表面的なニュアンスを含むことが多い言い方です。

文法的には少し変わった形をしています。形容詞の nice を、まるで目的語のように make のあとに置く独特の口語表現です。make good や make merry と同じ「make+形容詞」の系譜に連なります。

気まずい相手と表面上うまくやるよう促すとき、あるいは子どもの喧嘩を仲裁して「仲良くしなさい」と言うときによく使われます。with をつけて make nice with someone とすると、「〜と愛想よくする」という形になります。

【ここがポイント!】

  • 核は「本心はさておき、その場は友好的にふるまう」といううわべの友好
  • 形容詞 nice を目的語のように使う、少し変わった口語表現
  • 心からの和解ではなく「取り繕い」の含みがある点を押さえるのがコツ

『フレンズ』S03E07のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レイチェルの父親との夕食が最悪の結果に終わった直後、レイチェルが「翌日のブランチでもう一度やり直そう」とロスに提案します。板挟みになった彼女が、なんとか二人の関係を取り持とうと必死になる場面です。

Rachel: Here’s the bottom line, Ross. I’ll invite him to brunch and you can make nice.
(肝心なのはここよ、ロス。ブランチに招くから、あなたは愛想よくして。)

Ross: Look, honey, I have tried to make nice. It doesn’t work.
(なあ、僕は愛想よくしようとしたよ。でもうまくいかないんだ。)

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シーン解説と心理考察

レイチェルの make nice には、切実な板挟みの心情が表れています。彼女にとって父親とロスの不仲は、「同じ部屋にいられない両親」に続く、二つ目の頭痛の種です。なんとしても関係を取り持ちたい。その必死さが、この一言の背景ににじみます。

make nice が「心から仲良くする」ではなく「その場を取り繕う」ニュアンスを持つことが、この場面をよく表しています。レイチェルも、二人が本当に打ち解けるのは難しいと分かっている。だからこそ「せめて表面上は穏やかに」と頼んでいるのです。

対するロスの「もう愛想よくしようとした、無理だ」という返しには、努力が報われなかった疲れがにじみます。取り繕うことすら難しい相手がいる。二人の温度差が、make nice という言葉を挟んで浮かび上がっています。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

make nice は、「よい雰囲気を、その場で作り出す」と分解して覚えるのがコツです。nice(よい状態)を make(作る)。心の底からではなくても、とりあえず場の空気を丸くこしらえる、という手作業のイメージです。

思い浮かべたいのは、喧嘩した子どもたちに親が Make nice! と声をかける場面です。子どもたちは渋々ながら握手をする。その「本心はさておき、形だけでも仲良く」という光景が、make nice の軽い取り繕いのニュアンスをそのまま伝えてくれます。レイチェルが父親とロスに向けた願いも、まさにこの「せめて形だけでも」でした。作り笑顔をこしらえる動作と結びつけておくと、意味ごと定着します。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「make nice」

make nice は、気まずい相手と表面上うまくやる場面で活躍します。3つの使い方を見ていきましょう。

I know you two don’t get along, but please make nice at the party.
(二人が合わないのは知ってるけど、パーティーでは仲良くしてね。)
気まずい二人に頼む場面です。このシーンとほぼ同じ、「本心はさておき、その場は愛想よく」というニュアンスで使われています。

He didn’t really mean it; he was just making nice with the boss.
(彼は本心じゃない。上司に愛想よくしてただけだ。)
うわべの追従を指摘する場面です。make nice with のあとに相手を置いて、「上司に取り入る」といった含みを出しています。

A: Are you still mad at your sister? B: No, we made nice over dinner.
(A:まだ妹に怒ってるの? B:ううん、夕食のときに仲直りしたよ。)
近況を尋ねる会話です。ここでは「ひとまず和やかに収めた」という、軽い仲直りの意味で使われています。

あわせて覚えたい関連表現

play nice
(お行儀よくする、仲良くする)
make nice とほぼ同義で、より口語的な表現です。特に子どもや揉めそうな相手に「仲良くしなさい」と注意する場面で使われ、make nice と同じく「取り繕い」の含みを持ちます。

bury the hatchet
(和解する、争いをやめる)
「斧を埋める」が語源の、本格的に仲直りする表現です。make nice が一時的にうわべを取り繕うのに対し、bury the hatchet は対立そのものに終止符を打つ、より深い和解を指します。

smooth things over
(事を丸く収める)
もめ事を収拾する行為全般を指す表現です。make nice が「愛想よくふるまう」態度に焦点を当てるのに対し、smooth things over は問題の火消しという行動そのものに重きを置きます。

Note|make nice / play nice / bury the hatchet の距離感

make nice を調べていくと、「仲直り」を表す英語表現が、実は距離感の異なるいくつかの言い方に分かれていることが見えてきます。同じ「仲良くする」でも、その本気度はさまざまです。

make nice と play nice は、どちらも「本心はさておき、その場は友好的にふるまう」という、比較的浅い取り繕いを表します。喧嘩した子どもに親が Play nice! と声をかけるとき、そこにあるのは「せめて形だけでも」という一時しのぎです。一方、bury the hatchet はぐっと深い和解を意味します。これはネイティブアメリカンの慣習に由来するとされる表現で、争いをやめる際に武器である斧(hatchet)を文字どおり地面に埋めた、という故事から来ています。斧を埋めてしまえば、もう戦いようがない。つまり bury the hatchet は「対立の道具そのものを手放す」ほどの本格的な和解なのです。この二つの間に、smooth things over のような「もめ事を収める行動」を表す言い方が位置します。仲直りひとつをとっても、うわべの取り繕いから根本的な和解まで、英語は細かく段階を分けているのです。

レイチェルがロスに求めたのは、bury the hatchet ではなく make nice でした。父親と本当に打ち解けてほしいのではなく、まずはブランチの場を穏やかに乗り切ってほしい。その願いの「浅さ」が、make nice という選択にちょうど表れています。

言葉の選び方には、その人が求めている距離感が映し出されるのでしょう。

まとめ|レイチェルが願った「せめて形だけでも」

make nice は、本心はどうあれ、その場は角を立てずに愛想よくふるまう表現です。形容詞 nice を目的語のように使う変わった形ですが、「よい雰囲気をこしらえる」と捉えれば、意味も形も腑に落ちます。

bury the hatchet のような本格的な和解との違いを意識できると、「どこまで仲直りするのか」の深さに応じて表現を選び分けられるようになります。

父親とロスに「せめてブランチの場だけは穏やかに」と願ったレイチェルの一言を思い返しながら、make nice を会話のレパートリーに加えてみてください。

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