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『フレンズ』シーズン3第7話では、ロスがレイチェルの父のドクター・グリーンと食事をすることになります。自分は嫌われていると話すロスと、ドクター・グリーンとのあいだを、レイチェルが何度も取り持とうとします。
恋人の家族との付き合いは、言葉の選び方が問われる場面のひとつです。食事に誘う頼み方、もう一度説得する言い方、小さな歩み寄りの一言を、3つの場面から順に見ていきます。
「My father doesn’t hate you」と渋る恋人を誘う
カフェのセントラルパークで、レイチェルは電話を切ったあと、翌日の夜にドクター・グリーンと食事をすることをロスに伝えます。ロスは明日は都合が悪いと冗談でかわそうとし、そこからこんなやりとりが続きます。
Rachel: Ross, my father doesn’t hate you.
(ロス、父はあなたのこと嫌ってなんかいないわ。)
Ross: Please. He refers to me as “wet head.”
(よしてくれ。俺のことを「ぬれ頭」って呼ぶんだぞ。)
Rachel: But, honey, he calls everybody by a nickname.
(でもハニー、父は誰のこともあだ名で呼ぶのよ。)
Rachel: Okay, look, just one dinner. Please, one night for me. I just want him to love you like I do.
(ねえ、夕食1回だけ。お願いだから、私のためにひと晩だけ。私と同じくらい、父にもあなたを好きになってほしいだけなの。)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
レイチェルの My father doesn’t hate you. は、ロスが渋る理由を先回りして打ち消す一言です。これに対するロスの Please. は「お願い」ではなく、「よしてくれ」と相手の言葉を退ける使い方です。続く refer to A as B は「AをBと呼ぶ」という意味で、ロスはドクター・グリーンからのあだ名を嫌われている根拠として挙げています。
レイチェルは call A by a nickname(Aをあだ名で呼ぶ)を使い、「誰にでもそうだから」と受け流します。そのうえで just one dinner と one night for me で、頼みごとの範囲を「1回」「ひと晩」に小さく区切っています。for me を添えると、「私のために」と相手の気持ちに訴える頼み方です。
最後の like I do は「私がそうしているように」という意味で、ここでは「私と同じようにあなたを好きになってほしい」という気持ちを伝えています。このあとチャンドラーの冗談をはさみ、ロスは Fine. と応じます。
「You have got to be the bigger man here」ともう一度説得する
レストランでの食事は、うまく運びません。ドクター・グリーンが置いたチップが少ないと見たロスがお札を足したことから、ドクター・グリーンは会計をロスに払わせます。帰ってきた廊下で、レイチェルはこう切り出します。
Rachel: You couldn’t just leave it alone.
(どうしても放っておけなかったのね。)
Ross: Four percent, okay? I tip more than that when there’s a bug in my food.
(4パーセントだぞ? 料理に虫が入ってたって、俺はそれ以上チップを払うよ。)
Rachel: Ross, tonight was about the two of you getting along.
(ロス、今夜はあなたたち二人が仲良くなるための夜だったのよ。)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
leave it alone は「それを放っておく」で、couldn’t just ~ と組むと「どうして〜できなかったの」という責める響きを帯びます。be about ~ は「〜が目的だ」「〜のためのものだ」という意味です。get along は「仲良くやる」を表す句動詞で、レイチェルは食事の目的をこの一語で言い直しています。
レイチェルはドクター・グリーンをブランチに招く案を出し、さらに言葉を重ねます。
Rachel: Look, I realize that my father is difficult but that’s why you have got to be the bigger man here.
(ねえ、父が気難しいのは分かってる。でも、だからこそここはあなたが大人にならなきゃ。)
Ross: Look, sweetie, I could be the bigger man. I could be the biggest man.
(いいかい、俺だって器の大きい男にはなれる。一番器の大きい男にだってなれるさ。)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
人について difficult と言うと「気難しい」「扱いにくい」の意味になります。be the bigger man は、相手に合わせて自分から折れ、大人の対応をすることを表す言い方です。ロスはこれを比較級から最上級へずらして返します。
Rachel: One more time, Ross? For me. For me.
(もう一回だけ、ロス? 私のために。私のために。)
Ross: Rachel, one brunch is not going to solve anything.
(レイチェル、ブランチ1回で何かが解決するわけじゃない。)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
ここでも for me が繰り返されます。ロスは not going to solve anything で、「何も解決しない」という見通しを示しています。それでも最後には、ロスがベーグルを買ってくると言ってブランチを引き受けます。
「Would you like some juice?」で場をつなぐ
場面がブランチに移っても、最初はぎこちないやりとりが続きます。話がレイチェルの賃貸保険のことに及ぶと、ロスとドクター・グリーンの言い分がそろい、ロスが飲み物をすすめます。
Ross: Hey, would you, uh, like some juice?
(あの、その、ジュースはいかがですか?)
Dr. Green: I’d love some juice, thank you.
(ジュースをもらおう、ありがとう。)
Ross: Wow. This is going so well. Did you see us?
(すごい。すごくうまくいってる。今の俺たち見た?)
Friends Season3 Episode7(The One with the Race Car Bed)
Would you like some ~? は、相手に何かをすすめるときの丁寧な言い方です。受ける側の I’d love some ~. は「ぜひいただきたい」という返事で、ドクター・グリーンはロスのすすめをそのまま受け入れます。
ロスはレイチェルに、This is going so well. と言います。go well は「(物事が)うまく運ぶ」という意味で、進行形にすると「今まさに順調だ」という実況の響きが加わります。Did you see us? は「今の俺たちを見た?」と、目の前で起きたことを相手に確かめる一言です。ブランチの初めにはロスが帰ろうとする一幕もありましたが、ここでは飲み物をすすめる一言から二人の会話がつながっています。
まとめ|恋人の父親とうまくやっていくための英語
My father doesn’t hate you で不安を打ち消し、one night for me で頼み、be the bigger man で説得し、Would you like some juice? で場をつなぐ流れを見てきました。頼む側と渋る側の両方の言い方を知っておくと、家族が絡む会話でも言葉を選びやすくなります。
次回も『フレンズ』と一緒に、場面ごとの英語を学んでいきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事では、同じエピソードの別の場面を取り上げています。


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