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『メンタリスト』シーズン3第23話には、ここで何をしているのかと理由を問う言葉が2回、どこにいたのかと行き先を問う言葉が1回出てきます。問われた側は、どの場面でもまっすぐには答えていません。
大きく構えた冗談、一語だけの返事、行き先を言わない漠然とした答えの3つを、台詞に沿って順に見ていきます。問う側の言い方がどう違うのかにも注目します。
「What are you doing here?」問いと、冗談で返す「Fighting crime. You?」
最初の例は、第23話の序盤、3分ほどのところにあります。
— What are you doing here?
(ここで何してるの?)
— Fighting crime. You?
(犯罪と戦っています。そちらは?)
The Mentalist Season3 Episode23 (Strawberries and Cream, Part 1)
What are you doing here? は、現在進行形で「いま何をしているのか」を尋ねる形です。here が付くことで、「この場にいる理由」を問う言い方になります。同じ発言の中では、この問いの前に、呼んでいないという趣旨の一文が付いています。前置きがあることで、単なる質問というより、来た理由に疑問を向ける意味合いが強まります。
返しの Fighting crime. は、I’m を省いた ing 形の短い答えです。「犯罪と戦っている」と大きく構えた言い方で、具体的な理由を述べる代わりになっていて、冗談めいて聞こえます。そのあとの You? は And you? のように「そちらは?」と問い返す一言で、同じ問いを相手に向け返しています。
問われた側に必要なのは、理由を言うか、言わずに済ませるかの選択です。理由をそのまま答えるなら、I’m here to ~(〜しに来ました)のような形があります。これは作中の台詞ではなく、一般的な言い方の例です。この場面では、その形を使わず、短い冗談と問い返しで済ませています。
「been looking for you」で理由を添えた問いと、一語で返す「Ah, curious.」
同じ問いは、劇中のもう少し先でも出てきます。8分ほどのところで、続けて3つの発言が交わされます。
— Rigsby, Van Pelt, join the party.
(リグスビー、ヴァン・ペルト、君たちも加わって。)
— Lisbon’s been looking for you. What are you doing here?
(リズボンが探してたよ。ここで何してるの?)
— Ah, curious.
(ああ、気になってね。)
The Mentalist Season3 Episode23 (Strawberries and Cream, Part 1)
join the party は、直訳では「パーティーに加わる」です。ここでは名前を呼ばれた二人に、すでにある集まりに加わるよう声をかける言い方として出てきます。
続く台詞の前半は、現在完了進行形の has been looking for ~ で、「探し続けている」という状態を表します。「探している人がいる」と伝えるこの形は、「探し続けている」とだけ言い、探している理由までは述べていません。先ほどの例が「呼んでいない」という前置きだったのに対し、こちらはその事実を前置きにして、同じ What are you doing here? を続けています。同じ問いでも、前に置く一文で、責める向きにも、事実を告げる向きにも読めます。
返しの Ah, curious. は、I’m curious. の主語と be 動詞を落とした形で、形容詞ひとつだけです。Ah は「ああ」と受ける声で、curious は「気になる」「興味がある」という意味です。ここでは、理由を詳しく述べず、気になったという一語で答えています。
「Where have you been?」行き先を言わない「out, about」
劇中で6分ほど進んだ14分すぎにも、同じように問いをはぐらかす例があります。
— Where have you been?
(どこに行ってたの?)
— Oh. Uh, you know, out, about.
(ああ、ええと、ほら、外をあちこちとね。)
The Mentalist Season3 Episode23 (Strawberries and Cream, Part 1)
Where have you been? は、現在完了の have been を使って、「これまでどこにいたのか」を尋ねる形です。前の2例が「いまここで何をしているか」を問うていたのに対し、こちらは「これまでどこにいたか」を問う点が違います。問いの形が過去から今までの居場所を尋ねる形なので、返事にも「これまでどこにいたか」を示す言葉が期待される運びです。
返しの out, about は、「外」と「あたり」を並べただけで、具体的な場所を挙げていません。out and about(外を出歩いている)に近い言い方と読めますが、ここでは and が入らず、短く言い切っています。その前に置かれた Oh. と Uh, you know, は、答えを探すようなつなぎの言葉で、そのあとに漠然とした返事が続く運びです。
3つの返しを並べると、Fighting crime. You? は冗談と問い返し、Ah, curious. は気になったという一語、out, about は行き先をぼかした言い方です。どれも理由や場所を詳しく述べていませんが、形は大きく違います。
まとめ|理由を問う言い方と、はぐらかす3つの形
What are you doing here? や Where have you been? には、冗談と問い返し、一語の返事、行き先をぼかした答えと、はぐらかす形が3つ並んでいました。問う前の一文で、同じ問いの向きも変わります。
『メンタリスト』を観ながら、問われた側がどんな短い言葉で返しているかに注目すると、会話の運びが見えてきます。
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