海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン3第11話には、会場で事件が起きたあと、興行を手がけたプロモーターのアルタシュが、聞かれる前に自分の立場を断る場面があります。「自分に責任はない」と先に言い切る言葉づかいが、ほんの数行の短い会話の中に収まっています。
責任の範囲を前置きする表現と、関わりを聞かれたときの答え方、考えを添える一言を、順番に見ていきます。
「I simply promoted the fight.」責任の範囲を先に断る
事件が起きたあとの場面で、アルタシュは、問われる前にこう切り出します。
Artash: Look, uh, just to be clear, I don’t own this arena.
(いいか、はっきりさせておくが、私はこの会場の持ち主ではない。)
Artash: I simply promoted the fight. I have no liability here.
(私は試合を興行しただけだ。この件で責任は負わない。)
The Mentalist Season3 Episode11 (Bloodsport)
最初の Look, は、相手の注意を引いて話を始める呼びかけで、続く just to be clear は「はっきりさせておくと」という前置きです。まだ何も問われていない段階で、これから述べることを誤解されないようにあらかじめ断る働きを持ちます。
I don’t own this arena. の own は「所有している」で、arena は競技場などの大きな会場を指します。会場の持ち主ではないと述べることで、責任を負う立場から一歩引いています。
I simply promoted the fight. の promote は、ここでは試合の興行を企画して世に出すことを指す使い方です。宣伝するという意味もある語ですが、作中では「試合を主催した」という意味合いで使われています。simply は「ただ〜しただけ」で、自分がやったことの範囲を小さく限る副詞です。
最後の I have no liability here. の liability は、一般には「責任を負う立場」を指す語です。no liability は「その責任は負わない」と言い切る形になります。here が付くことで、この件に限った話であることも示されます。
三つの文は、所有の否定、自分の役割の限定、責任の否定の順に積み上がっています。先回りして断る形は、あとから問われる前に、責任の線引きを言葉にしておく組み立てです。
「What was ~’s connection to you?」関わりを聞かれて答える
そのあと、ある人物との関わりを尋ねられ、答えが続きます。
— What was Charlotte Mitchell’s connection to you?
(シャーロット・ミッチェルは、あなたとどういう関わりがあったのですか?)
— She was writing a book about this fight,
(この試合についての本を書いていました。)
— about my guy, Manny Flacco, and Rowdy Merriman.
(うちの選手のマニー・フラッコと、ローディ・メリマンについてです。)
The Mentalist Season3 Episode11 (Bloodsport)
What was ~’s connection to you? は、「〜はあなたとどんなつながりがあったのか」と関係を尋ねる型です。connection は人と人、人と物事を結ぶ「つながり」を指します。あなたとの関係ではなく、まず相手側の人物を主語に置き、その人があなたとどう結びついていたのかを問う形になっています。
答えの She was writing a book about this fight, は過去進行形で、「書いている最中だった」ことを示します。about のあとに続けて対象を足していくので、about this fight, about my guy, … のように、情報を一つずつ継ぎ足せます。
my guy は、自分の側にいる人物を親しみを込めて呼ぶ口語です。名前を挙げるときも、フルネームではなく my guy, Manny Flacco と、先に呼称を置いて名前を添えています。
関わりを聞かれたときの答えは、事実を短く並べる形です。書いていた本、その対象、と必要なものだけが順に置かれています。
「any P.R. for ~ is good P.R.」宣伝についての考えを添える
本の話に続けて、宣伝についての考えと選手への一言が語られます。
— I figured any P.R. for my boy Manny is good P.R.
(私の選手マニーに関する宣伝なら、どんなものでも良い宣伝だと思ったんだ。)
— That’s the kind of kid he is.
(そういう子なんだよ。)
The Mentalist Season3 Episode11 (Bloodsport)
I figured ~ は「〜だと考えた」「〜だと踏んだ」という意味の口語で、自分の判断を述べるときに使われます。think よりもくだけた言い方で、過去形にすると「そのときはそう考えた」という判断の経緯を説明できます。
P.R. は public relations(広報・宣伝)の略です。any P.R. for ~ is good P.R. は、宣伝の中身を問わず、注目されること自体が益になるという考えを述べた形です。この句は「悪評でも話題になれば得になる」という意味で言われることもあるとされますが、作中では、本の話に続く一言として使われています。
my boy Manny の boy は、親しい相手を指す呼び方です。直前の発言の my guy とは呼び方が異なります。
That’s the kind of kid he is. は、the kind of ~ の形で「そういうタイプの人間だ」という人柄の説明になります。kid は子どもだけでなく、年下の若い人物を指して使われることがあります。直前の判断のあとにこの一文を置くと、選手の人柄を一言で添える形になります。
責任の範囲を断る言い方、関わりを事実で述べる言い方、判断の経緯を添える言い方は、立場を説明するときに並べて使える三つの組み立てです。
まとめ|責任の範囲を断り、関わりを述べる英語
just to be clear で前置きし、I simply promoted the fight. で役割を限り、I have no liability here. で責任を否定する流れを見てきました。関わりの答え方と I figured ~ の添え方も、同じ場面から見えてきます。
聞かれる前に立場を述べる場面に注目して観ると、短い言葉の組み立てが分かります。次回も『メンタリスト』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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