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『メンタリスト』シーズン3第11話には、事件について話を聞こうとしても、相手がなかなか答えてくれない場面があります。そこでは、質問を重ねるのではなく、先に自分の見立てを渡して、相手が答える番を作るやり取りが交わされます。
質問に質問で返されたときの受け止め方、交換を持ちかける表現、相手に番を回す表現を、この場面の会話から、順番に見ていきます。
「What do you think?」質問に質問で返される
事件について尋ねたところ、返ってきたのは答えではなく問い返しでした。
— You think it was about the fight?
(あれは試合のことが原因だと思うか?)
— What do you think?
(どう思う?)
— I think if it wasn’t about the fight, you wouldn’t even be here.
(試合に関係がなければ、そもそもここにいないはずだと思うが。)
The Mentalist Season3 Episode11 (Bloodsport)
You think it was about the fight? は、Do you think ~ ? の Do を省いた形です。口頭の質問では、このように主語から始めて語尾で問う言い方が使われます。about the fight の about は「〜に関することで」という意味で、事の原因や中心が試合にあったのかを尋ねています。
返事の What do you think? は、自分の考えを言わずに、相手へ質問を戻す形です。答える側が先に手の内を見せずに、相手の見立てを聞き出す働きがあります。質問への質問は、答えをはぐらかす手段にも、相手の考えを確かめる手段にもなります。
その次の I think if it wasn’t about the fight, you wouldn’t even be here. は、if ~ wasn’t …, you wouldn’t … の仮定の文です。「もし試合が関係なければ、あなたはここにいない」という形で、相手がこの場に来ている事実から、理由を逆算しています。even が入ると「そもそも」という強調になり、来ていること自体が理由を示している、という言い方になります。
このやり取りでは、質問に質問が返されたあと、相手がこの場に来ているという事実を根拠にした見立てが述べられます。
「Is that a fair exchange?」交換を持ちかけ、見立てを渡す
そこへ、答える側が反発の言葉を挟み、交換の提案が続きます。
— What, am I supposed to do your job for you?
(何だ、あんたの仕事を代わりにやれというのか?)
— Is that a fair exchange?
(それは公平な交換か?)
— Shoot.
(どうぞ、話してくれ。)
The Mentalist Season3 Episode11 (Bloodsport)
What, am I supposed to do your job for you? の What, は、驚きや反発を込めた切り出しの一語です。be supposed to ~ は「〜することになっている」、do your job for you は「あなたの仕事をあなたの代わりにやる」という意味です。質問の形で、頼まれたことが筋違いだという気持ちを示します。
続く Is that a fair exchange? の fair は「公平な」、exchange は「交換」です。こちらから先に何かを差し出し、お互いに渡し合う形にしたい、という提案として読めます。Shoot. は「どうぞ」と話を促す口語で、相手に先を話させる短い返事です。
この「交換」の中身が、次の三行です。
— Artash’s prospect has a tell.
(アルタシュの有望株の選手には、癖がある。)
— He taps his forehead before he throws a right uppercut.
(右のアッパーを出す前に、額を軽く叩く。)
— When he does that, your guy should step to the right and throw a hook.
(それをやったら、そちらの選手は右へ踏み込んでフックを打てばいい。)
The Mentalist Season3 Episode11 (Bloodsport)
tell は名詞で、本人が気づかないまま出す癖や兆候を指します。has a tell の形で「癖がある」と言えます。before he throws ~ は「〜を出す前に」、When he does that は「それをするときは」という意味で、癖と対処をひと続きにして伝えています。should は「〜するといい」という助言の働きです。
ここで渡されたのは、観察から得た具体的な助言です。見立てを先に差し出すと、相手の番が生まれます。
「Now it’s your turn.」番を回し、勘だと断る
助言を受けた相手は、その観察を認めます。
— Damn, if you ain’t almost correct.
(驚いたな、ほぼ当たりじゃないか。)
— You got a good eye.
(いい目をしている。)
— Well, thank you. Now it’s your turn.
(ありがとう。では、今度はそちらの番だ。)
The Mentalist Season3 Episode11 (Bloodsport)
if you ain’t almost correct の ain’t は、isn’t や aren’t のくだけた形で、口語で使われます。「ほぼ正しいじゃないか」と、予想を上回った驚きを込めて認めています。You got a good eye. は You’ve got a good eye. の have が省かれた口語で、「観察眼がある」という意味です。
礼を言ってすぐに Now it’s your turn. と続くのが、このやり取りの要です。turn は「順番」で、先に渡した側が、今度は相手に答えてもらう番だと促しています。交換を持ちかけた時点の約束を、ここで果たしてもらう場面です。
そのあと、相手は Just a vibe I get. と、確かな根拠がないことを断ります。vibe は「雰囲気」「直感」で、根拠のない感覚を指す語です。さらに、fired you as his trainer という指摘には、I’m a bigger man than that. と返します。「そんなことで根に持つ人間ではない」という意味に読め、挑発を受け流す返しです。
先に何かを渡し、番を回し、勘だと断って受け流す、というやり取りの全体が見えてきます。
まとめ|先に渡し、番を回す英語
What do you think? で問いを返し、Is that a fair exchange? で交換を持ちかけ、Now it’s your turn. で番を回す流れを見てきました。話したがらない相手に対して、先に見立てを差し出す組み立てが見えてきます。
答えを引き出すための言葉に注目して観ると、短い言い方の働きが分かります。次回も『メンタリスト』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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