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今回は『BONES』シーズン9第3話のブースとスイーツのやり取りから、日常会話でよく耳にする「fishing for」の意味と使い方を解説します。
「あの人、もしかして褒めてもらいたいのかな?」と感じた瞬間にこの表現がサラッと出てきたら、会話がぐっとこなれて見えますよ。
実際にそのシーンを見てみよう!
休暇をとってボランティア活動に専念しているスイーツの元に、ブースが突然様子を見にやってきた場面です。
数週間ぶりの再会なのに、あっさりした挨拶しかしないスイーツに対し、ブースが少し拗ねてみせます。
Booth:Hey, Sweets! What are you doing here? What, I haven’t seen you in a few weeks, and that’s the greeting I get?
(スイーツ!ここで何してるんだ?数週間ぶりに会ったってのに、それが俺への挨拶か?)Sweets:Of course. It’s good to see you, man.
(もちろん、会えて嬉しいですよ。)Booth:That’s okay. I wasn’t fishing for a hug.
(大丈夫だよ。ハグをおねだりしてたわけじゃないから。)Sweets:Right. What, you just came to check up on me, or…?
(そうか。様子を見に来てくれたのか?)BONES Season9 Episode3(El Carnicero en el Coche)
シーン解説と心理考察
スラム街の子供たちの支援に打ち込んでいるスイーツ。
そこへ相棒ブースが心配して様子を見にやってきます。
久しぶりの再会なのに「あ、来たんですね」とあっさりしたスイーツの態度に、ブースは「その挨拶はないだろ」と少し傷ついた様子を見せます。
スイーツが「会えて嬉しいですよ」と取り繕うと、ブースは「大丈夫。ハグをおねだりしてたわけじゃないから」と軽く返します。
本当は歓迎されたかったのに、先手を打って自分からごまかすブースの、不器用な照れ隠しが伝わってくるシーンです。
「fishing for」の意味とニュアンス
fishing for
意味:〜を求めて探りを入れる、〜をおねだりする、〜を遠回しに求める
「fish」は「魚」や「釣りをする」という意味を持つ単語です。
「fishing for 〇〇」で「〇〇を求めて釣り糸を垂らす」という直訳になりますが、日常会話では物理的な魚ではなく、「情報」「褒め言葉」「同情」などを遠回しに引き出そうとする、という比喩的な意味で使われます。
【ここがポイント!】
このフレーズの核心にあるのは、「直接お願いするのではなく、エサを撒いて相手が食いつくのを待つ」という心理的な駆け引きです。
「私って本当にダメだよね〜」という自虐発言が【釣り針】となり、「そんなことないよ」というフォローが【獲物】になるイメージです。
ストレートに要求するのではなく、相手の反応をそっと引き出そうとする、少し計算高いニュアンスが含まれるのが最大の特徴です。
実際に使ってみよう!
He is just fishing for compliments.
(彼はただ褒め言葉をおねだりしているだけだよ。)
「fishing for compliments(褒め言葉を求める)」は、この表現の中で最もよく使われる定番の組み合わせです。わざと自分を卑下して「すごいね」と言われたがっている人に、少し呆れたニュアンスを込めて使います。
I’m not fishing for information, but how was the meeting?
(探りを入れるわけじゃないけど、会議はどうだった?)
相手に警戒されないよう、さりげなく情報を引き出したいときの前置きとして使えます。「深く詮索するつもりはないんだけどね」というクッション言葉として機能します。
Are you fishing for an apology?
(もしかして謝ってほしいの?)
相手が遠回しに文句を言い続けている場面で、「要するに謝罪させたいの?」と核心を突くように使います。少しピリッとした状況でも役立つフレーズです。
『BONES』流・覚え方のコツ
ブースが「もっと歓迎してくれよ」という【エサ】を垂らしたところを、自分でさっさと回収してしまう場面をイメージしてみてください。
「fishing for = 相手の言葉の裏にある要求」という構図を、ブースの少し拗ねた表情とセットで覚えると忘れにくくなります。
次に誰かが自虐発言を連発してきたら、心の中で「あ、今 fishing しているな」とつぶやいてみてください。
似た表現・関連表現
angle for
(〜を狙う、〜を遠回しに求める)
fishing for と非常に近い意味で、釣り針(angle)を使って獲物を狙うという語源から来ています。fishing よりもさらに「巧妙に計算して狙う」というしたたかさが際立ちます。
dig for
(〜を探り出す、〜を掘り下げる)
fishing がエサを撒いて待つ受動的なイメージなのに対し、dig は隠された情報を積極的に自ら暴こうとする能動的なニュアンスがあります。
hint at
(〜をほのめかす、〜を匂わせる)
直接言わずに遠回しに伝える点では似ていますが、相手から何かを引き出そうとする(fishing)のではなく、自分の意図を間接的に伝えることに焦点が当たっています。
英語圏の文化から見る「fishing for compliments」
英語圏の日常会話において、「fishing for compliments(褒め言葉を釣ろうとする)」という表現は、時として少しネガティブな響きを持つことがあります。
わざと自虐的な発言をして相手に否定させるコミュニケーションは、「面倒くさい」「自信のなさの裏返し」と受け取られることがあるためです。
一方、親しい友人同士なら「はいはい、fishing for complimentsでしょ(笑)」とジョークとして笑い飛ばすのも定番のやり取りです。
文化によるコミュニケーションの違いや、人間関係の距離感が見えてくる、味わい深い表現ですね。
まとめ|言葉の裏にある意図を読み取ろう
今回は『BONES』のコミカルなシーンから「fishing for」を紹介しました。
誰かが遠回しに褒め言葉や同意を求めているなと感じたら、心の中で「あ、今 fishing しているな」と意識してみてください。
知っているだけで人間観察が一段と面白くなる、そんな表現です。

