「all the more reason」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S02E05で学ぶ英会話

「all the more reason」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手が「もう平気だから」と言うのを聞いて、むしろ「だったらなおさら、ちゃんとしておいた方がいいよ」と切り返したくなったこと、ありませんか。

そんなときにぴったりの「all the more reason」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン2第5話の前半、ペニーの車に乗せてもらったシェルドンが、点きっぱなしの警告ランプを見て点検を迫るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「all the more reason」の意味とニュアンス

all the more reason
意味:なおさら〜すべき理由になる

相手が出してきた事実や事情を受けて、「それがあるなら、いっそう〜すべきだ」と理由を強める表現です。ポイントは、相手の言葉を否定せずに使うところにあります。相手が「もう〜だから(しなくていい)」と消極的な理由を出したとき、その同じ事実を逆向きに転じて、「だからこそ〜すべき」と返すのが典型的な使い方です。

後ろには to do(all the more reason to check)、for 人 to do、why 節などを取ることができ、形を変えても「理由がいっそう増す」という芯は変わりません。会話では that’s all the more reason to 〜 や、相手の発言を受けた which is all the more reason to 〜 の形でよく登場します。議論で相手を言い負かすというより、相手の前提をそのまま使って結論をひっくり返す、理詰めの切り返しです。

【ここがポイント!】

  • 相手が出した事実を受けて「だからこそ、なおさら」と理由を増やす一言
  • 相手を否定せず、同じ事実を逆向きに転じて使うのが特徴
  • 後ろは to do / for 人 to do / why 節と柔軟に続けられるのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S02E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レナードが夜勤になり、足を失ったシェルドンはペニーの車で大学へ向かいます。車内でペニーの運転にあれこれ口を出すシェルドンは、点灯したままのチェックエンジンランプを目ざとく見つけます。「もう1ヶ月点きっぱなし」と取り合わないペニーに、シェルドンが理屈で畳みかける一言がこれです。

Sheldon: Your check engine light is on. Typically that’s an indicator to, you know, check your engine.
(チェックエンジンランプが点いてるよ。あれは普通、エンジンを点検しろっていう合図なんだ。)

Penny: It’s fine, it’s been on for like a month.
(平気よ、もう1ヶ月くらい点きっぱなしだもん。)

Sheldon: Well, actually, that would be all the more reason to, you know, check your engine.
(いや、それならむしろ、なおさらエンジンを点検すべき理由になるよ。)

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シーン解説と心理考察

ペニーの「1ヶ月点きっぱなしだから平気」という言い分は、日常を回している人の現実的な感覚です。一方シェルドンにとっては、警告が長く出ているという事実こそ、点検の必要性をいっそう裏づけるデータでしかありません。同じ「1ヶ月」という事実が、二人の頭の中でまったく逆の結論に結びついているところに、このすれ違いの可笑しさが表れています。

シェルドンは相手を言い負かそうとしているわけではなく、筋が通らない状態をただ我慢できないだけです。だからこそ all the more reason という、相手の言葉をそっくり受けて向きだけ変える切り返しが、彼の思考回路にぴたりと重なっています。論理が一直線に走るシェルドンらしさが、この短い一言ににじむ場面です。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

天秤を思い浮かべてみましょう。「点検すべき理由」の側に、すでにいくつかおもりが載っています。そこへペニーが「もう1ヶ月点いてる」と新しい事実を差し出す——普通なら「慣れたから大丈夫」の側に載りそうなおもりを、シェルドンはひょいと反対側、「点検すべき理由」の皿に載せ替えてしまいます。

all the more reason は、この「相手が出したおもりを、理由の皿に上乗せする」動きそのものです。相手の一言で天秤がぐっと傾く映像と一緒に覚えると、「だからこそ、なおさら」という反転の感覚が体に残ります。

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例文で覚える「all the more reason」

相手の発言を受けて切り返す表現なので、まず相手の一言があり、それを受けて返す、という流れで覚えると自然です。

It’s raining? That’s all the more reason to take an umbrella.
(雨が降ってる?だったらなおさら傘を持っていくべきだよ。)
出かけ際の家族とのやり取りで使える一言です。相手の「降ってる」を受けて、それを傘を持つ理由に変えています。

The market is uncertain, which is all the more reason to diversify.
(市場が不安定だ。だからこそ、なおさら分散投資すべき理由になる。)
会議や資料で使えるフォーマル寄りの形です。which is で前の文を受けると、書き言葉でもなめらかに決まります。

A: I’m too tired to go to the gym today.
B: All the more reason to go — exercise will wake you up.
(A:今日は疲れすぎてジムは無理だよ。)
(B:だったらなおさら行くべきだよ、運動すれば目が覚めるから。)
相手の「疲れた」という後ろ向きな理由を、そのまま前向きな理由に裏返す典型的な会話です。

あわせて覚えたい関連表現

even more reason
(いっそう〜する理由)
ほぼ同じ意味で、ややくだけた響きになります。all the more reason の方が定型句として安定しているので、まずはこちらを基本形に。

that’s exactly why
(まさにそれが〜の理由だ)
相手の発言を理由に転じる点は近いものの、「程度が増す」ニュアンスはなく、「まさにその通り」と一致を示す表現です。上乗せか、一致か、で使い分けます。

all the more so
(なおさらそうだ)
reason を伴わず、「程度がいっそう」だけを表します。後ろに名詞を取らない点が all the more reason との違いです。

Note|all the more の the は何者か

all the more reason を見て、「この the は何だろう」と引っかかった経験はないでしょうか。普通の冠詞のようでいて、後ろに名詞が直接続くわけでもなく、少し不思議な位置にあります。

この the は、現代英語の冠詞とは別の出自を持つと説明されることがあります。古い英語には「その分だけ」という程度を表す指示副詞的な the があり、その名残がこの言い回しに残っているとされます。同じ系統が、the more you practice, the better you get(練習するほど上達する)に出てくる二つの the です。あの the も「その分だけ」を表していて、量の増減を結びつける働きをしています。all the more の the も同じ仲間で、all(まるごと)と相まって「その分だけまるごといっそう」という程度の強調を作っているという見方です。

こう捉えると、all the more reason は「(相手が出した事実の)その分だけ、いっそう多くの理由」と読めて、なぜ the が入るのかが腑に落ちます。文法の小さな違和感が、表現の成り立ちを知る入り口になります。

冠詞だと思って眺めると謎ですが、程度の the だと分かれば景色が変わります。

まとめ|シェルドンの切り返しに学ぶ「理由の上書き」

all the more reason は、相手が出してきた事実をそのまま受け取りながら、その向きだけを変えて「だからこそ、なおさら」と理由を強める表現です。相手を真正面から否定しないぶん、会話を角立てずに自分の結論へ運べます。

「もう平気だから」と言われたときに、「だったらなおさら」と柔らかく切り返せると、説得の幅がぐっと広がります。点きっぱなしの警告ランプを前にしたシェルドンのように、相手の一言をそのまま理由に変える——そんな身軽な切り返しを、表現の引き出しに加えてみてください。

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