海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
絶品の料理を口にしたときや、息をのむような景色に出会ったとき、「もうこの世のものとは思えない!」と言いたくなる瞬間が、誰にでもあるはずです。
そんな最上級の感動を表す「out of this world」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン2第8話の中盤、ペニーがハワードの過去のキザな口説き文句を暴露するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「out of this world」の意味とニュアンス
out of this world
意味:この世のものとは思えない、並外れて素晴らしい、最高の
文字どおりには「この世界(this world)の外(out)にある」という意味で、地球の常識を超えてしまうほど素晴らしい、という誇張から生まれた表現です。料理の味、舞台のパフォーマンス、旅先の景色、サービスの質など、対象を問わず「あまりに見事で現実離れしている」と強く褒めるときに使えます。great や good よりずっと温度が高く、「言葉を失うほど最高」というニュアンスを持つ最上級の賛辞です。ハイフンでつないで out-of-this-world service のように形容詞として名詞の前に置くこともできます。日常会話で気軽に使える一方、本当に感動したときにこそ効く、とっておきの一言でもあります。
【ここがポイント!】
- 「out of this world」の核は、地球の外=宇宙レベルにすごい、という誇張
- great や good を超えた「現実離れして最高」を表す、最上級の褒め言葉
- 多用すると軽くなるので、本気で感動したときに置くのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S02E08のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
マーズ・ローバーの事故をニュースで知ったペニーが、以前ハワードから「火星(Mars)で車を運転させてやる」と口説かれたことを思い出します。とぼけるハワードをよそに、ペニーがその歯の浮くような口説き文句を具体的に再現してしまう場面です。
Penny: No. Yeah, I remember specifically. You started by asking if I was from Mars because my ass was out of this world.
(いいえ。はっきり覚えてるわ。まず私に、火星から来たのか聞いてきたのよ。私のお尻がこの世のものじゃないくらいイケてるからって)Howard: Well, that does sound like me, but no.
(まあ、いかにも僕が言いそうだけど、違うね)The Big Bang Theory Season2 Episode8(The Lizard-Spock Expansion)
シーン解説と心理考察
マーズ・ローバー騒動への関与を必死に隠したいハワードと、面白がって過去をバラすペニーの温度差が、この場面の見どころです。ハワードは「何の話だかさっぱり」ととぼけ続けますが、ペニーは彼の口説き文句を一字一句そらんじてみせます。ここで効いているのが「火星(Mars)」と out of this world の言葉遊びです。「君は火星から来たの? だってそのお尻はこの世のものとは思えない(out of this world)から」——宇宙ネタと最上級の褒め言葉を強引にかけ合わせた、ハワードらしい滑稽なナンパが、ペニーの口から再現されることで二重におかしみを増しています。本人がとぼけるほど、過去の決まり文句のダサさが際立つ構図が、この一言ににじむ場面です。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
out of this world を覚えるコツは、ロケットが地球の大気圏を突き抜けて宇宙へ飛び出していく絵を思い浮かべることです。「この世界の外へ出てしまう」ほどすごい、という誇張がフレーズの核心です。劇中ではハワードが、ペニーを「火星から来たのか」と口説いていました。地球を飛び出して宇宙=火星レベルにイケている、という宇宙ネタと、out of this world の意味はぴったり重なります。ハワードのスベった火星ナンパと一緒に覚えてしまえば、「地球の常識を超えるほど最高」という意味が頭から離れなくなります。
例文で覚える「out of this world」
out of this world は、料理から景色、パフォーマンスまで、何かを最大級に褒めたいときに使える表現です。3つの場面で感覚をつかんでみましょう。
The dessert at that restaurant was out of this world.
(あのレストランのデザートは、この世のものとは思えないほど美味しかった)
食事の感想を友人に伝える場面です。料理の味を絶賛する、最も定番の使い方です。
They received out-of-this-world customer service at the hotel.
(彼らはそのホテルで、並外れて素晴らしい接客を受けた)
ホテルやサービスを評価する場面です。ハイフンでつないで形容詞にし、名詞の前に置く応用パターンです。
A: How was the concert last night?
B: Honestly, her performance was out of this world.
(A:昨夜のコンサートどうだった?)
(B:正直言って、彼女のパフォーマンスは圧巻だったよ)
ライブの感想を語り合う場面です。会話の中で「次元が違うほどすごかった」と伝える、感情のこもった使い方です。
あわせて覚えたい関連表現
amazing / incredible
(驚くべき、信じられない)
どちらも汎用的な「すごい」を表す語です。out of this world はそこからさらに誇張が一段強く、「現実離れして最高」というスケール感が出るのが違いです。
heavenly
(天国のような、極上の)
とくに味・香り・心地よさを上品に褒めるときに使う語です。out of this world はもっとカジュアルで、対象を選ばず幅広く使えます。
mind-blowing
(衝撃的に素晴らしい)
「頭が吹き飛ぶ」ほどの衝撃を表す表現です。out of this world が「完成度の高さ」を称えるのに対し、mind-blowing は「驚きの大きさ」に重心があります。
Note|空と宇宙を「最上」に重ねる英語の発想
out of this world と聞くと宇宙的でユニークに感じますが、実は英語には「空や宇宙の高み」を「最上・究極」の比喩に使う表現が数多くあります。
たとえば、嬉しくてたまらない気持ちを表す over the moon(月を越えるほど)、値段や数値がとても高いことを表す sky-high(空ほど高い)、有頂天の気分を walking on air(宙を歩いているよう)と言うなど、地に足のつかない高さ=喜びや素晴らしさの極み、という発想が共通して流れています。out of this world もこの系譜にあり、「地球という枠を超えてしまった」というスケールで最上級を表現します。人間が空や宇宙を「手の届かない理想の領域」として見上げてきた感覚が、こうした言い回しの根っこにあるのでしょう。宇宙開発が進んだ20世紀以降、宇宙を「規格外のすごさ」のたとえに使う感覚はいっそう身近なものになりました。
この発想を知っておくと、out of this world が単なる強調ではなく、「人智を超えた高みにある」という詩的なスケール感を帯びた表現だと感じられるはずです。
英語の「すごい」には、こんなに空が広がっているのですね。
まとめ|ハワードの火星ナンパに学ぶ最上級の褒め言葉
out of this world は、「この世界の外に飛び出してしまうほど素晴らしい」という、誇張のスケールが心地よい最上級の褒め言葉です。
この一言を知っておくと、絶品の料理や感動的なパフォーマンス、息をのむ景色に出会ったとき、ありきたりな「すごい」を超えた感動を英語でいきいきと伝えられるようになります。
火星にかけてスベったハワードの口説き文句とともに、out of this world を会話のレパートリーに加えてみてください。


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