「do the math」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S02E15で学ぶ英会話

「do the math」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

ふだんは誰といても噛み合わない二人が、なぜか妙に意気投合してしまう瞬間が、ドラマには時々あります。

そんな場面で飛び出す「do the math」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン2第15話、階段でシェルドンとレナードの母ビバリーが言葉を交わすシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「do the math」の意味とニュアンス

do the math
意味:計算する、(状況から)自分で答えを導き出す

do the math は文字どおり「計算する」という意味で使われるほか、比喩として「状況を見れば答えは明らか、自分で考えれば分かるでしょう」という意味でも頻繁に登場します。

数字を見積もる場面では字義どおりの「計算する」、手がかりが揃っている場面では「あとは自分で察してよ」という含みになります。とくに後者の使い方では、You do the math.(自分で考えてみなよ)という形が定番で、答えを明言せずに相手に結論を委ねる、少しユーモラスな言い回しになります。

on を添えて do the math on 〜 とすると、「〜について計算する・試算する」と対象を示すこともできます。

【ここがポイント!】

  • 字義どおりの「計算する」と、比喩の「自分で考えれば分かる」の二つの顔を持つ表現
  • You do the math. は答えを言わず相手に委ねる、ちょっとユーモラスな一言
  • 数字の場面か、察してほしい場面か、前後の文脈で見分けるのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S02E15のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ふだん誰といても落ち着かないシェルドンとビバリーが、互いに「あなたといると心地よい」と認め合います。その流れで、シェルドンが二人の相性を「確率」として問いかける場面です。

Sheldon: What are the odds that two individuals as unique as ourselves would be connected by someone as comparatively workaday as your son?
(僕たちのように特異な二人が、あなたの息子のような比較的平凡な人物を介してつながる確率は、いったいどのくらいでしょう?)

Beverley: Is that a rhetorical point or would you like to do the math?
(それは修辞的な問いかけ? それとも実際に計算してみたい?)

Sheldon: I’d like to do the math.
(計算してみたいです。)

The Big Bang Theory Season2 Episode15(The Maternal Capacitance)

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シーン解説と心理考察

ふつうの会話なら「気が合うね」のひと言で済むところを、この二人は本気で「確率を計算しよう」と盛り上がります。do the math が、研究者同士にとって最高の親密表現として機能しているのが見どころです。

ビバリーの「修辞的な問いかけ? それとも計算したい?」という返しも巧みです。シェルドンの問いを「ただの言葉のあや」と「本気の数式」のどちらにも受け取れる形で投げ返し、シェルドンが迷わず「計算したい」と即答することで、二人の異様なまでの相性が会話の温度ごと際立っています。感情ではなく数式で心を通わせる、本作らしい知的なやり取りが表れています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

do the math は、頭の中で電卓を叩いて答えをはじき出す動作をそのままイメージするのが基本です。比喩で使うときは、目の前に数字の手がかりが並んでいて「あとは足し算するだけ=自分で答えが出せる」という絵を思い浮かべてみてください。

劇中では、ふつうなら「気が合うね」で流す場面を、シェルドンとビバリーが本気で「確率を計算しよう」と盛り上がります。この「計算することが愛情表現になる」おかしさを覚えておくと、do the math が単なる算数ではなく「突き詰めて考える」ニュアンスまで含むことが記憶に残ります。

例文で覚える「do the math」

字義どおりの計算と、比喩の「察してよ」の両方を、3つの場面で見ていきましょう。

If we sell 100 units at $5 each, do the math—that’s $500.
(1個5ドルで100個売れば、計算してみて、500ドルだ。)
数字を示して納得させるビジネスの場面です。ここでは文字どおりの「計算する」という意味で使われています。

Three people, two tickets—you do the math.
(3人で、チケットは2枚。あとは自分で考えてよ。)
状況から結論を察してほしいときの言い方です。答えを言わずに相手に委ねる、比喩の典型的な使い方です。

A: The numbers in this report don’t add up.
B: Did you even do the math before sending it?
(A:このレポートの数字、計算が合わないよ。)
(B:送る前にちゃんと計算した?)
ミスを指摘する会話です。add up(計算が合う)とセットで使うと、数字の整合性をめぐるやり取りが自然になります。

あわせて覚えたい関連表現

figure it out
(自分で解明する、答えを出す)
do the math が「数値や論理から導く」のに対し、figure it out はより広く「なんとか解明する」全般を指します。比喩の do the math は、この figure it out に近い使い方になります。

add up
(計算が合う、辻褄が合う)
do the math が「計算する行為」を指すのに対し、add up は「その結果が合う・合わない」という状態を表します。It doesn’t add up.(辻褄が合わない)とセットで覚えると便利です。

put two and two together
(断片的な情報をつなげて結論を出す)
比喩の do the math と非常に近い表現です。手がかりから察する点は共通していますが、こちらは「2+2=4」の連想を前面に出した慣用句です。

Note|math と maths、大西洋を挟んだ一文字差

do the math は、英語圏のどこでも同じ形で使われるわけではありません。今回のフレーズには、地域による小さな違いがあります。

do the math はアメリカ英語の言い方です。一方、イギリス英語では同じ慣用句が do the maths となり、math に s が付きます。これは、もとになる mathematics(数学)をどう略すかの違いから来ています。アメリカでは math と単数形のように略すのに対し、イギリスでは maths と s を残して略すのが一般的です。そのため、同じ「計算してみて」という決まり文句でも、アメリカのドラマでは do the math、イギリスのドラマや会話では do the maths と耳にすることになります。たった一文字の差ですが、話し手がどちらの英語圏の出身かをうかがわせる、地域差の分かりやすい一例です。『ビッグバン★セオリー』はアメリカのドラマなので、当然 do the math の形が使われています。

劇中でシェルドンとビバリーが交わす do the math も、このアメリカ英語の形です。英米どちらの作品に触れているかで聞こえ方が変わると知っておくと、リスニングの手がかりにもなります。

一文字の違いに気づけると、英語の地域差がぐっと身近になります。

まとめ|「計算する」の奥にある二つの意味

do the math は、文字どおり数字を計算することも、状況から「自分で答えを導く」ことも表せる、二つの顔を持つ表現です。とくに You do the math. の形は、結論を相手に委ねる知的でユーモラスな言い回しとして会話で活躍します。

この使い分けを押さえておくと、数字の話でも、察してほしい場面でも、ひとつの表現でスマートに伝えられるようになります。

数式で心を通わせるシェルドンとビバリーのやり取りを思い出しながら、表現の引き出しに加えてみてくださいね。

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