海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
しばらく中断していた話や作業を、「さあ、この前の続きから」と再び始めたくなることはありませんか。
そんなときに使える「pick up where we left off」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン2第15話の終盤、帰り際のビバリーがペニーに思いがけない一言を投げかけるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「pick up where we left off」の意味とニュアンス
pick up where we left off
意味:中断したところから再開する、続きから始める
この表現は、leave off(中断する・やめる)と pick up(再び手に取る・始める)を組み合わせたものです。where 節が「中断した場所」を指し、全体で「私たちが中断したところから再開する」という意味になります。
会話、作業、プロジェクト、さらには人間関係まで、いったん止まったものを「途切れた地点から」再び始める場面で広く使えます。最初からやり直すのではなく、あくまで「続きから」というところに、この表現の持ち味があります。久しぶりに会った相手と、まるで時間の空白がなかったかのように自然に話せる、という温かい文脈でもよく使われます。
【ここがポイント!】
- leave off(中断)と pick up(再開)が組み合わさった表現
- 最初からではなく「途切れた地点から」再び始めるのが核
- 会話・作業・人間関係まで、止まったものの再開に広く使える一言
『ビッグバン★セオリー』S02E15のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
帰り際、ビバリーは息子レナードに冷たく別れを告げた直後、ペニーを彼女の父親の呼び名「Slugger」で呼び、思いがけない一言を切り出します。
Beverley: Good-bye, Leonard. So, Slugger, shall we pick up where we left off last time?
(さようなら、レナード。さて、スラッガー、前回の続きをやりましょうか?)Penny: I mean, my mom could’ve just said, “Bob, get over it, she’s a girl, move on.” But she didn’t.
(つまり、母さんはただ「ボブ、いいかげん受け入れて、娘なんだから、前に進みなさい」って言えばよかったの。でも言わなかった。)The Big Bang Theory Season2 Episode15(The Maternal Capacitance)
シーン解説と心理考察
エピソードの冒頭でビバリーはペニーから一度身の上話を引き出していました。その続きを帰り際に「前回の続きをやりましょう」と切り出すあたりに、彼女がペニーをまるでカウンセリングの患者か観察対象として扱っている様子がにじみます。
pick up where we left off は本来、中立的で温かみのある「続きから再開する」という表現です。それをビバリーが事務的に使うことで、相手の気持ちにはお構いなしに「データの続きを取りに来た」かのような冷徹さが際立ちます。直後にペニーが堰を切ったように父への思いを語り出す対比も見どころで、温かい言い回しが冷たい人物の口から出ることで、ビバリーというキャラクターの輪郭がくっきりと表れています。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
leave off は本に「しおり」を挟んで一旦閉じる動作、pick up はその本をまた手に取って開く動作をイメージすると分かりやすい表現です。pick up where we left off で、「しおりを挟んだそのページから読み直す」という絵がそのまま当てはまります。
劇中のビバリーは、ペニーとの会話に“しおり”を挟んでいて、帰り際に何食わぬ顔でそのページを開き直します。相手の気持ちはお構いなしに「続きから」始める彼女の姿を思い浮かべると、「中断地点から再開する」というニュアンスが記憶に残ります。
例文で覚える「pick up where we left off」
会議の再開から旧友との再会まで、3つの場面で見ていきましょう。
Let’s pick up where we left off yesterday.
(昨日の続きから始めましょう。)
会議や作業を再開するビジネスの場面です。where we left off の最も基本的な形で、職場で頻繁に登場します。
Even after ten years apart, we just picked up where we left off.
(10年も離れていたのに、私たちはまるで続きみたいに自然に話せた。)
旧友との再会を語る感情的な場面です。時間の空白を感じさせない親密さを表す、温かい使い方です。
A: Sorry I had to step out. Can we continue the discussion?
B: Sure, let’s pick up where we left off.
(A:抜けてごめん。さっきの議論、続けられる?)
(B:もちろん、中断したところから始めよう。)
中断した話し合いを再開する会話です。continue と組み合わせると、「どこから続けるか」を自然に示せます。
あわせて覚えたい関連表現
carry on
(続ける、続行する)
carry on は単に「止めずに続ける」ことを指します。いったん中断したものを「その地点から」再開する pick up where we left off とは、途切れがあったかどうかが違いになります。
resume
(再開する)
一語でフォーマルに「再開する」を表せます。pick up where we left off は口語的で、「中断した場所(where)」を具体的に示せるぶん、会話に臨場感が出ます。
take it from the top
(最初からやり直す)
こちらは「冒頭から」やり直す表現で、中断地点から再開する pick up where we left off とは再開位置が正反対です。対比で覚えると、それぞれの位置関係が整理できます。
Note|pick up と leave off、再開を支える二つの動き
pick up where we left off は、二つの句動詞が支え合ってできた表現です。その仕組みを少し見てみましょう。
鍵になるのは leave off という句動詞です。leave off は「(していたことを)やめる・中断する」を表し、She left off in the middle of a sentence(彼女は文の途中で話すのをやめた)のように使われます。一方の pick up には「再び手に取る・再開する」という意味があり、この二つが where(〜する場所)でつながることで、「中断した、まさにその地点から再び始める」という構図が完成します。似た意味を持つ語と並べてみると、それぞれの個性が見えてきます。resume は一語で「再開する」を表すフォーマルな動詞、carry on は「止めずにそのまま続ける」表現で、こちらは中断を前提としません。それに対して pick up where we left off は、「いったん止まった」ことと「その地点から再び始める」ことの両方を、口語的に、しかも具体的に言い表せるのが強みです。
劇中のビバリーが last time(前回)という言葉を添えて使っているのも、「以前ここで中断した会話」という前提があるからこそ成り立っています。
二つの動きの対を意識すると、この長めの表現も覚えやすくなりますね。
まとめ|「続きから」を自然に言えるように
pick up where we left off は、いったん中断したものを最初からではなく「途切れた地点から」再び始めることを表す表現です。会議や作業の再開から、久しぶりの再会まで、幅広い場面で活躍します。
この一言を覚えておくと、止まっていた話や関係を、時間の空白を飛び越えて自然に再開できるようになります。
何食わぬ顔で「前回の続き」を切り出したビバリーのシーンとともに、表現の引き出しに加えてみてくださいね。


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