海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かが身近な人を「たいしたことない」と決めつけているのを聞いて、「いや、その人もっとすごいよ」と擁護したくなる場面があります。
そんなときに使える「give someone enough credit」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン2第15話、レナードとシェルドンが互いの母親をめぐって言い合うシーンから、一緒に見ていきましょう。
「give someone enough credit」の意味とニュアンス
give someone enough credit
意味:〜を正当に評価する、〜を見くびらない
credit は「功績・評価・信用」を表す語で、give someone credit で「人を正しく評価する、その働きを認める」という意味になります。enough が加わると「十分に評価する」となり、その人の実力や価値を見合った分だけ認めることを指します。
この表現は、肯定形よりも否定形の don’t give someone enough credit(=過小評価している、見くびっている)の形で使われることが圧倒的に多いのが特徴です。誰かが相手を見くびる発言をしたときに、「あなたはその人を正しく評価していない」とやんわり異を唱える、英語の定番の切り返しとして登場します。
for を使って give someone credit for 〜 とすると、「〜の点について評価する」と評価の対象を具体的に示すこともできます。
【ここがポイント!】
- credit は「功績・評価・信用」、give 〜 credit で「人を正しく認める」一言
- 否定形 don’t give 〜 enough credit「見くびっている」の形で使われることが多い表現
- for を添えれば「何を評価するか」まで具体的に示せるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S02E15のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
冷淡な母ビバリーにすっかり感心したシェルドンが「君の母上は素晴らしい」と称賛します。うんざりしたレナードが言い返すこの場面で、フレーズが飛び出します。
Leonard: Sheldon, you don’t give your mother enough credit. She’s warm, she’s loving, she doesn’t glue electrodes to your head to measure your brain waves while potty training.
(シェルドン、君は自分の母親をちゃんと評価してないよ。彼女は温かくて、愛情深くて、トイレトレーニング中に脳波を測るために頭に電極を貼ったりしない。)Sheldon: You were lucky. When I was a kid, if I wanted an EEG, I had to attach my own electrodes.
(君は恵まれてたんだ。僕が子供の頃は、脳波を取りたければ自分で電極を貼るしかなかった。)The Big Bang Theory Season2 Episode15(The Maternal Capacitance)
シーン解説と心理考察
ここでのレナードのセリフは、一見すると母親を擁護する言葉に見えます。けれども「電極を頭に貼って脳波を測ったりしない」という具体例そのものが、シェルドンの母がそれをしていたことを前提にしており、二人の「ひどい母親自慢」の応酬になっているのが面白いところです。
シェルドンは本気でレナードが母を過小評価している(don’t give enough credit)と考えていますが、観客の目にはレナードの評価のほうがよほど正常に映ります。「見くびっている」と諭す側の基準そのものがずれている、というすれ違いが笑いを生んでいます。続くシェルドンの「自分で電極を貼った」という返しが、その価値観の歪みを会話の温度ごと決定づけています。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
credit は、買い物の「クレジット(点数・信用)」と同じ語です。give someone credit は、相手の働きに対して「ちゃんとポイントを付けてあげる」イメージで捉えると覚えやすくなります。
劇中のシェルドンは「君は母親に十分な点数を付けていない」とレナードを諭しますが、観客から見ればその採点基準自体が壊れています。この「採点のズレ」を思い浮かべると、don’t give enough credit が「点数を出し渋る=見くびる」というニュアンスを持つことが、すっと頭に入ってきます。
例文で覚える「give someone enough credit」
否定形での使い方を中心に、評価を伝える3つの場面を見ていきましょう。
You don’t give the team enough credit for what they pulled off.
(君はチームが成し遂げたことを正当に評価していないよ。)
同僚の貢献を擁護するビジネスの場面です。don’t give enough credit for 〜 で、評価が足りない対象を for のあとに示しています。
People rarely give nurses enough credit for their hard work.
(看護師の重労働は、正当に評価されることがめったにない。)
社会的な評価について語るフォーマルな場面です。rarely と組み合わせると、「めったに認められない」という静かな主張になります。
A: He’ll never figure that out on his own.
B: Come on, give him some credit. He’s smarter than you think.
(A:あいつには自力で解決なんて無理だよ。)
(B:まあまあ、少しは認めてやりなよ。君が思うより賢いんだから。)
相手を見くびる発言をたしなめる会話です。enough の代わりに some を使うと、口語でやわらかく「少しは認めて」と促せます。
あわせて覚えたい関連表現
underestimate
(過小評価する、見くびる)
don’t give enough credit とほぼ同じ意味を一語で表せます。credit を使った言い方のほうが、「その人の功績を認めない」という人柄への目線がにじみやすい点が違いです。
take credit for
(〜を自分の手柄にする)
give credit(他人を評価する)と take credit(手柄を自分のものにする)は、credit を挟んで正反対の動きを表します。セットで覚えると、credit の方向性がはっきりつかめます。
give credit where credit is due
(評価すべき相手はきちんと評価する)
give someone credit を格言風に言い換えた定番イディオムです。公平に評価する姿勢を示したい場面で使われます。
Note|否定形で輝く「見くびらないで」の一言
give someone enough credit は、肯定形よりも否定形でずっとよく使われる表現です。その背景を少し見てみましょう。
英語では、相手の発言に真っ向から「それは間違っている」と反論するより、やわらかく異を唱える言い回しが好まれる場面が多くあります。誰かが「あの人にはどうせ無理だ」と決めつけたとき、You don’t give him enough credit(あなたは彼を過小評価している)と返すのは、相手を直接否定せずに「もっと正しく見てあげて」と促す、角の立たない切り返しです。主語を「あなた」にしつつも、責めるのではなく「評価が足りていないだけ」という形に落とし込むことで、擁護したい相手を立てながら、見くびった側の見方をやんわり正すことができます。この「否定形にすることでかえって前向きな擁護になる」構造が、give someone enough credit が会話で重宝される理由です。
劇中でレナードが you don’t give your mother enough credit と言うのも、まさにこの擁護の型に乗っています。中身は母親自慢の応酬でも、表現の枠組みとしては「見くびらないで」という定番の切り返しなのです。
否定形とセットで覚えると、この一言はぐっと使いやすくなります。
まとめ|「見くびらないで」を英語で言えるように
give someone enough credit は、人の実力や功績を見合った分だけ正しく評価することを表す表現です。とりわけ否定形の don’t give 〜 enough credit は、誰かを見くびる発言にやわらかく異を唱える、頼れる切り返しになります。
この型を身につけておくと、身近な人が不当に低く見られている場面で、相手を立てながら自然に擁護の言葉をかけられるようになります。
レナードとシェルドンの噛み合わない言い合いを思い出しながら、会話のレパートリーに加えてみてください。


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