「for all we know」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S03E13で学ぶ英会話

「for all we know」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

確かな情報がないのに、つい「もしかしたら、とんでもないことになってるかも」と最悪の可能性を口にしてしまった経験はありませんか。

そんなときに使える「for all we know」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン3第13話の冒頭、中華料理店でメニューの誤植を見つけたシェルドンが突拍子もない妄想を語り出すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「for all we know」の意味とニュアンス

for all we know
意味:もしかすると/何とも言えないが(〜かもしれない)

確かな情報がない状態で、「その可能性も否定できない」と述べるときの定番フレーズです。直訳は「私たちが知っているすべてをもってしても」。つまり、手元の情報を全部かき集めても断定はできない、という前提を置いたうえで、ある可能性を切り出します。

多くの場合、話し手が自信のない推測や、やや突飛な可能性を持ち出す前置きとして使われます。「断定はできないけれど、ひょっとすると〜かもしれない」というトーンで、文頭に置いて一呼吸おく言い方がよく聞かれます。we の代わりに I を使った for all I know も同じ意味で使えます。あくまで「情報が足りないから言い切れない」という不確かさが核にあり、確信を持って何かを述べる表現ではない点を押さえておきましょう。

【ここがポイント!】

  • 核は「知っている情報を全部足しても断定できない」という不確かさ
  • 自信のない推測や突飛な可能性を切り出すときの前置き
  • 文頭に置いて一呼吸おき、続けて可能性を述べるのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S03E13のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

被害妄想の強いシェルドンが、いつものメンバーと訪れた中華料理店で、メニューの「mobster sauce(本来は lobster sauce の誤植)」という表記を発見します。レナードが「ただの誤植だろ」と流そうとすると、シェルドンはこの店が組織犯罪の隠れ蓑になっている可能性を大真面目に推論し始めます。

Leonard: It’s obviously a typo.
(どう見ても誤植だろ)

Sheldon: Perhaps. Perhaps this restaurant’s now a front for organized crime. For all we know, the mobster sauce contains actual chunks of deceased mobsters.
(かもしれない。ひょっとしたらこの店、今や組織犯罪の隠れ蓑かもしれないぞ。何とも言えないが、モブスターソースには本物の死んだマフィアの肉片が入ってるのかも)

Raj: No, no, no, no, I think it just means it’s the kind of sauce that mobsters like.
(いやいやいや、単にマフィアが好きそうなソースって意味だろ)

The Big Bang Theory Season3 Episode13(The Bozeman Reaction)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

メニューの誤植一枚から「マフィアの肉片入りソース」という壮大な結論へ飛躍していくのが、このシーンの見どころです。シェルドンは for all we know という前置きを挟むことで、自分の発言に論理的な体裁を与えようとしています。本来このフレーズは断定を避けるための慎重な言い回しですが、彼の場合は逆に、根拠のない妄想を「あり得る話」として正当化する道具になっているところに可笑しみがあります。

ラージとハワードが常識的な解釈を返しても、シェルドンの推論は止まりません。論理を装いながら非論理的な結論に突き進むという、彼のキャラクターの核がよく表れた場面と言えます。情報が足りないからこそ、どんな突飛な可能性も否定できない――その「情報不足ゆえの開き直り」が、このフレーズの感覚をそのまま体現しています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

for all we know は、目の前に小さな手がかりが一つだけ置かれていて、その周りが真っ暗な状態をイメージすると覚えやすくなります。見えている情報はほんのわずか、その外側は何も分からない。だからこそ「暗闇の中には何が潜んでいてもおかしくない」と言える――この感覚が for all we know です。

シェルドンが、メニューという一枚の紙きれだけを頼りに、その向こうにマフィアの暗躍を勝手に思い描く姿を思い浮かべてみてください。わずかな情報の周りに広がる「分からなさ」を指さしながら可能性を語る、その身振りごと記憶に結びつけると、文頭での使い方が自然と口をついて出てくるようになります。

例文で覚える「for all we know」

確証のない推測を切り出すこのフレーズは、文頭でも文中でも使えます。トーンによって慎重にも投げやりにもなる3つの例文で、その幅を体感してみましょう。

For all we know, they could have already left the country.
(もしかすると、彼らはもう国を出ているかもしれない)
連絡の取れない相手の状況を友人と推測している場面です。確かな情報がないまま、あえて大きめの可能性を口にするときの使い方です。

We have no data on this yet. For all we know, the effect could be the opposite.
(まだこれに関するデータがない。何とも言えないが、効果は逆かもしれない)
会議で検証前の仮説について慎重に発言する場面です。予断を避けたいビジネス・科学の文脈にぴたりとはまります。

A: Should we wait for them or just go ahead?
B: Let’s go. For all we know, they’re not even coming.
(A:彼らを待つ? それとも先に始める?)
(B:始めよう。どうせ、来ないかもしれないしね)
予定がはっきりしない状況での会話です。相手の不確かな事情を理由に、決断を後押しするニュアンスで使われています。

あわせて覚えたい関連表現

as far as I know
(私の知る限りでは)
自分が把握している範囲を足場に「たぶんこうだ」と述べる表現です。for all we know が「知らないこと」を起点にするのに対し、こちらは「知っていること」を起点にする点が対照的です。

who knows
(誰にも分からない/さあね)
より口語的で、やや投げやりに「分からない」と締める言い方です。for all we know が具体的な可能性を続けて述べることが多いのに対し、who knows は単独で使われる傾向があります。

you never know
(何が起こるか分からない)
将来の不確実性に対して、期待や楽観を込めて使われることが多い表現です。for all we know が現時点の事実が不明な場合にも広く使えるのに対し、こちらは「先のことは分からない」という未来志向の含みがあります。

Note|for all we know と as far as I know の向きの違い

for all we know を学ぶと、よく似た形の as far as I know との違いが気になってくるはずです。どちらも know を含み、日本語にすると「〜の限りでは」と訳せてしまうため、混同されがちな二つの表現です。

ところが、この二つは知識に対する立ち位置が正反対です。as far as I know は「自分が知っている範囲」を足場にして、その範囲内では確かだ、と述べます。たとえば As far as I know, the store is still open. は「私の知る限り、まだ開いている(はず)」と、自分の知識をある程度の根拠として差し出しています。一方 for all we know は「自分たちが知らないことの多さ」を足場にします。For all we know, the store is already closed. は「(よく知らないので)もう閉まっているかもしれない」と、知識の欠如を理由に可能性を開いているのです。前者は知識を根拠に断定へ近づき、後者は無知を理由に断定から遠ざかる。同じ know を含みながら、矢印の向きが逆になっているわけです。

この対比を意識すると、for all we know が単なる「分からない」ではなく、「情報が足りないからこそ、こんな可能性すら否定できない」という独特のニュアンスを持つことが見えてきます。シェルドンがメニュー一枚から最悪の想像を広げられたのも、まさにこの「無知を足場にする」構造があったからこそです。

知っていることから話すのか、知らないことから話すのか。その一点に注目するだけです。

まとめ|シェルドンの妄想から学ぶ「言い切らない」一言

for all we know は、確かな情報がない状況で「その可能性も否定できない」と切り出すための、便利な前置きです。言い切ってしまうには根拠が足りない――そんなときに一呼吸おいて可能性を差し出す、英語ならではのクッション表現と言えます。

この一言を覚えておくと、断定を避けながらも自分の見立てを口に出せるようになります。会議での慎重な発言から、友人とのちょっとした推測まで、幅広い場面で顔を出す表現です。

シェルドンのように突拍子もない方向へ使うこともできれば、冷静に予断を避けるためにも使える、懐の深い一言です。あなたの英語の引き出しに、この「言い切らない一言」を加えてみてください。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「for all we know」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次