海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
いつまで続くとは言い切れないけれど、「まあ当分はこの状態だろうな」と見通しを立てる場面が、仕事でも暮らしでもありますよね。
その「当面のあいだ」をやや改まって伝える「for the foreseeable future」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン3第13話、パサデナからの移住先を真顔で探すシェルドンのシーンから、一緒に見ていきましょう。
「for the foreseeable future」の意味とニュアンス
for the foreseeable future
意味:当面のあいだ/予見できる将来は
「先が見通せる範囲の将来=しばらくの間」を意味する、ややフォーマルな定型句です。いつ終わるかは明言できないものの、当分はこの状態が続く、と述べるときに使われます。
foreseeable は fore(前もって)+ see(見る)+ -able(できる)から成り、「前もって見通せる」という意味です。つまりこのフレーズは「目を凝らして見通せる範囲の未来の間ずっと」を表します。計画・状況・方針が「当分は変わらない」ことを、やや硬めに伝えたいときにぴったりで、企業の告知文や経済ニュースで頻繁に登場します。終わりの時期をあえてぼかすことで、断定を避けつつ「しばらく続く」と責任ある言い方ができるのが特徴です。
【ここがポイント!】
- 「見通せる範囲の未来=当分の間」を表すフォーマルな表現
- 終わる時期を明言せず「しばらく続く」と伝えられる便利な一言
- ビジネス文書・報道で頻出、日常で使うとやや改まった響きになる
『ビッグバン★セオリー』S03E13のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
強盗被害にショックを受けたシェルドンが、パサデナを離れて新天地に移ろうとしています。ペニーが「宇宙人の母船に見つけてもらうため、一か所にいる必要があるのでは」とからかうと、シェルドンは真顔で切り返します。
Penny: Don’t you need to stay in one place so the mother ship can find you when it returns?
(母船が戻ってきたとき見つけられるように、一か所にいなきゃいけないんじゃないの?)Sheldon: Oh, if that were only true. Unfortunately, as I’m earthbound for the foreseeable future, I need to find a location that’s more hospitable than the mean streets of Pasadena.
(ああ、それが本当ならよかったのに。残念ながら、当面は地球に縛られている身なので、パサデナの物騒な通りよりも居心地のいい場所を見つける必要がある)The Big Bang Theory Season3 Episode13(The Bozeman Reaction)
シーン解説と心理考察
for the foreseeable future という、本来はビジネス文書や報道で使われる持って回った言い回しを、「宇宙人に連れ去られない以上は地球暮らし」という荒唐無稽な前提に対して大真面目に当てているのが見どころです。硬い表現と突拍子もない中身のギャップが、シェルドンらしい可笑しみを生み出しています。
ペニーのからかいを「それが本当ならよかったのに」と軽くいなしつつ、移住先の検討は一切緩めない。この生真面目さが、彼のキャラクターをよく物語っています。当面は地球を出られないという前提を、まるで会社の事業方針でも語るかのように述べるトーンに、シェルドンの世界の捉え方がにじんでいると言えるでしょう。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
for the foreseeable future は、霧の立ちこめた道を歩く場面をイメージすると覚えやすくなります。視界が届くのは、ほんの少し先まで。その「目に見える範囲の道のり」については「当分この状態が続く」と分かっていても、霧の向こうがどうなっているかは分からない。この「見通せるところまで」という感覚が、フレーズの核です。
シェルドンが、宇宙人に迎えに来られない限りは地球暮らし、という前提でこの硬い表現を真顔で口にする姿を思い浮かべてみてください。fore(前もって)+ see(見る)という成り立ちと、霧の中で見える範囲だけを指さすイメージを重ねておくと、フォーマルな言い回しがかえって記憶に残ります。
例文で覚える「for the foreseeable future」
当面の見通しを述べるこのフレーズは、文末にも文頭にも置けます。フォーマル度の異なる3つの例文で、その使い方を確かめてみましょう。
The office will remain closed for the foreseeable future.
(オフィスは当面のあいだ閉鎖が続きます)
社内通知や告知文で見かける場面です。終わりの時期を明言せず「当分続く」と伝える、最もフォーマルな使い方です。
Prices are expected to stay high for the foreseeable future.
(価格は当面、高止まりが続くと見られている)
経済ニュースを読む場面です。報道で「しばらくこの傾向が続く」と見通しを述べるときの定番表現です。
A: Are you guys planning to move anytime soon?
B: No, we’re staying put for the foreseeable future.
(A:そろそろ引っ越す予定とかあるの?)
(B:いや、当分はここに腰を据えるつもりだよ)
今後の生活の見通しを話す会話です。やや改まった響きを残しつつ、日常会話にも自然に持ち込める使い方です。
あわせて覚えたい関連表現
for now
(今のところ/さしあたり)
ごく口語的で、「今この時点では」という短期の含みを持つ表現です。for the foreseeable future がより長く「当分先まで」を見据えるのに対し、for now は目先の一時的な状態を指します。
for the time being
(当面は/さしあたって)
意味はかなり近い表現ですが、「一時的に・暫定的に」というニュアンスがやや強く、状況が変わり得る含みがあります。for the foreseeable future は「変わる見込みが当分ない」という持続性を強調する点が異なります。
in the long run
(長い目で見れば)
「最終的には」と、遠い将来の結果に焦点を当てる表現です。for the foreseeable future が「今から当分の間」という近い将来からの継続を指すのに対し、こちらははるか先の帰結を語ります。
Note|for the foreseeable future と for now の時間幅の違い
for the foreseeable future を覚えると、同じ「しばらくは」と訳せる for now との違いが気になってきます。どちらも「当面」と訳せてしまうため、どう使い分ければいいのか迷うところです。
二つの違いは「時間の射程」にあります。for now は「今この時点では」という、ごく短い目先の状態を指します。Let’s leave it for now.(今のところはこのままにしておこう)と言えば、「とりあえず今は」という暫定的な響きで、すぐにでも状況が変わりうる含みがあります。一方 for the foreseeable future は「見通せる限りの未来」、つまり中長期にわたる持続を見据えます。さらに両者の中間あたりに for the time being(さしあたって)があり、これは「一時的に」というニュアンスを残しつつ、for now よりは少し長い期間を指します。短い順に並べれば、for now(目先)→ for the time being(当面・暫定的)→ for the foreseeable future(見通せる限り)という時間幅のグラデーションになります。同じ「しばらく」でも、どれを選ぶかで「いつまで」の感覚と、変化のしにくさが変わってくるわけです。
シェルドンが for the foreseeable future を選んだことには、ちゃんと意味があります。「ちょっとの間だけ地球にいる」のではなく、「宇宙人が迎えに来ない限り、当分ずっと地球暮らし」という腰の据わった見通しを、この硬い表現が的確に表しているのです。
「いつまで」をぼかしながら「当分は」と言える。それがこのフレーズの便利さです。
まとめ|シェルドンの移住計画で覚える「当面のあいだ」
for the foreseeable future は、「見通せる範囲の将来=当分の間」を、ややフォーマルに伝える定型句です。終わりの時期を明言せずに「しばらく続く」と言えるため、ビジネスの告知から今後の予定の説明まで、幅広く活躍します。
この表現を覚えておくと、断定を避けながらも「当分はこうだ」という見通しを、落ち着いた響きで伝えられるようになります。短期を指す for now や、暫定的な for the time being との時間幅の違いを押さえておけば、状況に応じた使い分けも自在になるはずです。
シェルドンが移住計画を語るときに見せた、あの妙に生真面目なトーンを思い出しながら、この「当面のあいだ」をあなたの英語の引き出しに加えてみてください。


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