「face up to」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S04E03で学ぶ英会話

「face up to」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

見たくない現実や、認めたくない自分の気持ちから、つい目をそらしてしまう——でも、いつかは向き合わなければ、と感じたこと、ありませんか。

そんなときに使える「face up to」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン4第3話、レナードが大量の猫を飼い始めたシェルドンを諭すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「face up to」の意味とニュアンス

face up to
意味:(困難・現実・感情に)正面から向き合う、直視する

face up to は、目を背けたくなるような不都合な事実・責任・感情から逃げずに、正面から受け止めることを表す句動詞です。face(顔を向ける)に up(立ち上がって・正面に)と to(対象へ)が重なり、「逃げずに顔を上げて立ち向かう」という強い方向感が生まれています。

このフレーズが対象に取るのは、たいてい「これまで目をそらしてきたもの」です。自分の失敗、認めたくない現実、抑え込んできた感情——そうした、向き合うのに勇気がいるものに対して使われます。単に「対応する」のではなく、「直視する」という心理的な一歩に重きが置かれているのが特徴です。

【ここがポイント!】

  • face(顔を向ける)+ up to で「逃げずに正面から立ち向かう」が核
  • 対象は、目をそらしてきた現実・責任・感情であることが多い
  • 「対応する」より「直視する」という心の一歩に重きがある

『ビッグバン★セオリー』S04E03のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

エイミーとの関係が終わったあと、シェルドンは5匹もの猫を飼い始めて寂しさを埋めようとします。それを見たレナードが、これはエイミーを失った穴埋めだと見抜き、「自分の感情に向き合う必要がある」と諭すのがこの場面です。

Leonard: My point is you need to face up to what you’re feeling with this breakup.
(僕が言いたいのは、この破局で自分が感じていることに、ちゃんと向き合う必要があるってことだよ。)

Sheldon: It wasn’t a breakup. A breakup would imply that Amy was my girlfriend.
(破局じゃない。破局と言うなら、エイミーが恋人だったことになってしまう。)

The Big Bang Theory Season4 Episode3(The Zazzy Substitution)

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シーン解説と心理考察

レナードは友人として、シェルドンが自分の感情を直視できずにいる状態を指摘しています。face up to という言葉選びには、「逃げずに、感じていることを正面から見つめてほしい」という願いがこもっていると言えるでしょう。

これに対するシェルドンの返しが、見事に「向き合わない」反応になっています。「破局ではない」と言葉の定義にこだわることで、感情を直視することをやんわり回避しているのです。レナードが「向き合え(face up to)」と促し、シェルドンが言葉尻でかわす——この対比が、まさに「直視 vs 逃避」の構図として浮かび上がります。フレーズの意味が、二人のやり取りの中で立体的に見えてくるのが見どころです。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

うつむいて目を背けていた人が、ぐっと顔(face)を上げて(up)、向き合いたくなかった相手や現実に正面から(to)対峙する——その「顔を上げて立ち向かう」動作を、そのまま思い浮かべてみてください。下を向いていた視線が、まっすぐ前を向く。その身体の動きが、face up to の核そのものです。

劇中では、シェルドンが「破局じゃない」と顔をそむけるように否認するのに対し、レナードが「向き合え」と促していました。目をそらす人と、顔を上げさせようとする人。この対照的な二人の姿とセットにすると、フレーズの方向感ごと記憶に残ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「face up to」

face up to は、避けてきた現実や感情に向き合う場面で活躍します。3つの例文で使い方を見ていきましょう。

You have to face up to your mistakes before you can move on.
(前に進むためには、自分の過ちに向き合わなければならない。)
自己反省を促す場面の定番です。mistakes(過ち)など、認めたくないものを目的語に取るのが典型的な使い方です。

The company must face up to its responsibility for the pollution.
(その会社は、汚染に対する責任に向き合わなければならない。)
企業の説明責任を問う、ややフォーマルな文脈です。responsibility(責任)と組み合わせると、逃げずに引き受ける姿勢を表せます。

A: I keep telling myself everything’s fine, but it’s really not.
B: Maybe it’s time to face up to how you actually feel.
(A:大丈夫だって自分に言い聞かせてるけど、本当はそうじゃないんだ。)
(B:そろそろ、自分が本当はどう感じてるか、向き合うときかもしれないね。)
気持ちを打ち明ける会話です。抑え込んできた感情を直視するよう、そっと促すニュアンスで使えます。

あわせて覚えたい関連表現

confront
(立ち向かう、対峙する)
1語でやや硬い表現です。face up to より直接的で対立的なニュアンスがあり、問題だけでなく人に正面からぶつかる場面にも使われます。

come to terms with
(受け入れる、折り合いをつける)
つらい事実を「向き合った末に受け入れる」という着地点に焦点を当てた表現です。face up to が「向き合う」行為そのものを指すのに対し、こちらはその先の受容を表します。

deal with
(対処する、処理する)
実際に「処理・対応する」という行動面に焦点を当てた表現です。face up to が感情や現実を「直視する」心理面を中心に据えるのに対し、deal with は具体的なアクションに重きがあります。

Note|denial(否認)とセットで語られる表現

レナードが face up to を持ち出したとき、シェルドンは「破局じゃない」と言葉でかわしました。この「事実を認めない」態度は、英語圏ではひとつのキーワードで語られます。

英語圏では、つらい現実や事実を受け入れられず認めようとしない心理状態を denial(否認)と呼びます。そしてその対極にある行動として、しばしば face up to や face reality(現実に向き合う)が引き合いに出されます。「彼はまだ denial の状態だ」「そろそろ現実に face up to すべきだ」というように、否認と直視は対になって語られることが多いのです。心理学の用語としても、日常会話の中でも、この二つはセットで登場します。劇中のシェルドンが、別れという事実を「破局ではない」と言葉の定義にすり替えて認めようとしない姿は、まさにこの denial の典型として描かれていると言えます。

つまりレナードは、友人が denial に陥っていることを見抜いたうえで、「face up to(向き合え)」と促していたわけです。否認という言葉の背景を知ると、なぜレナードがこのフレーズを選んだのか、その的確さが見えてきます。目をそらすか、顔を上げるか。シェルドンの選択は、さて。

顔を上げるその一歩に、勇気が宿ります。

まとめ|逃げずに「顔を上げる」一歩

face up to は、避けたくなる現実や感情から目をそらさず、正面から受け止める——その心の一歩を表す表現です。「顔を上げて立ち向かう」という身体的なイメージを押さえれば、意味も使いどころも自然と身につきます。

自分の失敗、認めたくない事実、抑え込んできた感情。向き合うのに勇気がいる場面でこそ、この表現は力を持ちます。confront や come to terms with との違いを意識すると、使い分けの幅もぐっと広がります。

シェルドンが目をそらした「向き合うこと」を、あなたの表現の引き出しに加えてみてください。

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