「mend fences」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S04E12で学ぶ英会話

「mend fences」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

ちょっとした行き違いで気まずくなってしまった相手と、どう関係を立て直そうか思いあぐねた経験はありませんか。

そんなときにぴったりの「mend fences」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン4第12話の後半、レナードと仲違いしたシェルドンが、ペニーに知恵を借りながら奇妙な謝罪作戦を練るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「mend fences」の意味とニュアンス

mend fences
意味:(こじれた)人間関係を修復する、仲直りする

mend は「(壊れたものを)直す、繕う」、fences は「柵」。直訳すると「柵を修繕する」ですが、慣用句としては、対立や不和を解消して関係を立て直すことを指します。

壊れた柵を直すように、ぎくしゃくした間柄を元どおりにする、というイメージです。個人同士の仲直りから、政治やビジネスの和解まで、幅広い場面で使われます。”mend fences with + 人” の形で「(その人)と仲直りする」と続けるのが定番です。穏やかで前向きな響きを持ち、深刻な対立そのものを終わらせるというより、関係を地道に繕い直すニュアンスがあります。

【ここがポイント!】

  • 「mend fences」の核は、壊れた柵を直すように人間関係を繕い直すイメージ
  • with + 人 をつけて「誰と仲直りするか」を示すのが基本の形
  • 個人の仲直りから外交の和解まで使える、穏やかで前向きな一言

『ビッグバン★セオリー』S04E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レナードと仲違いしたシェルドンが、ペニーに相談を持ちかけます。ペニーは「皮肉に聞こえないように謝れば角が立たない」と入れ知恵しますが、シェルドンの頭にあるのは「表向きは仲直り、本心は非難」という二枚舌の作戦でした。ここで mend fences が、本来の意味とはひねった形で登場します。

Penny: So you’re going to apologize, but in a way that’s actually an insult.
(つまり、謝る——でも実は侮辱になってる、って形でね)

Sheldon: Precisely. He will hear it as an attempt to mend fences, not the condemnation we know it to be.
(その通り。彼は仲直りの試みだと受け取る。実際は非難だと、僕らは分かっているがね)

The Big Bang Theory Season4 Episode12(The Bus Pants Utilization)

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シーン解説と心理考察

シェルドンが素直な謝罪を「敗北」と捉えていることが、この場面からよく伝わってきます。だからこそ、形だけは仲直りしつつ、本心では相手を非難するという折衷案に飛びつくのです。プライドを傷つけずに事を収めたい、という彼の不器用さがにじみ出ています。

ここでの mend fences は、穏やかな「関係修復」の表現が、皮肉の隠れ蓑として使われている点が見どころです。表向きは柵を直すふりをしながら、内心ではもう一突きしている——その倒錯した発想が、かえって mend fences 本来の「素直な歩み寄り」という意味を逆説的に際立たせています。ペニーの呆れ顔とあわせて、シェルドンらしさが凝縮されたやり取りだと言えます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

隣の家との境界に立つ、壊れかけた木の柵を思い浮かべてみましょう。その柵を、二人で並んで打ち直している場面です。柵を直す行為が、そのまま隣人との関係を立て直すことに重なります。

かつてのアメリカの農村では、境界の柵をきちんと保つことが、隣人との良好な関係を保つ象徴でもありました。「柵(fence)を直す=人との関係を繕う」という映像で覚えると、意味が自然に入ってきます。シーンのシェルドンが、その柵を「直すふりをして実は蹴り倒している」ような倒錯ぶりだったことを思い出すと、本来の素直な意味との対比でいっそう記憶に残ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「mend fences」

「誰と仲直りするか」を with の後ろに置くのが基本の形です。個人の和解からビジネスまで、3つの例文で使い方を見てみましょう。

After the argument, she invited him to dinner to mend fences.
(口論のあと、彼女は仲直りしようと彼を夕食に招いた)
けんかのあとの歩み寄りの場面です。個人同士の仲直りを表す、最も身近な使い方です。

The two countries are trying to mend fences after years of tension.
(両国は長年の緊張のあと、関係修復を図っている)
外交や国際関係を語る場面です。国家間の和解にも使える、ややフォーマルな用法です。

A: You and your brother still not talking?
B: Actually, I’m going over this weekend to mend fences.
(A:お兄さんとまだ口きいてないの?)
(B:それが、今週末に仲直りしに行くつもりなんだ)
疎遠だった身内との和解を語る場面です。with をあえて省き、文脈で相手が分かる自然な会話の使い方です。

あわせて覚えたい関連表現

patch things up
((関係を)取り繕う、仲直りする)
mend fences より口語的でカジュアルな表現です。patch(継ぎ当て)のイメージから、応急的に関係を繕い直すニュアンスが出ます。

bury the hatchet
(和解する、争いをやめる)
「斧を埋める」が文字どおりの意味で、敵対そのものをやめる強い和解を表します。mend fences より「武器を置く」イメージが前面に出る点が違いです。

make amends
(埋め合わせをする、償う)
相手に与えた損害を「償う」具体的な行為に焦点があります。関係全体を立て直す mend fences とは、力点が異なる表現です。

Note|「良い柵が良い隣人を作る」――境界の柵という比喩

なぜ「柵を直す」が「仲直りする」になるのでしょうか。その背景には、英語圏で fence(柵)が人間関係の比喩として長く使われてきた事情があるとされています。

mend fences は、もともと農地の境界に立てた柵を補修する、文字どおりの作業に由来するとされます。隣り合う土地のあいだの柵をきちんと保つことは、家畜が隣家の畑に入り込むようなトラブルを防ぎ、隣人と良好な関係を保つために欠かせませんでした。19世紀のアメリカでは、政治家が地元に戻って有権者との関係を保つ意味でもこの表現が使われるようになり、比喩としての用法が定着していったと説明されます。英語には “Good fences make good neighbors”(良い柵が良い隣人を作る)ということわざもあり、適切な境界を保つことがかえって良い関係を生む、という感覚が根づいています。fence が「隔てるもの」であると同時に「関係を支えるもの」でもある——この二面性が、mend fences の背後に流れています。

シーンのシェルドンが、その「柵を直す」表現を皮肉の隠れ蓑に選んだのも、本来この言葉が持つ穏やかさを知っていればこそでした。境界の柵という原風景を思い浮かべると、フレーズの手触りが見えてきます。

直すべきは、壊れた柵か、それとも人との間合いか、ですね。

まとめ|壊れた柵を、また一緒に直す

mend fences は、壊れた柵を繕うように、こじれた人間関係を地道に立て直すことを表すフレーズです。穏やかで前向きな響きを持ち、個人の仲直りから国家間の和解まで幅広く使えるのが特徴でした。

この表現が引き出しにあると、「あの人と気まずいままにしたくない」「関係をもう一度立て直したい」といった気持ちを、英語でやわらかく言い表せるようになります。

誰かとの間合いを繕いたくなったとき、表現の引き出しに加えてみてください。

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