「tear up」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S05E09で学ぶ英会話

「tear up」の意味と使い方を解説
目次

「tear up」の意味とニュアンス

tear up
意味:涙ぐむ、目に涙がたまる

tear up は、感情がこみ上げて目に涙がにじむことを表す表現です。ここでの tear は「涙」を意味し、/tɪr/(ティア)と発音します。

声を上げて泣く cry とは違い、tear up は「目がうるっとする」「涙が浮かぶ」という、泣く一歩手前の控えめな状態を指します。感動した場面、別れの瞬間、心を打たれた言葉など、ぐっとくる場面で自然に出てくる表現です。

注意したいのは、同じ綴りの tear up でも、tear を /teər/(テア)と発音すると「(紙などを)びりびりに破る」という別の意味になる点です。同じ文字でも、発音と文脈で意味がはっきり分かれます。tear up は主に自分が主語になり、She teared up. のように「(人が)涙ぐむ」場面で使われる自動詞で、感情の動きをやわらかく伝えられる便利な一言です。

【ここがポイント!】

  • tear up の tear は「涙」/tɪr/、「うるっとくる」のが核
  • cry(声を上げて泣く)より控えめで、泣く一歩手前のニュアンス
  • 同じ綴りでも /teər/ なら「破る」になる、発音で意味が変わる点に注意

『ビッグバン★セオリー』S05E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レナードは、ペニーをダム建設の地味なドキュメンタリー映画に連れ出します。バーで一息つきながら、レナードは「本当は感動してただろ」と、ペニーが涙ぐんでいたことを指摘します。

Leonard: Come on, you enjoyed the movie. I saw you tearing up when the village got flooded, and everyone had to relocate.
(ほら、楽しんでたじゃないか。村が水没してみんな引っ越さなきゃならない場面で、君が涙ぐんでたの見たよ。)

Penny: No, I was thinking how come they get to leave and I can’t.
(違うわよ。なんで彼らは出ていけて、私は出ていけないのって考えてただけ。)

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シーン解説と心理考察

このやり取りの面白さは、tearing up という言葉が指す「涙の理由」が、二人の間ですれ違っている点にあります。レナードは、ペニーが村の水没シーンに感動して涙ぐんだのだと得意げに指摘します。地味なドキュメンタリーでも、ちゃんと心を動かされていただろう、という主張です。

ところがペニーの返しは、まったく別の方向を向いています。彼女が涙ぐんでいたのは映画への感動ではなく、「住み慣れた場所を離れられる村人がうらやましい」という、自分の停滞した状況への思いからでした。tear up という同じ事実を、二人がまるで違う意味で受け取っているところに、このシーンのおかしみがあります。

涙ぐむという小さな反応一つをめぐって、すれ違いと自虐がにじむ会話に仕上がっているのが見どころです。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

暗い映画館で、スクリーンの光を見つめる目に、じわっと涙の膜が張っていく——その「目に水が up(上がってくる)」イメージで tear up をとらえてみてください。涙(tear)が、目の中にせり上がってくる感覚です。

ペニーが映画を観ながら目をうるませた、あの瞬間を思い浮かべれば、tear up が「ぼろぼろ泣く」のではなく「うるっと涙が浮かぶ」控えめな反応であることが、すっと記憶に残ります。同じ綴りでも、紙をびりびり破る tear up とは音も場面も別物だと、セットで押さえておきましょう。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「tear up」

tear up は、感動や別れなど、心が動いた場面で活躍します。涙が「浮かぶ」やわらかな反応を表す3つの例文で、使い方を見ていきましょう。

She teared up during the wedding speech.
(彼女は結婚式のスピーチの最中に涙ぐんだ。)
感動的なスピーチに心を打たれる場面です。teared up と過去形にして、その瞬間に涙が浮かんだことを表しています。

I always tear up at the end of that movie.
(あの映画の終わりでは、いつも涙ぐんでしまう。)
お気に入りの映画について語る場面です。always tear up で「決まって涙ぐむ」という、繰り返しの反応を伝えています。

A: Are you okay? Your eyes are red.
B: I just teared up a little watching the news. It was so touching.
(A:大丈夫?目が赤いよ。)
(B:ニュースを見てちょっと涙ぐんじゃっただけ。すごく感動的で。)
相手の様子を気づかう会話です。teared up a little で「少しうるっときた」という控えめな度合いを表しています。

あわせて覚えたい関連表現

well up
(こみ上げる、あふれる)
涙や感情がじわじわとこみ上げてくる表現です。tear up が「目に涙がにじむ」ことに焦点を当てるのに対し、well up は Tears welled up in her eyes. のように、涙そのものがあふれてくる動きを描きます。

choke up
(感極まって言葉に詰まる)
感情が高ぶって、声がうまく出なくなる状態です。tear up が目元の涙を指すのに対し、choke up はのどが詰まって話せなくなる、もう一段強い感情の表れを表します。

get misty-eyed
(目がうるむ)
目がうっすら涙でぼやける様子を表す表現です。tear up とほぼ同じ場面で使えますが、misty(霧がかった)という語感のぶん、より詩的でやわらかい響きがあります。

Note|同じ綴りで音が違う tear ―「涙」と「裂く」

tear up を学ぶとき、ぜひ一緒に押さえておきたいのが、tear という単語が持つ二つの顔です。

英語の tear は、まったく同じ綴りなのに、発音によって意味が変わる単語です。/tɪr/(ティア)と読めば「涙」、/teər/(テア)と読めば「裂く・破る」になります。つまり tear up も、/tɪr/ で読めば「涙ぐむ」ですが、/teər/ で読めば「びりびりに破る」という、正反対といっていいほど違う意味になります。She teared up.(彼女は涙ぐんだ)と She tore up the letter.(彼女は手紙を破り捨てた)では、同じ tear から生まれた表現とは思えないほど場面が異なります。こうした、綴りは同じで発音と意味が違う単語は同綴異音語(heteronym)と呼ばれ、英語には lead(リード/レッド、「導く」と金属の「鉛」)、wind(ウィンド/ワインド、「風」と「巻く」)など、ほかにもいくつか存在するとされています。

この二つの顔を知っておくと、tear up に出会ったとき、文脈から「涙」なのか「破る」なのかを落ち着いて見分けられます。誰かが涙ぐむ場面なのか、紙を破る場面なのか——前後を見れば、迷うことはありません。

同じ文字が、音ひとつで涙にも破壊にもなる。英語の奥行きが、ここにのぞいています。

まとめ|ペニーの涙から学ぶ「うるっとくる」の一言

tear up は、感情がこみ上げて目に涙がにじむことを表す表現です。声を上げて泣く cry とは違い、「うるっとくる」「目がうるむ」という、泣く一歩手前の控えめな反応を伝えられます。

この表現を覚えておくと、感動した場面や心を打たれた瞬間の気持ちを、大げさになりすぎずにやわらかく言葉にできます。同じ綴りでも /teər/ と読めば「破る」になる、という同綴異音語の面白さも、あわせて知っておくと忘れにくくなります。

地味なドキュメンタリーに、思いがけず自分を重ねて涙ぐんだペニーを思い出しながら、tear up を感情表現の引き出しに加えてみてください。

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